年金制度を考える(1)   

 年金制度に目をむけよう!ということだが、いきなり政府案の法案を読んでみても理解するのは容易ではないので、各党や業界などが提案している内容を、まずは見ていくことにしよう。

 シリーズ最初は、先の衆院で審議拒否をしなかった共産党から。

共産党の主張 ~衆院本会議~

・保険料引き上げに反対
・給付水準を下げることに反対
「最低保障年金制度」の提案

最低保障年金制度の概略

国民年金に関して
●最低保障額を当面月額5万円とし、全額国庫負担。年金総額は最低保証(5万円)に、保険料を支払った額に応じて上乗せする額。

●必要額は2・7兆円(政府案が示す1/2の国庫負担分)+約5兆円(最低保証5万円の場合)

●財源は、2.7兆円については、道路特定財源の一般財源化をはじめとする公共事業費など、歳出の見直しで確保する

●約5兆円については、公共事業費や軍事費など歳出のいっそうの見直しと、法人税率や所得税の最高税率を見直すことで確保する

●最低保証を100%国庫から、上乗せ分を保険料の運用と税率アップから

厚生年金に関して
●厚生年金についても、一定額までは同様の底上げをおこなう


 年金の空洞化が叫ばれて久しいが、共産党の対案では空洞化を解消するための方策が示されておらず、財源を公共事業費の削減と道路特定財源、法人税増税としている点で、難がある。

 公的年金の財源を、スリム化できるかどうかも不透明な財源を当てこんでいることに疑問を感じる。共産党はことあるごとに道路特定財源や公共事業の削減を叫ぶが、その効果が単年度でどのくらいあるのか実態の数字は不透明だ。まさに言うはやすく、行うは難し。

 さらに、この案では保険料の運用によって年金として支給される額は、支給総額の何割になるのか。つまり、年金支給のために保険料を徴収しているのに、支給総額のなかで徴収した保険料でまかなわれる金額が半額以下(共産党案では上乗せ分は3万3千円と試算している)となるなら、税方式に近い制度となり、保険料の位置付けが低下する恐れがある。財源が安定すれば最低額を5万からさらに引き上げるとしているが、ますます、国庫の割合を増大させる計画だ。

 共産党は大企業を標的として法人税を引き上げることを常々標榜するが、この案だと国民年金に対しても法人税が使われることになり、企業側は厚生年金も支払い、さらには間接的に国民年金をも支える構造となる。

 最低保証5万円と、保険料の納付状況に応じて最大8万3千円となるという提案が、保険料納付のインセンティブになるという狙いだろうが、国庫負担の割合を、政府提案の2/1以上に引き上げるというもので、財源確保が安直な発想であるため、実現性は低いと言わざるを得ない。
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by cogno_eb2 | 2004-05-14 13:26 | 年金問題考

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