特集:神奈川県の行政改革の取り組み 現在進行中のアクションプログラムを見る(5)   

●アクションプログラム:政策評価の充実(項目ダブリ)
●アクションプログラム:環境マネジメントの推進

 平成13年にISO14001を取得して、それを全機関に拡大すると書いてあるだけ。これは何でしょうか?

 環境マネジメントと「行政のマネジメント意識の向上」は別物ではないのかなぁ。ISO14001の詳しい内容がちょっとわからないんだけど、ゴミを出さない、再生紙を利用する、といった環境に負荷がかからないような行動をする、というイメージが強い。

 一方の「行政のマネジメント意識」という言葉は、行政経営の方法という観点で、直接的には政策決定から評価までのサイクルをどのような理念で実施していくか、という内容に見える。今日の概念では「顧客志向」とか「アウトカム重視」とかいわれる、企業経営のマネジメントを行政経営に取り入れる、という文脈で用いられるものと認識している。文具をエコ商品に切り替えましょう、ということとは別物でしょ。

 ということで【行政のマネジメント意識の向上】は以上の2つだが、ここではあえて環境マネジメントの推進を対象外(ここで書かなくてもよい)として、「政策評価の充実」のみが残るとしよう。

 ところが、その「政策評価の充実」では、課題をいつまでにどうやって解決させるかが書いてなく、充実させます、としか言ってないので、アクションプログラムと呼べないお粗末なものだ。したがって、行政のマネジメント意識の向上には内容がないということだ。

総括

【行政効率・行政サービスの向上】に電子自治体の推進を掲げたのはお粗末だ。考え違いも甚だしい。もし効率化という点で電子化ととらえているのであれば、コンピュータシステムを導入することで、行政の効率が具体的にどう向上するのか、各課ごとのビフォー・アフターを明示してほしい。どの業務がどうなるってやつを。

 具体的なことが何も書いてないから、評価のしようがない。これでは費用対効果も算定できないだろう。こんな文書を出している発想そのものが改革の対象となるのではないか。

【行政の透明性の向上】では、振り返ってみれば次の3点が目標だった。
・行政情報の積極的な提供を進める
・県民との対話を行う
・透明性の高い行政運営を行う

 「情報の積極的な提供」は、審議会を原則公開とすることが該当するのかな。でも、残りの二つは?県民と対話していきながら透明性の高い行政運営するんでしょ?どこにも対話なんて書いてないよ。双方向コミュニケーションはどうやって実現しているの?審議会を原則公開して情報を出すという一方向しか書いてないよ。政策評価は課題が書いてあるだけで、双方向コミュニケーションによる評価をするともしないとも書いてないよ。これでは全然ダメ。

【行政のマネジメント意識の向上】は、これまた振り返ってみれば2つの目標があった。
・職員一人ひとりに目標管理意識と経営感覚を持たせる
・それを可能にする仕組みを導入する

 目標管理意識と経営感覚を持たせることはどうやって実現させるの?書いてないけど。ISOに取り組むこと?違うんじゃない?目標管理意識と経営感覚をもたせる仕組みって何?

 こんな文書を公開して「改革を推進してます」ってよく言えるなぁ。三重県や岐阜県、それに福岡市などの取り組みと比べると、見劣りがしてならない。

 知事が交代したのだから、強力なリーダーシップのもと、このような“ダメダメ”アクションプログラムをやめて、本腰を入れて行政改革を行ってほしい。

 松沢知事が県知事選に立候補したとき、外から見てこれらをどのように評価していたのだろう?そして今、中に入ってどのように感じているのだろう?今回の特集のように、外から見ても明らかにダメダメなのだから、中に入って改革してほしい。マニフェストは外から見た約束事。中に入ってさらに進化させた4年間の約束を公表することが大事かと。外から見たマニフェストを死守するだけでは片手落ちではないか。
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by cogno_eb2 | 2005-06-20 23:43 | ニュースコラム

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