訪朝のさまざまな反応   


家族帰国は再訪朝が条件、首相明かす=「ずっと前から」準備不足に反論


北朝鮮支援、総額80億円 拉致問題を意識し抑制

 地村さん蓮池さんのご家族が帰国されて数日がたった。蓮池透さんは以前よりも柔らかな表情で、本当に安心されたのだろうと思う。一方兄の薫さんは「おまえの言葉は説得力が無いといわれたら事務局長を降りる」とおっしゃっており、残りの10名のご家族が怒りをあらわにしている状況と板ばさみになっている様子がうかがえる。

 そもそも、今回の訪朝は10人の家族やマスメディアが言うように、最悪であり失敗の外交であったのだろうか。

 私は、拉致被害者が帰国したあと、完全な膠着状態に陥って1年7ヶ月もたって、被害者のご家族が帰国するはこびになったのは、あまりに急展開だったと思う。膠着状態だったこれまでの期間は、日本は「拉致を行っておいて被害者を無条件で帰国させないのはどういうことか」と、一方北朝鮮は「一時帰国であったはずだ。まずは彼らを北に戻せ」といった原則論の応酬であったのだと思う。

 原則論の応酬で完全に膠着状態に陥ったにも関わらず、被害者家族が帰国できるようになったのはなぜか。一部報道で「経済援助とバーター」といって非難しているが、もちろんバーターはあっただろう。「援助」というお土産を持っていかなければ言うことを聞かない国なのだ。交渉の結果、そうしなければ先に帰国した被害者の我慢が限界に来る、ということもあって、原則論から一転して取引に応じたのだろう。
 
 もし、最悪の結果で「行かないほうがマシだった」と言うなら、「今回帰国した子どもたちを連れて帰ってこなくてもよかった」ということと同義だ。地村さんや蓮池さんの前で、そんなことが言えるのか。

 今回の訪朝は北朝鮮が取引に応じた結果、子どもたちを取り返しに行くだけの訪朝だったのだろう。結果は既に出ていた。でなければ、首脳会談で帰国が決まったのならば、子どもたちが旅支度を整えて待っているはずが無い。

 そこで問題になるのが、残りの10名の安否情報を進展させられなかったという問題だ。平沢氏によれば、以前伝えた行方不明者の調査結果に誤りがあることを北が認めたのが12月とのこと。そのあとどのように対応したか、せざるを得なかったか、が知りたいところだ。

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 10人の安否不明者のご家族のお気持ちは、我々がお察しするには余りあると思う。記事にもあるが、小泉首相が手を引いて飛行機から降り立つ夢を見た、などを読むと、本当につらいだろうと思う。

 ただ、訪朝前に政府との接触が無かったということで、その時点で最悪の結果は覚悟しなければならなかっただろう。事情が事情だけに過大な期待を寄せてしまったことは仕方が無いが、記者会見で首相をさんざんに非難するのはちょっとどうかと思った。「裏切られた」という発言があったが、首相が出発前に約束をしたわけではないので裏切りというのはちょっと・・。

 自民党内でも「お土産をもって迎えに行くというのはおかしい」と非難があがっているそうだが、原則論の応酬でコトが前進したとも思えないし。
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by cogno_eb2 | 2004-05-27 18:52 | ニュースコラム

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