維新八策の評価(まとめ)   

維新八策は、「こんなことできたらいいな」というドラえもんのポケットのようなものだ。

8つの策に明らかに濃淡がある。社会保障、経済・雇用・金融、防衛・外交の分野は明らかに弱い。

統治システムの改革には熱心だが、人々の暮らしに直結する、今日明日の問題については思慮が足りていない。

熱心な部分であっても齟齬というか食い違いというか、整合性がとれない部分も見受けられ、その意味では、複数の人間がいろいろな案を出し合った印象がある。体系的にとらえられていない。

率直に言って、国家を外からしか見ていない、という素人臭さが漂う。

それでは民主党の二の舞になる。

マニフェストの実質的な放棄の際、彼らはなんと言ったか。

「野党時代は情報が流れてこないから分からなかった。与党になって初めてわかったこともある」

彼らの言い訳を、百歩譲ってそんなものかと是認するなら、野党でさえそんな状況なら、地方政府の経験しかないのに中央政府の何がわかり、それをどう変えるという処方箋が描けるワケがない。

現在出されているのは維新の同志を募るための理念であり、踏み絵の絵のようなものらしいのだが、この理念に賛同することはさして難しくはない。

政策・施策の実現に対しての100パーセントの賛意を踏み絵とするならかなり難しく、またそれ故に賛意を示した者の結束力は相当なものがあろうが、理念への共有であれば、後に「理念は同じだがやり方が違う」と政治家お得意の集合離散につながるもろさを感じる。

加えて、理念への共鳴がハードルでは、「選挙うかりたさ」に近寄ってくる者の選別は難しいだろう。

理念への共鳴でつながった者たちはどのように支援を訴えるか想像してみよう。今後マニフェスト的なものが出ないと仮定すると、恐らく、個別の施策ではなく、「この国を変える」「社会システムを改革する」「この国はこのままでいいのか」といった浮ついた言葉しか出てこないだろう。

既成政党への批判、危機感を煽るような抽象的な訴え、革命児気取りの物言い・・・。

民主党の政権交代の時と状況は酷似してないか?

これが、民主党の政権交代選挙の時であれば功を奏したかもしれないが、今は、市民が政権交代という実験に失敗し、痛い目にあった後だ。ちゃんと考えなきゃダメなんだ、という流れに向かってほしいと個人的に願うものだが、そこへ再び市民の思考停止をもたらすような勢力が台頭するのは非常に危険だと危惧する。

維新八策は理念である。これを政策と読み誤り、政策であるが故にマニフェストと同等なもの、と考えると誤りである。

マニフェストとして公表したものですら、実現されずに謝罪も反省もなく葬り去られる世の中だ。理念だけで判断せよというのは有権者が受けつけまい。

まずは大阪で実績を積んでからそれで判断しても遅くないのでは?というのが、維新八策を分析した結論だ。

地方政府改革をやりきり、これ以上は法を変えなければダメだ、国家を変えなければダメだ、それらを変えれば暮らしはこんなに変わる、という絵を示せば、ようやく議論になるだろう。

青い。まだ早い。国政進出は早すぎる。

そして、危うい。
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by cogno_eb2 | 2012-09-22 01:30 | 維新の会

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