年金制度に目を向けよ! これから制度はどうなる?   

 公明党の神埼代表以下、12名の未納が明らかになった。

 正直、「そうではないかなぁ」と当初から思っていた。それは、閣僚の未納が明らかになり始めたころ、「○○大臣に就任していた期間の○か月」といった報道がされていたからだ。普通に考えて、制度・手続に問題がありそうだ、という結論がその時点で出ると思う。私もそのときにそのように記事を書いた。

 報道は、ジャーナリズムよりもセンセーショナリズムへと傾斜しているので、誰が何ヶ月未納だったかをクローズアップし、特に中川議員の21年間という衝撃的なネタが転がり込んできたために、いっせいに「未納していた」という側面だけ強調されることになった。
 
 菅氏がこれに便乗し、閣僚の辞任を要求し、街頭では未納三兄弟と騒ぎ立てたおかげで、世論は「未納=責任問題」という図式をつくってしまった。福田官房長官の辞任の記事でも書いたが、未納という事実が辞任という問題にまで発展するほどのことだろうかと感じる。福田氏が自身の未納の事実を隠して偽った答弁をしていた、とか、菅氏が「未納=辞任」と自ら位置付けた図式に則って代表を辞したというのが今回の騒動である。

 結局、制度上の問題もあって、国会議員や閣僚は、ちゃんと払っていた人のほうが少ないくらいだ、ということがはっきりしただけのことだ。

 もう一度冷静になって年金制度それ自体を考えてみる必要がある。現在の年金制度では、義務化したとはいえ、満額の需給資格を得るためには20年を超える納付を必要とする。納付期間が短ければそれ相応の年金額になるだろうし、未納期間があれば需給資格を得ることができない。

 もし仮に、未納であっても年金が出る、ということであれば、ちゃんと払っている人の納付金から払っていない人の年金が支給されることになるので、これは払い損だ。しかし、現行制度でもそんなバカな制度にはなっていない。払っていない人はもらえないのだ。

 ということは、義務化したことのアナウンスや、きっちり徴収する体制をどのように整えるのか、という問題が解決されなくてはならない。タレントをつかったTVコマーシャルに何億と使うなら、そのカネで実効力のある対策がとれなかったのか、問われてしかるべきだ。

 保険料はプールされて運用される。運用益は年金支給額として再びプールされる。保険料をプールしただけで、その年の年金支給額をまかなっていただけでは、少子高齢化に対応できない。納付者が100人中70人いて、30人分の年金を支払うケースと、納付者が10人いて90人分の年金を支払うのとでは、後者の保険料がバカ高になってしまうからだ。だから年金は単年度の収支決算という形ではなく、これから10年後・20年後を見据えたプランとなってくる。

 では、プールされている保険料が、どのように運用されてきたかというと、日本の景気の低迷の影響をうけ、苦しい運用が続いてきたようだ。さらには積立金の取り崩しもはじまっている。

 そして、実は全額が運用に回っていたわけではなく、グリーンピアなど大規模ハコモノの建設費や、社会保険庁の事務費などに使われていたのである。事務費とは聞こえがいいが、長官の交際費&香典代とはなんたることか。

 大規模ハコモノや役人の事務費に保険料を使えるという制度ってどうよ!明らかにおかしいよね。制度改革というのであれば、そういう実態を公表して、それを改革することを前面に出すべきだ。ちなみにそのあたりの“改善”は、2005年度の予算編成で行うらしい。これは制度の改革ではなくて、制度運用の改善でしかない。

 今回の制度改革は、細部をもっとつめる必要がある。すでに参院へ送付されている。未納議員の問題に目を奪われている場合ではない。議員は議員年金があるから、勘違いやなんかでみんな払ってない、と位置付けてこの問題はもういいよ。

 そんなことより、私たち市民が「これっておかしいよね」と感じる部分がどのように改革されるのか、注視する必要がある。
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by cogno_eb2 | 2004-05-13 11:36 | 年金問題考

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