日本人拘束事件 再発   

武装勢力が日本人男性拘束、自衛隊撤退を要求

日本人拘束受け政府が対策室設置、撤退には応じず

 また、イラクで日本人が拘束された。

 前回拘束されたときは、世論が真っ二つに割れ、2ちゃんねるには過激を通り越した無節操な書き込みがなされるなど、大きな騒ぎとなった。

 この騒ぎの発端は、拘束された3人の家族が、自分たちの子どもが、危険地域と知っていながら、退避勧告が出ているイラクへ自ら入国して拘束されたにも関わらず、拘束されたのは、自衛隊を派遣した日本政府の責任だとして、メディアを通じて自衛隊の撤退を求めたことにあった。

 政府は一貫して自衛隊の撤退要求には応じないとし、現地のパイプを通じて交渉を重ねていた。もちろん、その経緯は後から知ることになるのだが、表では、政治家から「自己責任」論が飛び出し、自衛隊撤退を要求する反体制派を刺激した。

 この一連の騒動は、拘束された被害者の家族が、第一声として謝ったり、監督不行き届きを詫びたりする姿勢が見られなかったことに対する抵抗感を持った者と、拘束された3人に同情し、助けることを最優先させるべきと考えた者、もともと自衛隊派遣に反対だった反体制勢力が、ここぞとばかりに政府を責め立てたという三者のそれぞれの思いが複雑に交錯した結果だった。

 当初3日間という短い猶予期間しか提示されなかったにも関わらず、結果として、3人は無事に解放された。

 今回またもや日本人が拘束される事件が起こったが、今回は48時間の猶予で、要求は同じく自衛隊の撤退だ。

 前回と今回で大きく異なることは、他国で残念なケースが多くある、ということだ。前回は韓国人牧師らが拘束されながら解放されたという事例くらいしかなかった、いわば初期のころだったが、それ以降、殺害されたという痛ましいことがあったり、ある国では軍隊を撤退させたりと、さまざまなケースが生じている。

 すでに政府は、自衛隊の撤退要求に応じることはないと、その姿勢を明らかにした。そのようにしながらも、前回同様に、救出のために全力をあげる、として、現在対策を講じている。

 前回も今回も、自衛隊の撤退要求には応じないが、救出に全力をあげる、という姿勢は変わらない。一部で曲解があった「自衛隊の撤退はさせない=人質を見殺しにする→自己責任だから」という図式ではないことは、もはや言うまでもなく皆さん承知だろう。

 政府がどのようなパイプを使い、また、どのような対策を講じて解決をみるかは、この事件が終わってみないと明らかにならないだろう。我々は冷静に見守るしかない。前回のように、エキセントリックになることは不要である。
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by cogno_eb2 | 2004-10-27 11:25 | ニュースコラム

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