年金制度を考える(6)   

 政府案を見る際に、何と比較するか、が大切なポイントだ。

 これまで民主党案を見てきたが、対案の体をなしているとは言いがたかった。
 
 それでは、どうするか。前提として見るのはやはり現行制度だ。

 現行制度では将来破綻することは目に見えている。それは、現行の「賦課方式」「給付立て」のまま進めば、国庫負担二分の一への引き上げと、保険料の引き上げ、そして給付額の引き下げをしなければもたない、というのが結論だ。

 なぜこのような状況に陥ったかというと、それは、これまでの年金がいかに大盤振る舞いをしてきたか、ということに尽きる。これは単に国民年金の徴収漏れが多いというレベルの話ではなく「少ない掛け金で大きな保障」という、ありえない仕組みだったということだ。

 高度経済成長とバブル経済によって国内の株式市場や債券市場が上向きで、プールされた保険料の運用益も右肩上がり。そしてきれいなピラミッド型の人口構造が崩れる前だったから、年金受給者は少なく現役世代が多かった。賦課方式だからたくさんの保険料のうち年金支給を引いた残高が積み立て金にまわり、そのような好循環の年度が続けば年金は民間の保険や年金よりも魅力だっただろう。

 しかし、前回の年金改革からは、時代が変わってしまった。このままでは破綻する。すでに積立金は取り崩しが始まった。

 今回の改革案は現行制度を生きながらえさせるための、いわばマイナーチェンジだ。

マイナーチェンジの概要

●保険料負担の引き上げ



●国庫負担を1/2へ引き上げ


●保険料免除制度創設



●離婚時の分割



●ポイント制の導入



 今回の政府案の目標は年金への不安感を払拭することだ。

 そのため、段階的に保険料を引き上げ、最終的には固定する方式を採用し、額を明示した。給付額も改革前の水準からは引き下げざるを得ないけれども、見通しを示した。

 その意味では、「現行制度を崩壊させないためにこれだけのマイナーチェンジをすれば、将来いくらもらえる」という具体像が出ている。

 しかしながら、これらの細部の課題については、充分な審議を経て欲しいところだ。

 たとえば国庫負担を1/2へ引き上げないと年金財政がもたない、ということであるが、その財源はどうするのか。



 「消費税UPを含めた税制改正で対応する」とのことだが、その改正を受けて判断すべきではないか。順序が逆のようだ。

つづく・・。
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by cogno_eb2 | 2004-05-21 12:53 | 年金問題考

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