年金制度を考える(2) ~民主編~   

民主党案 法律案

民主党案 要綱

年金制度を考えるシリーズ第二弾!今日は民主案です。

年金制度 骨子

●平成20年度末までに年金制度改革を行う
●公的年金制度は、すべての国民(20歳以上および20歳未満でも所得のある人)が加入する単一の制度とする

→「すべての国民」の中に議員は入るのかどうか。

●「所得等比例年金」及び「最低保障年金」の給付を受ける制度を基本とする
●保険料率は、年金制度改革の実施前の厚生年金保険の保険料率を基本として定め、将来にわたってできる限り改定しない

→「できる限り改定しない」というのはなんとも不確定な文言で、改定しないなら「しない」と書くべき。改定する必要が出てきたら法改正で臨めば良いのでは?法改正の審議のときに改定する必要がでてきた理由が分かるので、我々国民にとっても監視しやすい。条文に「できるだけ」と書くと、今後改定する必要が出てきたときに、役所内の運用の扱いで改定することができてしまう。つまり、我々に見えないところで「改定の必要がある」と結論付けられてしまう。

●被用者である被保険者に係る保険料は、当該被用者を使用する事業主がその一部を負担する

→現在の厚生年金と同じ仕組みだ。この場合、現在の国民年金の対象者は、新制度では被保険者の保険料納付のみで、あとは税金でまかなわれることになる。ここに不公平が出てこないだろうか?

→現在の厚生年金は被保険者と雇い主がダブルでまかなっているから、この方式でそのままいくと、被保険者分+雇い主分がその人が納付した保険料。一方、現在の国民年金の対象者は、被保険者の保険料率が現在の厚生年金の率を使うが、雇用主による一部負担がないから、実際に財布から出て行く保険料は、会社勤めの人よりも多くなる。

→あるいは、実際に会社員が払う保険料の率のみを用いて、現在の国民年金対象者の保険料を決定するなら、財布から出て行く金額は同じだが、雇い主負担分が無いので、その人が納付した総額が、会社員よりも少なくなり、将来の支給額に響いてくる。

→もしそうだとして、現在の国民年金対象者の支給額が一定額に達しない場合、全額国庫負担の最低保証年金の給付を受けることになるが、最低保証年金は消費税なので、会社員は普通に生活する中で、現在の国民年金対象者の財源もまかなうことになる。

→「そもそも会社員は事業主に一部を負担してもらっているからいいじゃないか!」という旧国民年金組から反論があがるかもしれないが、そうだとすると事業主は正社員を採用すればするほど不利な立場になり、採用を減らしていくかもしれない・・。

→いずれにせよ、民主案には具体的な数字が載っていないので、こうなればこうなる、といった概念論で話を進めなくてはならない。非常に難しい・・。

●配偶者(専業主婦を想定)は被保険者(夫を想定)の保険料の半額を納めたものとみなす
●各年度における所得等比例年金の支給に要する費用の総額は、原則として当該年度において納付された保険料の総額をもって賄うものとする

●最低保障年金は、所得等比例年金の支給額が高齢者等の安定した生活に必要な額に満たない受給権者に対して支給する

→安定した生活に必要な額とは一体いくらか?見通しやモデル的な数字すらないのか?

●最低保障年金の支給額は、高齢者等がその生活の基礎的な部分に要する費用を賄うことができる額を限度とし、所得等比例年金の支給額等に応じて減額するものとすること。
●最低保障年金の限度額は、高齢者等に係る医療保険制度及び介護保険制度における保険料の負担等を勘案して定めるものとすること。

→最低保証年金の限度額は一体いくらか?見通しやモデル的な数字すらないのか?

●国庫は、原則として最低保障年金の支給に要する費用の全額を負担するものとする
●最低保証年金の財源は、年金目的消費税の税収をもって、その財源とする

→具体的な数字が明らかになっていない段階で、年金目的消費税の税率がいったいいくらになるのか試算などできない。消費税はいったいいくらUPするのか。

●年金積立金その他の公的年金制度における積立金の運用は、安全かつ確実に行わなければならない

→この一文で「安全・確実」が担保されるとは思えない。


年金制度改革の実施までの間における措置等

●年金制度改革の実施までの間は、公的年金制度における保険料及び掛金は、引き上げない

→制度改革実施まで(平成20年まで)は引き上げないとしているが、種々の検討の結果引き上げてその後変えない、という流れだ。政府案が段階的に上げていく、という目に見えた負担増を表に出しているのに対して、民主案は「当面は上げませんよ」と言っているだけで、その後は全く不透明だ。具体的な数字が無いのはかなり不安だ。

●国は、歳出の抜本的な見直しを通じて、基礎年金の支給に要する費用に係る国庫負担の割合を段階的に引き上げ、平成二十年度末までにその割合を二分の一とする

→国の負担割合を1/2に引き上げることで、現在の保険料率では持たないことは確かだ。段階的に引き上げる際に、消費税をもって上げるなら、消費税は段階的に高くなっていくということだ。平成20年までの消費税引き上げプランを出してもらわないと困る。

●公的年金制度における被保険者、受給権者等の福祉を増進するための事業は、速やかに廃止するものとすること。
●公的年金制度の被保険者に課税の際にも利用できる番号を付与し、被保険者の所得等の把握等に利用する制度を導入する

→番号制度が具体的に所得の把握につながるのなら、大いに導入すべきだ。ただ、番号制度による管理で社会保険庁が納付状況を把握できるなら、年金を一本化せずとも、現在の制度でも大いに効果があるのではないか。

→国民年金から厚生年金へ入り、一時国民年金に戻ってさらに厚生年金へ・・・、のような、終身雇用から職業選択へと働くスタイルが変わる中、番号を一つ持っていれば、手続を怠っていたらすぐに把握できる方法を作れるはず。

→現在の基礎年金番号とは具体的にどのように違うのか。
基礎年金番号制度は平成9年から実施されているが、年金のみの番号だから効果は無いのか。民主案では課税に使える番号ということだが、納税者番号制度を創設し、それと統合する、ということか。


→未納があまりにも多い、空洞化した国民年金を、今のまま他の年金に一本化して、給付の費用をなんとか確保しよう(カネのある年金財源から流用して乗り切ろう)という愚策だけはさけてほしい。まずは番号制を現在の仕組みに導入して、国民年金を立ち直らせてからでも統合は遅くないと思うが・・。


●公的年金制度における保険料及び国税の効率的な徴収を行うため、社会保険庁と国税庁を統合するとともに、公的年金制度における保険料と国税を併せて徴収する制度を導入する
●公的年金の支給の財源に充てる目的税として年金目的消費税を創設する
●相続税及び贈与税の在り方並びに公的年金に係る税制の在り方について検討を行い、必要な税制の改革を行う
●公的年金制度の被保険者が、その保険料の納付の実績、所得等比例年金の受給額の見通し等を確認することができる仕組みを導入する
●公的年金制度の将来にわたる保険料収入の見通し、所得等比例年金の支給に要する費用の総額の見通し、年金の財政収支の現況及び見通し等を定期的に公表する


 政府案には数字が明記してある、とのことなので、対案というなら、数字を載せるべきだ。これでは将来の暮らしがどのようになるのか、具体的に把握することができない。
 
 将来的にサイフからいくら出て行って、老後にいくら入ってくるのか。教えて!民主党サン!
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by cogno_eb2 | 2004-05-17 11:37 | 年金問題考

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