特集:神奈川県の行政改革の取り組み 現在進行中のアクションプログラムを見る(3)   

続きです。

●アクションプログラム:行政情報提供機能の充実

 このアクションプログラムは、ようは「HPを充実します」ということでしかない。今までもやってきたし、これからも継続的にやっていく内容で、ことさらアクションプログラムに書き込むほどの内容とは思えない。

 「一つひとつの仕事の進め方を根底から見直します。」といい、「県民との対話による透明性の向上」を目標とするなら、「○○課のHPのこの部分が見にくい」とか、「こういう情報を載せてほしい」という要望を受け付けると宣言し、県民の目線でのHPづくりをしていきます、と言うべきだ。

 各HPにはメアドが載せてあるが、そこにそのような要望を投げていいものかどうか、現在ではわかりにくい。

●アクションプログラム:県民参加(県への意見・提言等)の電子化の推進

 ここでは「知事への手紙」「県民意見反映手続」などでメールでの受付をしている、ということが書いてある。これではアクションプログラムに載せなくてもよい。もうやっているのだから。

 今後どうするかについては(課題及び今後の方向性)というところで、「今後は、インターネットを利用して県への意見・提言等を一層容易にする仕組みや、いただいた意見等を施策に反映しやすい仕組みづくりに取り組みます」と書いてあるだけ。

 結局「一層容易にする仕組み」「施策に反映しやすい仕組み」作りに「取り組みます」としか内容がない。

 いつまでに何をどうするかがアクションプログラムなのではないか。取組内容のところにはシステムを作ると書いてあるが、いつまでにどのようなシステムを作り、それがどのようなサービス向上につながるのか書かれていない。したがって、県民が「そんなシステムは無駄だからやめたほうがよい」あるいは、「それは便利だからもっと予算をつけていいものを作れ」といった評価ができない。全く意味がない。

●アクションプログラム:行政事務の電子化の推進

 「電子情報は、電子情報のまま処理することが、より事務改善効果を生み出」す、「かつ、ペーパーレス化にもつながる」と書いてあるが、意味が分からない。

 紙が減る、というのは、まあそんな副次的効果もあるといえばある、と思うが、電子情報のまま処理することがどんな事務改善効果を生みだすと考えられるのか、県民に対して説明されていない。

 取組内容のところで[文書関係事務の効率化]とあり、電子情報を活用して効率化・迅速化を進めるとある。文書関係事務とはどんな事務で、電子情報を活用したら何がどのように効率化されるのか不明。

 前は手書きだったのがワープロソフトできれいに印刷できる、前年のファイルからコピペして書類が作れるってことじゃないよね?いくらなんでも。効率化と迅速化の数値目標を示し、いくらのシステムを導入してその効果を生み出そうとしているのか示すべき。
 
 [職員間の情報の共有化の充実]というところで、「ナレッジ・マネジメントの視点も踏まえ」とあるが、どうやら神奈川県庁はナレッジ・マネジメントを実施するのではなく、視点を踏まえるだけらしい。

 「各種政策の情報を共有化等、より一層職員間の情報の共有化を進め、事務の簡素・効率化を進めます」と書いてるが、ナレッジ・マネジメントで重要なのは、単なる情報のストックに陥ることなく、あふれる情報の中で、的確に情報をつかみ、それらを組み合わせ、新しい知識を創造していくことである。

 「視点を踏まえて情報へのアクセスを容易にする」ためにイントラを使い、グループウェアというツールを導入しても、単に情報量が増えるだけだ。それが「事務の簡素・効率化」につながるとどうして言えるのか。イントラの整備費用とグループウェアの費用を出し、事務がどのように簡素になり効率化されたのかどうやって検証するのか。

 これではただ美辞麗句を並べているけれども、単にイントラを整備してグループウェアのソフトを買ってきました、と言っているだけ。費用対効果の観点が抜け落ちている。
 
ここまでが【行政効率・行政サービスの向上】の3本柱の一つ「電子県庁の実現」のプログラムだ。次は「サービスの一層の充実」。

つづく
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by cogno_eb2 | 2005-06-15 17:47 | ニュースコラム

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