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国立マンション訴訟、住民側敗訴が確定   

部分撤去求めた国立マンション訴訟、住民側敗訴が確定

 敗訴確定しましたね。

 検索しても上の記事しか見あたらなかったので、どういう内容なのかちょっとわからないんだけど、「請求を棄却した2審・東京高裁判決を支持」とあるので、その内容なんでしょうね。

 この問題は私がHPを開設したころからの関心で、「景観権を認める」「部分撤去せよ」という一審判決をうけ、世の中が騒がしくなっていた頃です。

「悪徳マンション業者は鉄槌を下された」あるいは「すでに入居している人はどうするのか?」といったワイドショー的な関心や景観権を認めるといったこれまでにない踏み込んだ内容を評価する法学的な関心、そして景観運動者の強い関心など、実に様々な関心を集めてました。

 私は当初からこれらの関心以外に、もう一つ重要な観点があることを指摘してきました。それは「市民と政党と市長がグルになった行政権の濫用」の観点です。

 過去の記事

 簡単に言えば、こういうこと。

1.国立市が地区計画をきっちり定めていなかったがために並木通りのそばの土地が「高層マンションが建てられる場所」のままになっていたところを、マンション業者が土地を買って建てた。

2.市民が建設反対を訴え、市長はあわてて行政指導したが阻止できず、市民の反対の意向をくんだネットや共産といった政党が市長派となり、着工前になんとか間に合わせようと深夜にこっそり議会を開催し、ねらい撃ちの高さ制限条例を作った。

3.業者は新しい条例ができる前に行政手続を済ませており、建築許可もおり、購入した土地を掘ってマンションの土台部分を作るための作業を開始したところに、深夜の議会で決まった制限条例ができた。

 これは、景観云々の話よりも、市長や議会がグルになったら権利を濫用されるいい見本だ、ということです。

 私は決してマンション業者を一方的に肯定する立場にはありません。ただ、一部の市民が議会に自分たちの手駒を送り込み(ネットは交代で仲間を議員にしている)、また市長につけ、行政権を濫用するようなことが起きたことに危機感を感じます。そのおかげで市及び市長は4億の賠償を命じられ(まだ確定していないのかな・・?)、つまるところそれは国立市民の税金なわけだ。一部の人間の画策が、皆の前金を4億も損させた、ということはでかい問題。

 その点を見落として「景観権」とか「市民対巨大企業」といった点だけで語ってほしくない。ただそれだけです。
 
 全国各地でマンション建設にまつわるトラブルが多発していると聞く。市民がやらねばならぬことは、建設が始まるまえに、自分たちの街を守ること。それは議会や市長を動かして地区計画の変更を迫り、建設できない街にすること。市民が結束してNPOをつくり市と協働していくなど、方法はいくつかあるはずです。建設が始まってからでは遅いんですよ。

 今回の国立市長の対応のように、始まってから制限条例をつくるなんてもってのほか。

 国立市民も、何十年もかけて景観を守ってきたというなら、なぜ地区計画に参画しなかったのだろう。隣接する土地が高層マンションを可とする土地かどうかは調べればすぐわかるはずなのに。

 ということで、この問題を反面教師として、市民参画の重要性という観点で論をすすめることが求められるのではないかと思うわけです。

 高い授業料だったのではないでしょうか。

by cogno_eb2 | 2005-06-24 23:42 | ニュースコラム

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