年金制度を考える(3)    

 今日、年金法案審議入りするが、新聞報道によると、民主党は未納の責任問題を取り上げるそうだ。

「18日の審議(6時間)のうち午後の3時間には小泉首相も出席する。民主党は当初、小沢氏を先頭に首相の予備校・留学当時の「未納」の可能性のほか、「説明責任不足」を追及する方針だった。今度は代表に就任する予定の岡田克也幹事長が先頭に立つが、小沢氏が未加入の責任をとったことで「小沢氏と同様の状況の首相も責任をとれ」と、首相に迫る構えだ。」(毎日新聞)

 制度に目を向けないでどうする!何やってんだろ。未納問題で3時間費やすの?野党第一党がこれじゃなぁ・・・。

 当ブログではしっかりと捉えていきますよ~。

 シリーズ1では共産党の主張、シリーズ2では民主党の対案を見てきたが、政府案を見ていく前に、年金制度自体の論点整理をしておこう(社民は主張や対案を出していないので論議の余地ナシ)。

 これは↓民主の説明資料にあったポイントだ。順に考えていきたい。

不公平感の払拭

1.世代間の受給格差
2.正社員とパート、サラリーマンと自営業者、民間と公務員など、職業で異なる制度の不公平感
3.将来受け取れるかどうか
4.収めた保険料の不適正な流用に対する不信感


●1.世代間の受給格差




詳しくは「基礎年金とは 職業で異なる保険料徴収」を見ていただきたいのだが、年金の仕組みは、ざっと説明するとこういうことだ。

 よく「1階部分」などと表現される、「基礎年金」は、1985年の制度改正で統合された。それまでは完全に分かれていたのだが、85年以降は土台部分として一つだ。

 したがって、自営業者、サラリーマン、サラリーマンの扶養家族の三者が、この基礎年金に入っているわけだ。もちろん、扶養家族というのは収入が無い人(モデル家族の専業主婦にあたる)だから、サラリーマンが払っていることになる。

 この1985年の制度改革は、自営業者の年金財政がピンチになったから行われた。改革前の制度は職業できっちり分かれていたから、サラリーマンや公務員などの勤め人は給料天引きで払うけど、自営業者は加入の手続から始まって、すべての手続を自分でやらなくてはならないので、未加入の人たちが増加して、その年度の年金支払いができなくなってしまうという危機感があった。

 ここで注意しておきたいのが、この年金財政の方式だ。年金財政には「給付立て」と「拠出立て」の計算方法と、「賦課方式」と「積立方式」の財源確保の方法がある。

●まずは計算方法について

 「給付立て」というのは、給付額を先に定めて、保険料率を決める方法。
 「拠出立て」というのは、保険料率を先に定めて、給付額を決める方法。

●次に財源確保の方法について

 「賦課方式」というのは、年金給付のためのおカネを、その時々の現役世代から徴収して、受給対象者に配分する方式。
 「積立方式」というのは、現役世代が、将来に必要な年金額を、自分たちが給付を受けるときのために今から積み立てておく方式。
 
 ※詳しくは富士総合研究所HPをご覧あれ。

 基礎年金は「給付立て」の「賦課方式」だ。これだと、受給対象者と現役世代の割合で保険料が変動する。ピラミッド型だと現役世代は少ない負担でいいが、逆ピラミッド型だと現役世代はたくさんの負担をしなければならない。「現役世代2.5人で高齢者1人を支える」なんていう図は、ここからきている。
 
 この方式では、少子高齢化が進むと、「給付立て」により、配分する年金額が決まっているから保険料率を上げなくてはならない。現行制度のままだと、現在の2倍以上になってしまう。よって、現行制度の今後を試算したときに、これでは負担が高くなりすぎる、ということで、給付額を押さえつつ、負担額を上昇させるという法案が政府から提案されたのだ。

 世代間のギャップという点では、実は計算方法と財源確保の方法をどうするのかによって大きく変わってくる。政府案以外に、たとえば「拠出立て」の「積立方式」という組み合わせは可能なのか、とか、制度そのものの議論をしていかなくてはならないのだ。

 スウェーデン方式というのがあるそうだが、厚生労働省は2002年にそれに近い方式を提案していたようだ。しかしながら、現在の政府案はそのようにはなっていない・・。→詳しくは先の富士総研HPにて

 さあ、まずは世代間格差の解消というテーマで、どの方式をとるべきか、考えよう。
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by cogno_eb2 | 2004-05-18 11:56 | 年金問題考

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