豊島区の放置自転車税を国が同意   

「政策としては疑問残る」 放置自転車税で総務相

「望ましい」とは言っていない=放置自転車税同意で-麻生総務相

 豊島区の放置自転車税を国が同意した。

 法定外目的税は、国が同意しないと創設できない。過去に、横浜市が狙った「馬券税」は、国との協議の中で同意が得られず、断念するに至っている。

 今回の放置自転車税については「政策として疑問が残る」としながらも同意が得られたそうだ。電車を利用する人たちの放置自転車が社会問題となっている街は数多い。市民がボランティアで規制に乗り出しても、そこはあくまでボランティア。強制力はなく、追い払っても他所に止めてしまうといういたちごっこ。TVの「憤激リポート」などでしばしば取り上げられている。

 放置自転車税の目的は、撤去費用・駐輪場の設置などの費用を目的として、鉄道会社に税負担を求めるもの。これまで撤去や駐輪場の整備に約10億円の費用がかかっているそうで、新税によって2億3100万円を見込んでいるとか。

 鉄道会社にしてみれば、「なんでウチが納税義務者なんだよ!(怒)」というところだろう。迷惑駐輪しているのは自転車のユーザーだから、ユーザーに対する課税やペナルティを課すのが本筋だろう。豊島区は自転車ユーザーの約7割が鉄道利用者というデータを根拠に課税するということだ。

 杉並区が創設した新税の「すぎなみ環境目的税」は、スーパーマーケットなどで使われているレジ袋(ビニール袋)1枚に対し5円の税が課される。これは、課税することによってマイレジ袋などを使用するようになり、ごみの減量化と、ごみ処理にかかる費用の軽減、徴収した税を処理費用にあてることなどを目的としている。豊島区と異なり、ユーザーに対する直接的な税だ。これならば分かりやすい。

 法定外目的税は地方税法の改正により、各自治体独自の課税の道がひらけ、独自の財源確保を可能にする税だ。目的税であることから、徴収した税の使い道は決められている。

 豊島区にせよ、杉並区にせよ、それぞれの目的を掲げ、税の正当性を主張し、その主張に対し国が同意したところであるが、現状に対する危機感と目的税の使途の部分では理解できるものの、課税対象者という点では、豊島区の考えには首を傾げざるを得ない。なぜなら、鉄道会社からすれば、自分たちの努力では税額を減らすことができないからだ。税額を減らすには鉄道会社が独自に駐輪場を設けることになる。駐輪場の設置は行政の仕事ではないだろうか・・。

 法定外目的税の「取り方」には2パターンがあるように思う。一つは、住民が税を支払うことで問題を自覚し、住民の努力を喚起させて問題の解決をねらうもの。もう一つは、恒常的に存在する問題をターゲットとして、安定した税収を確保しようとするもの。前者は杉並区のように住民が努力すれば税額は落ちるが、同時に処理費用も軽減されることで目的は達成されるもので、東京都の「宿泊税」や「他県車乗り入れ税」(構想)などがある。神奈川県の水原環境税(構想)のように、薄く広く一律に課税することで常に一定の税額が見込まれるところを狙い撃つものがある。

 「新税をつくります」と言われてまだ納得しやすいのが前者だ。この不景気の時代に新たな支出を抑えたいと、自分の行動に注意すれば払わなくて済むものであれば、強烈な反対は起きまい。一方、それらしい理由をごちゃごちゃ並べて薄く広く一律に狙い撃ちされるような税は、反対は多くなるだろう。その「目的」や「理由」については多種多様な考えがありながらも、払わなくて済むような仕組みがないからだ。また、そのような一律型は普通税の一般財源から歳出という指摘があがるだろう。

 豊島区の放置自転車税の場合は、鉄道会社からすれば言われなき責任転嫁で、放置している当の自転車ユーザーは痛くも痒くもない仕組みでは、放置自転車の問題をなんとか解決したい、という目的から離れているような気がしてならない。

 今後、東京都の「銀行税」裁判のように、鉄道会社と豊島区で争いが起こる可能性が高いと私は思うが、その行方を見守りたい。

法定外目的税ってなに?
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by cogno_eb2 | 2004-09-15 14:39 | ニュースコラム

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