2005衆院選の感想&各党への提言・苦言   

衆院選が終った。予想を超える小泉自民の圧勝&岡田民主の惨敗で、なんだか終わった後にネガティブな感想も漏れてくる特徴的な選挙だった。

●まずは選挙制度に一言。

 重複立候補で比例復活当選の制度を改めるべきだ。小選挙区で落選したということは、選挙という形で民意に問いかけ、ある候補は信任され、ある候補はダメ出しくらった、ということなのに、ダメだしくらった候補が復活当選する、というのは理解に苦しむ。

 限りなく惜しかったら議席をあげよう、というのなら、はじめから議席を2ないし3にして、中選挙区にしたほうがわかりやすい。小選挙区にしたメリットはそれ自体にいくつか確実にあるのだろうけれども、比例復活というおまけがついたことでわかりにくくしている。

 重複立候補をやめよう。おちた人間は敗者だから、惜しかったからといって議席のおこぼれをもらってはいけない。

●さて、自民党へ一言。

 小泉首相の戦略がみごとにあたって、郵政にYESかNOかの単純明快な選択肢が用意され、刺客だのマドンナだの造反組だのと話題が先行し、関心は高くなり、風は確実に吹いた。戦略で勝利した選挙だった。

 刺客として放たれた片山氏などは、「郵政改革を突破口として改革を推進する」と言っていたが、改革に対して本腰であるならば、自民党は郵政後の改革のタマをこれだけ用意している、という具体論を早く展開してほしい。

 総務省官僚の抵抗にあって公務員の純減目標をマニフェストにいれられなかった自民党だが、国会でこれだけ多数を占めても、問題は霞ヶ関の官僚集団をどうねじ伏せていくかである。

 民主党や他の野党との関係はもはや問題ではなく、我々市民は自民党対霞ヶ関のガチンコ対決が本当に実施されるかどうかに注視していくべきだ。

 今回の選挙は小泉首相の戦略勝ちだったが、今後は自民党の言っていることは本当なのかどうかをしっかり見定めて、次回の選挙の判断材料とするべきだろう。今回関心を持った人は、自民党が本当にやるのか、やれるのか、をしっかりと監視していかなければならない。

 それから、郵政民営化には賛成したが、靖国&アジア外交政策に反対だったり、行財政改革に注文をつけたかったり、その他の争点ではやはり一言も二言も言いたいことはある有権者がたくさんいるはずだ。「今回は郵政選挙」というならマニフェストなんか出すな。郵政だけで圧勝したんだから、その他の分野についても全部信任されたとは考えないでほしい。郵政問題を国民に問うたように、その他の分野についても、なんらかの手段を用いてちゃんと国民に問いかけてほしい。

●次に公明党へ一言。

 改選議席から減らした選挙だった。減らすのは珍しい、という印象がある。今回は自民VS民主の構図に埋没している、というのが選挙期間中のメディアの見方だったが、存在感の埋没よりも、戦略のまずさが露呈したのではないか。それは、自民党との選挙協力だ。

 公明党は小選挙区で9人擁立し、1人を落とした。自民党候補の推薦は240くらいだったかな?ほぼ全員の候補への推薦だか支持だかを打ち出していたように、新聞で見た。自民から9人の協力を得るために、240人近くを支援する・・・。その結果小選挙区で1人落とし、比例で2人落としていたんでは、損得勘定からして明らかに大損だろう。しかも、自民が圧勝した今では、自民側から「公明に9も譲ってやる必要はない。すべて自民候補をたてるべき」という声があがってくるのではないか。

 9応援してもらうかわりに、自民が民主とせっている厳しい9選挙区の支援に回る、という等価交換の協力関係ができれば、もう少し自民側の協力も本気になるんではないか。自民の組織票は必ずしも公明に入らず、公明アレルギーの自民票が民主に入ってしまうという現象もあるらしいから・・。

 とはいえ、240近くの協力を申し出ないと、自民は9すら見返りを渋るのかもしれないしね・・・。大変だね・・・。今後の戦略を考えた方がいい。

 自民が単独過半数をとった以上、連立の意義を再度確認し、福祉政策を旗印としている公明党が、どれだけ自民党に福祉政策の実現を迫れるか、明確な実績を残していく必要があるだろう。

 予算編成時には財務省原案が自民の部会に提出され、部会では族議員が原案に群がり、最終的に自民党で決定=国会で決定、ということになるのだろうが、公明党はいつどの場面で誰にどのような要求を出し、どのような回答が返って来て予算に反映できたのか、一部できたのか、できなかったのか、そのあたりの情報をきっちり外に出していくことができれば存在感は高まっていくだろう。

 今後自民党への注目度が上がる(←べき)中で、自民党がどういう政治過程で物事を決定していっているのかを国民は知りたがってくるはずだ。その中でどういう国会活動を行っているのか情報公開すれば支持はあがるだろう。

 そして、福祉を充実させるべき、という社民や民主の一部などとも連携して、生活を守る分野の政策を、自民党とケンカし、野党と手を組んででも法案をまとめるべし。自民党とくっついているだけではもはやヤバイと思われ。

●そして民主党に一言。

 大惨敗の責任は岡田代表がとるらしいが、その後はやはり権力欲の強い菅直人か陰で糸を引くしかできない小沢一郎なのか。人材難だねぇ。もうそういった古い人たちを前に出すのはやめたほうがいいと思う。政策で勝負するなら枝野氏とかいるじゃない。政策にブレがない切れ者を全面に出すしかない。薬害エイズの実績&人気がある(と民主党が思っている)菅や、剛腕小沢の名前しかあがってこないのは、かなりさびしい党内事情だ。

 民主党は、政策に一貫性が出て、その内容が霞ヶ関とのしがらみで縛られている与党の政策を超える確かなものであれば選挙に勝てるはずだ。今回の惨敗は、やはり棚ぼた政権樹立の夢を見て郵政法案の対応を誤ったことが悔いても悔やみきれない大失敗だろう。

 ただ、自民党が本当にこれから改革を進めることができるのかどうかを有権者は注意深く見守る(←願望含む)。その時に、どう見ても民主の対案(与党との修正審議案および対抗して提出する法案)が優れており、与党がそれを突っぱねた、ということであれば、次回の選挙では風が吹く。

 そういう国会における個別の審議の中で自らの力を示すかによって「自民では改革ができない。法案作成能力では民主のほうが優れている。」とはじめて主張できるのだ。これまではその国会における活動が無かったがために「民主党にしか真の改革はできない。」などと訴えても「はぁ~?証拠はぁ?なんでそんなことが断言できるのぉ?小泉のほうが頑固にやってくれそうじゃぁ~ん?」という印象に負けてしまったのだ。

 民主党に言っておこう。今回のマニフェストを白紙にするな。今回約束したことは、野党の立場であっても実現にむけて確実に足跡を残せ。そうしないと口先だけの集団になってしまうぞ。

 もう一つ、民主党の優秀な若手議員(非労組系・非社会主義系・非マドンナ)は、今後菅か小沢が実権を握るとしたら党を割ってでたほうがいいと思う。旧社民連の若大将と旧自民党の裏ボスのもとでは力が発揮できないだろ?そこにいてもムリだと思うよ。彼らが引退するまで翻弄され続けるだろう。考えた方がいい。
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by cogno_eb2 | 2005-09-13 12:01 | ニュースコラム

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