民主党マニフェストの総括   

すべての分野の分析が終了しました。

詳細な結果は以下の各ページにてご覧ください。

1憲法 2安全保障


3社会保障・雇用


4子育て


5教育・文化


6地方分権・市民活動支援


7財政健全化 8郵政改革


9経済・規制改革・中小企業


10農業・林業・水産業  11環境エネルギー


12法務・人権  13暮らしの安全・安心


14政治改革・行政改革




●総論

 自民党が120の約束、として項目を並べていますが、民主党は、あくまで私のカウント方法ではありますが、14分野全体で308項目の公約を掲げています。

 そのうち、実現時期を明記したものは57項目で全体の18.5%、やや具体的に示しているものの、実現時期が不明なものは143項目で46.4%、表現が抽象的で公約とみなされないものは105項目で34.1%という結果となりました。

 実現時期を明記した57項目が、各分野においてどのくらいの割合を占めているかというと、このようなグラフになります↓

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 傾向を見ると、「財政健全化」と「郵政改革」が高い割合であるのに対し、「教育・文化」や「子育て」「暮らしの安全安心」が低い割合であり、民主党の政策は国民に身近な分野については弱いと言わざるを得ないですね。

 私の基準としては、以前にも示したとおりですが、何をいつまでにどのようにするかを明記したものが選挙公約だと見なします。それは、我々有権者が「あのときの公約はどうなった?」と問いただしたときに「マニフェストには『位置づけます』と書いてあるので、位置づけました。」あるいは「『取り組む』と書いてあるので、ちゃんと取り組んでます」と答えられても、公約が果たされたのかどうか検証ができないからです。検証可能であるのは、年限を切って、法案を提出する、とか、改正するというものを筆頭に、やったか、やらなかったかがはっきりする公約です。

 したがって民主党の場合はいろいろ言っているけれども57項目で全体の20%にも満たない、ということをまず認識しておく必要があるでしょう。

 この57項目の中で法律の制定および法律の改正を行うとする公約は17項目あり、現時点で民主党は17本におよぶ法律のエリアに不備があると認識していることになりますが、政権公約であるから、これらをやらせてもらうために政権につかせてください、と訴えています。逆を返すととったらやります、つまり、政権がとれなかったらやりません、ともとれる姿勢で、事実、菅マニフェスト(2003年参院選)は政権獲得に失敗したので白紙撤回だとされたと聞きました。

 私はこの姿勢に対して疑問を持ちます。今回のマニフェストにある新法制定や法改正は、与党にその重要性を認識させ、「我々野党が成立させた」という実績を積み重ねていくことで、実現可能性への期待がふくらみ、「与党がぜんぜん動かないなら民主党に政権を渡せ」という世論が形成されていくのではないでしょうか。

 にもかかわらず、民主党は対案(あくまで法律案のこと)を出さずに政局の算段ばかり。これでは民主党の公約実現可能性を有権者が判断することは不可能でしょう。

 今回示されたマニフェストは実現時期を明記したものが57項目、明記されていないがそれなりに詳しいものが143項目ありますが、民主党は現在の日本を作っている諸制度に対し、200もの課題を認識しているわけです。それを、政権が執れるまでは放置しておく、政権をとるための「タマ」だ、と見ているのであれば、政権獲得のために200もの課題を放置し、その間は国民が大変なことになっても「そら見たことか。現政権なんか選んだからじゃねーか」と外野でヤジを飛ばしているに等しいと思います。

 そうやって座して動かない民主党に政権をとらせたからといって実現させてくれる保証がないんですよね。自民・公明じゃいやだから一回やらせてみる、というレベルの話になってしまう。もし1回やらせてみてダメだったら大変なことになるんですね。有権者にとってはかなりつらい選択肢しかない選挙なんですよ。

 ということで、民主党の皆さんにおそれながら進言いたしましょう。次、政権とれなくても、このマニフェストを白紙撤回せず、野党の立場から法案提出して課題を解決させてください。あなた方の政権奪取の「タマ」は減るでしょうけど、その分実現能力は高く評価されることになるでしょう。旧自民・旧社会・旧民社の寄り合い所帯をひとつにまとめてまずは200の課題の解消に着手すべきです。政権についてから分裂していたんじゃお話になりませんからね。

 まず総論的には民主党への期待はちょっと薄いのがマニフェストを読んでみての結論。「政治改革・行政改革」は実現時期を明記しているのが4/22と少なく、自分たちの襟元をただすという項目が漠然としていることも不満。「子育て」に関しては以前にも書いたように配偶者控除や扶養控除などを廃止するとしていることには明確に反対。各論として細かく賛成・反対を書いていくのもちょっと面倒なので、各論は気が向いたら書きます。

 次は自民党です。
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by cogno_eb2 | 2005-08-25 17:59 | ニュースコラム

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