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枝野大臣のミソもクソも一緒   

来年1月から、復興増税と称して所得税や住民税が増税となることをご存じだろうか。

これは、文字どおり、東日本大震災の復興のために国民全員が負担する税であり、所得税は25年間、住民税は10年間の増税だ。

その目的から「復興のためなら」と理解を示す国民も多いと思われるが、その使い道がまったくのデタラメになりそうなことが、なんと初年度の予算編成の段階で露呈している。

つまり、復興とは関係ないものを復興予算に潜り込ませている、ということだ。

この「流用」問題が参院決算委員会で指摘された枝野経済産業大臣が「あのー、ミソもクソも一緒にした議論はやめていただきたい」という下品な言葉で反論したことが問題となっている。

枝野大臣はこのように激高して、「そもそも復興予算を被災地限定ではなく日本全国で使えるように変えてしまったのは自民・公明だ」と受け取れる発言をし、民主党の蓮舫氏は政府への質問者の立場にも関わらず、より明確に「自民・公明のせいだ」と主張したそうだ。

枝野大臣の認識は明らかに誤りである。復興増税については、「復興予算を被災地限定で使うべきか否か」の問題と、「復興予算を復興以外の事業に投じても良いかどうか」の問題の二つがあるわけだが、質問者の自民党の森雅子氏が、今年度補正予算の使い道について、地元・福島の企業向け立地補助金が不足している、すなわち、復興に当てられるべき予算がほかへ流用されていることを厳しく指摘した際に、「復興予算を全国で使えるようにしたのは自民・公明だ」と主張したことになる。

流用が問題だと言っている。復興予算に、全く関係ない事業が計上されて良いはずがない。

枝野大臣は、当初の目的から広げて日本全国で使える財布になってしまったのだから、なんでも計上して良い、と思っていたところに自民党から流用が指摘されて激高した、ということにならないか。

流用はどう考えてもダメである。でも大臣が自民・公明のせいにしつつ「使ってよい」と認識してたなら、そりゃ、政治主導で官僚を押さえ込むことはできまい。官僚のトップである大臣がそういう認識なのだから。

今や忘れ去られた民主党のマニフェストには、政治主導がキーワードだったのではなかったか。事業仕分けというパフォーマンス大会では、枝野氏も蓮舫氏も官僚たちをズバズバ斬ってたのに、今やこのとおり情けない姿をさらしている。蓮舫はともかく、枝野はまだましかなと思っていたのに。彼の言葉を借りるなら、みそくそ一緒の民主党にあって、まだ味噌的な人物かと思ってたのだが、どうやらそうでもないらしい。

官僚は、システム上のスキを見つけてどんどん入り込んでいく。今回の流用問題で言えば、復興と関係ない事業が一般会計予算で計上できなかったら、事業をスクラップアンドビルドするのではなく、復興予算を狙って「いかに復興に関係する事業であるか」の説明を一生懸命考える集団だ。

その特質を前提にしているから「政治主導」だと旗を掲げたのではなかったか。

官僚が「国民は復興のためになるならと忍従してくれているからその思いに応えなくては」なんて思わない集団だ。それを胸に抱いて仕事をするのは政治家だろう。そしてその思いを汲まない官僚をコントロールするのが政治家だろう。

それができない政権に来年度予算編成を任せられない。増税論議も白紙に戻した上で国民の信を問うて貰いたいものだ。

by cogno_eb2 | 2012-10-19 12:16 | ニュースコラム

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