外国人参政権   

外国人参政権の問題は、すなわち、次の二点の内容が重要である。

1.「外国人」とは国籍所有者以外の者であり、その範囲はどこまでか
2.「参政権」とは、選挙権、被選挙権のいずれも含むのか

1.外国人の範囲
 サンフランシスコ平和条約に基づく永住者を特別永住者といい、強制退去や再入国許可などの要件が緩和されている(いわゆる在日特権)。朝鮮戦争時に入国した者も含まれているという指摘もある。

 いずれにしても、法律では、居住者に納税義務があるとするため、外国人にあっても日本に居住し、所得を得ると所得税が、居住すると住民税の納税義務が発生する。したがって、特別永住者、一般永住者の別無く、日本の居住者は国税・地方税を納入している。

 外国人への参政権付与が議論される理由は、まさにここにある。これらの人々が行政サービスの対価として税金を払い生活を送っているにも関わらず、行政サービスのあり方について権利行使できないことは問題ではないか、という考え方だ。

2.参政権の範囲
 日本国憲法第15条は「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と定めている。

 公務員の選定・罷免とは、簡単に言えば、国会議員、地方議会議員、地方自治体の首長(知事、市町村長)の選挙権(リコール等含む)のこと。これが国民固有の権利とされていることから、選挙権は、国民であることが条件であり、日本国籍所有者である。当然、帰化による国籍取得者を含む。

 憲法の規定で、国民固有の権利とされている参政権は、公職選挙法がこれを受けて、選挙権(投票する権利)、被選挙権(立候補する権利)としてその細部が規定されている。


公職選挙法
(選挙権)
第9条 日本国民で年齢満20年以上の者は、衆議院議員及び参議院議員の選挙権を有する。
2 日本国民たる年齢満20年以上の者で引き続き3箇月以上市町村の区域内に住所を有する者は、その属する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。

(被選挙権)
第10条 日本国民は、左の各号の区分に従い、それぞれ当該議員又は長の被選挙権を有する。
1.衆議院議員については年齢満25年以上の者
2.参議院議員については、年齢満30年以上の者
3.都道府県の議会の議員については、その選挙権を有する者で年齢満25年以上のもの
4.都道府県知事については年齢満30年以上の者
5.市町村の議会の議員についてはその選挙権を有する者で年齢満25年以上のもの
6.市町村長については年齢満25年以上の者


 ということで、つまり、特別永住者に限定するのか、一般永住者にまで範囲を拡大するのか。そして、その対象者に選挙権と被選挙権とを与えるのか、選挙権に限定するのか。

 それでは、これまで国会へ提出された外国人参政権に関する法案は、参政権の範囲をどのように規定しているのだろうか。これまで、主に民主党、公明党、共産党が外国人への参政権付与に関する法案を国会へ提出しているが、その中身を見てみよう。

○民主党
地方選挙権のほかに各種請求権・就任資格など多数の権利を含む法案を提出。
 民主党賛成派議連2008年5月20日提言では、地方選挙権のみを付与する。直接請求権・公務就任権は今後必要に応じて検討としている。

○公明党
地方選挙権の他に各種請求権・就任資格など多数の権利を含む法案を提出していたが、第163回国会以降は地方選挙権のみを付与する法案を提出している。

○日本共産党
地方選挙権のほかに地方被選挙権、各種請求権・就任資格など多数の権利を含む法案を提出している。

※公職就任権、就任資格とは、公職選挙法でいう公職以外に、政府官職、国家公務員、地方公務員を含む場合がある。

 各政党の付与を予定する権利は、日本共産党案が「地方被選挙権」を予定する点で最も多く、民主党案がこれに続き、公明党現行案が最高裁判決「傍論」が想定した、限定した案に近い。

 以上のように、参政権の範囲については、各党の考え方はそれぞれ異なる。最も許容範囲の広いのが共産党で、地方被選挙権や請求権を含むとしている。

 単に参政権としてひとくくりにせず、それが具体的にどの権利を指すのかに注意する必要がある。
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by cogno_eb2 | 2010-04-24 23:13 | マニフェスト

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