国立マンション訴訟 住民逆転敗訴   

国立マンション訴訟、住民側逆転敗訴…景観利益認めず

 私がHP時代から注目して来た、国立マンション訴訟の控訴審で判決が出た。「景観利益を認めない」「違法建築ではない」という、住民側逆転敗訴の判決だった。

 私は「市民」が「勝った」のか ~国立マンション問題~という特集をHPで展開したが、私の知りうる限りでは、今回の判決は納得のいくものであり、個人的には妥当だと思う。

 この問題を少し整理しておこう。

 東京都国立市の大学通りに面した一角に、明和地所が14階立て高層マンションを建設した。

 建設計画が持ち上がったころから、周辺住民は反対運動を展開した。

 国立市は高さ20m以上の高層建築を制限する条例を制定した。

 明和地所はマンションを完成させた。

 簡単に書くと、このような流れで、反対住民と明和地所、国立市と明和地所の間で裁判となったわけだ。

 第一審の判決が、住民に景観権を認め、高さ20m以上の部分を撤去せよ、というものであったことから、判決が画期的であるとして注目を浴びた。

 詳しくは「市民」が「勝った」のか ~国立マンション問題~を見ていただけるとよいが、実は、報道や反対運動をしているHPなどでは語られていない、隠された事実があることがわかったのだ。

1 国立市長が公の場で適法建築物なのに「違法建築」発言をしたこと

2 問題のマンションをねらい撃ちするために深夜に議会を招集して条例を制定したこと

3 結果として行政権の濫用として4億円の損害賠償を命じられたこと

4 日照権の争いで勝てないと見るや景観権に切り替えたこと(景観そのものへの執着は最初からあったわけではないこと)

5 反対署名の大部分は国立市民ではなく、ネットや共産の「組織票」であったこと

6 業者はもともと営利主義であり、それをコントロールする行政の都市計画や建築基準法などの法整備に問題があったこと

7 法律で定められた手続を行っていることから、そもそも「法のすり抜け」や「横暴」という評価が不当であること

 誤った認識で最も多く語られているのが、「明和地所は、国立市の行政指導に従わず、条例ができる前に駆け込みで着工した」という部分だ。よく調べていくと、国立市は建設をしないように、という行政指導は行っていないし、市民の反対運動が強くなってから、公の場で適法建築物を違法建築と発言し、明和地所が本格着工する前を目指して、駆け込みで、深夜に議会を開催するまでして条例を作ったのだ。

 一部では行政と市民が力を合わせて「悪徳業者」を退治した、みたいな美談風に語られているようだが、実際は、国立市と国立市長が計4億円の損害賠償を命じられているし(もちろんそれは国立市民の税金なのだが)、一貫性の無い行政指導がこの問題を生んだという側面が否定できないので、決して美談なんかではないのだ。

 ともかく、控訴審の判決では、読売新聞が伝えたところによると、

 訴訟では、法的に保護される「景観権」「景観利益」が成り立つかどうかが争点となった。判決は、「景観が良好かどうかは人によって違う主観的なものであり、裁判所が判断することは適当でない」と指摘。「個々の国民が個別的な権利・利益として良好な景観を享受する地位を持つものではなく、個人の人格的利益とは言えない」として、1審とは逆に「景観利益」を認めない判断を示した。


 また、マンションの建築計画を知った国立市が着工から約1か月後に、建物の高さを制限する条例を施行したことについても、「明和地所の意向を無視して、建築を一方的に制限する目的だった」と批判。条例施行時には工事がすでに始まっていたことから、マンションは条例の適用を受けないと指摘し、違法建築にはならないと認定した。


 ということで、一審と比べるとはるかに納得のいく判決だと、私は考える。

 今後、最高裁までもつれこむ問題だろうと思うが、大いに注目していきたい事件だ。

追記(050624)

 最高裁判決でましたね。住民敗訴確定です。

 最新記事はこちら→国立マンション訴訟、住民側敗訴
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by cogno_eb2 | 2004-10-27 13:46 | ニュースコラム

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