中田英寿選手が現役引退とは!   

 正直、驚きました。引退というウワサは知ってましたが、日本代表からの引退だと思ってました。プロサッカー選手をやめるとは・・・。多くのメディアが伝えているけれども、やはりヒデは日本サッカーの改革者だと思う。今回のW杯でも誰よりも強く、そして走り、ひとり気をはいていた。

 前に書いたけど、今の日本代表にはヒデが6人ほど必要だと思う。当たりの強さ、判断力、走力、すべてにバランスがとれている。日本人でもこれだけのカラダを作れるんだ、という見本だとも思う。

 そして、平塚時代からイタリア語を勉強し、移籍するためにやるべき手を打ってきたという。体作りもそうだし、語学のこともそうだし、その姿勢にプロフェッショナルを感じるし、強い意志を感じる。

 現役最後の試合となったのが惨敗のブラジル戦。負けたからというよりも、ヒデが感じている日本サッカーの良さとか、武器というものを、チームとして表現することができなかったこと、理想とはかけ離れた試合に、モチベーションが失われたことは想像できる。

 ヒデは、「実力を出し切れたか」というメディアの質問に「これが実力なんだ」と答えた。本当は力があるのにだし切れない、とメディアは思った。では、誰が“本当は実力がある”ことを証明できるのか。現実としてそういう結果となったことが実力以外の何ものでもない、というヒデのメッセージだ。オシムが「日本は弱い。まわりが勘違いしている」という内容の発言をしたが、やはりそうなのだろう。

 W杯が終わって川口は「ハートの問題だ」と言ったが、実はその部分がもっとも困難なハードルなのかもしれない。昔、日本は常勝軍団ならぬ常敗軍団だった。世界の舞台なんて夢のまた夢の時代、アジアで韓国にたたかれまくり、韓国に勝つことだけが目標だったような時期があった。そのハートの状態から、カズが現れW杯が手が届く存在になりかけた。しかしロスタイムに同点を喫しドーハで夢は散った。その後カズ世代に中田ヒデが入り、世代交代の足音も徐々に聞こえてくる。フランス大会ではアジア予選でプレーオフでしかも延長にもつれこんでようやく手にした。本大会は3敗。強豪相手に1点とるのが精一杯だった。

 黄金世代と呼ばれた今回の選手達が、前回大会でホスト国として出場したことが、メンタル部分を置き去りにした原因かもしれない。選手の多くが日韓大会は別物、と感じていたという。今回もアジア予選は辛勝で、本大会は1分2敗。得点はわずかに2点。ハートの問題は、局面局面で失敗を恐れる心が見え隠れする、日本人特有の問題かもしれない。勝利を手にする直前で生まれる臆病な心かもしれない。この心の問題も、新しい世代に失敗を恐れない心を植え付けることで対処するしかないのかもしれない。

 とにかく、ヒデは去った。チームメイトへの激しいゲキがともすれば異質に映ったかもしれない。多くのプレイヤーがヒデを敬遠したかもしれない。でも、あのハートを23人が持ち合わせていたら、まったく違っていたかもしれないと思ってしまうのだ。和を大切にする日本の美学が必要以上にそこに横たわっているのかもしれない・・・。次の監督には、たった23人の日本代表の枠は、本当に厳しい競争の末に勝ち取れるもの、という大競争時代をもたらしてほしい。

 中田選手に心からありがとうと言いたい。お疲れ様。ますますのご活躍を期待してます。「引退したら解説者」が関の山のスポーツ選手にあって、どのような生き方を我々に見せてくれるのか、今後も注目していきたいと思う。それが少年たちの夢となって大きく影響を与えていくだろうと思うと、時代の先駆者である中田選手に大きなエールを贈りたい。
[PR]

by cogno_eb2 | 2006-07-04 10:51 | サッカー

<< PCキター! ブラジルが敗退  >>