自民党の政権公約を読んでみた(1)   

 さて、政権選択の選挙(By民主党)という言葉がその通りなのであれば、お次は連立与党の自民党・公明党を見ていかなければなるまい。ということで今回は自民党です。

 自民党はマニフェストとは言っていません。あくまで「政権公約」という言葉を使っています。これは、「マニフェスト選挙を標榜した民主党の土俵には上がらぬ」という方針を貫いているのでしょうが、このおかしな意地は、我々有権者にとっては非常に「困ったちゃん」なんですね。

 なぜなら、私はマニフェストを読むときに「何をいつまでにどのように実現するか」が書いてあるもののみ私への(有権者ですからね!)公約として認識しますが、この点、自民党の政権公約はマニフェストではないとの理由で年限をきっていないものが多いのです。

 民主党のマニフェストと違って、箇条書き風に簡潔に書かれています。説明書きや野党を非難するような余計な文言は混ざっていない分、読みやすいことは確か。
ただ、どう評価するかですねぇ・・・。

 まずは、年限が切ってあるものを赤字で表示させ、分類することにしましょう。


政権公約の分析 その1


政権公約の分析 その2


政権公約の分析 その3


政権公約の分析 その4


政権公約の分析 その5




 自民党の政権公約は非常に役所臭い・・。官僚文書の臭いがする・・。政権公約を官僚に書かせているかどうかは知らんが(まぁ、そんなことはないだろうが)、文章の作りが非常に役所臭いんです。地方自治体が出している「総合計画」レベルの、意味のない作文に似ている気がします。

 それは、「強力かつ総合的に推進する」とか「総合的かつ計画的に推進する」、「適正化等を推進する」といった、具体的に何をやるのかよくわからない文章が多いのです。これは政権公約であり、国民と120の約束、と言っているんだから、「具体的にこれをやります」って宣言しなければ全く意味がないと思うんですね。

 「推進します」という言い回しは、たぶん「実施します」と言い切れないところをぼかしてあるんだと思います。「実施します」というと実施したかどうかの検証になり、しなかった場合は公約違反になるわけですが、「推進します」と言っておけば無難に対処できる・・。断定表現はできないが、ここまでの表現で留めておく、といった官僚的配慮は、国民にとっては非常に迷惑なんですよ。

 マニフェスト選挙と言われて3回目くらいなのかな?でもまだまだマニフェストの作り手に問題がありますね。自民党はそのマニフェストを作ることすら及び腰なわけで、政権公約としたのですが、これはかつての選挙公約よりは一歩前進したでしょうが、まったく満足のいくものではないですね。

かつての選挙公約は二つか三つをあげてこれをやりますって宣言して支持を集めていましたよね。「消費税は上げさせません」とかそんな感じで。そうすればそのワンフレーズが有権者の耳に残って投票行動に影響するわけで、選挙におけるワンフレーズ・ポリティクスはこれまでの定石でした。「北陸新幹線の予算をつけます」と叫べば地元の新幹線誘致派は票を入れるでしょう。選挙はたった数個の争点でいいのか、あとの争点は白紙委任じゃないか、ということでマニフェストが叫ばれだしたのでしょうが、まだまだ精度が低く、判断がしづらいですね。

 結局自民党の政権公約もまだまだ官僚的文書が多く、「強力に推進していきます」といわれても何をどうしてくれるのか当事者はわからない。実際のところは自民党のビジョンの披瀝、レベルのもので、どこにどういう関心を持っていますよ、ということを示しているにすぎませんね。なので、自民党の場合は、日本が直面する課題に対して現時点でどこに関心をはらい、どの程度前へ進めようとしているのかの「国家ビジョン」を別に作成し、公約は公約として、いつまでに法案を成立させる、いつまでにこの制度を改変する、という具体的な内容をびしっと定めるのがよいでしょうね。

 その意味では今回発表された政権公約を全体としては自民党のビジョンとして眺め、分析ページにおいて赤字で示した「実現年度を明示した公約」に注目していくのがよいのではないか、というのが私の考えです。

 さらに加えて自民党の公約の扱いですが、前回の衆院選においても政権公約を発表しています。政権与党として2年弱政治活動を行ってきたのですから、前回の公約の達成度を見なければ、公約の実現可能性についてははかれませんね。

次回はそれについても見ていきたいと思います。
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by cogno_eb2 | 2005-08-26 17:56 | ニュースコラム

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