年金制度を考える(8) これまでの改革   

 「公的年金タスクフォース」発足!

 ついにタスクフォースが発足です。私もできることさせていただきたく思ってます。

 それにしても私の年金に対する知識がまだまだ足りないので、お役に立つためには、引き続き、勉強しております。素人には甚だ難しいのではありますが・・。

↑以上付け加えデス。
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 選挙が始まる。この時期のニュースはまるで面白くない。なぜなら、各党は自分たちのアピールに躍起になっていて、マスコミは当落予測やら獲得議席予測、そしてそれが政局につながるやら、どうやら・・。

 やはり我々国民が注意をはらうべきなのは、国会審議の中身であり、選挙がおわって、次の解散までだ。その間にしっかりと政治を監視しなければならない。
 さて、今、私は『海外の年金制度』 厚生年金基金連合会 編 東洋経済新報社1999 を読んでいる。

 読み進めてまとめていくつもりだが、さしあたって、これまでの改革の推移から2004改革の性格を記しておきたい。

やはり注目すべきは高齢者社会の到来に備えて、どのような改正の動きがあったかだ。

●1980年改正 給付水準の引き上げと共に支給開始年齢を65歳へ引き上げる案が各審議会に諮問されたが、政府案では、次期財政再計算において所用の改訂措置を講ずべき旨の規定にとどまった。
 しかし、この規定も国会審議の過程で削除されてしまった。

●1985年改正 基礎年金の導入(一階部分の一元化)

●1989年改正 支給開始年齢の行きあげ議論され、政府案に盛り込まれたが、国会審議の過程で次期財政再計算において所用の改訂措置を

講ずべき旨の規定に修正された。

●1994年改正 定額部分の支給開始年齢が段階的に65歳へ引き上げられた。厚生年金の賃金スライドについては、可処分所得スライドが導入された。

●2000年改正 ・報酬比例年金の支給開始年齢の65歳への段階的引き上げ(2013年~2025年)
 ・報酬比例年金の給付水準の5%引き下げ
 ・年金スライドの可処分所得スライドから物価スライド(65歳以降)への変更
 ・70歳までの在職者に在職老齢年金を適用拡大
 ・総報酬制の導入(2003年4月実施)
 ・国民年金の保険料の半額免除制度の創設、学生の保険料納付特例制度の創設
 ・国民年金の繰り上げ(繰り下げ)支給率の改善

 2000年制度改正の資料は詳しいものがあったので、他の情報とレベルがことなって恐縮だが、国会では、「支給開始年齢の引き上げ」と「保険料の引き上げ」、そして「給付額の引き下げ」に腐心してきたことがわかる。

 2004年改正のときも、共産党や社民党は「国民に痛みを押しつける改悪」などと騒いだが(彼らは公共事業の削減と官僚の無駄遣いをやめさせれば全て解決すると主張している・・)、毎回毎回このような理解力ゼロの勢力によって、また、時の政権が国民に痛みを求めることを先送りしてきた結果が、このような事態を招いたのだろう。

 現行制度を維持していくという方向では、支給開始年齢を引き上げて、保険料を値上げし、給付額を値下げするしか手はないのである。

 では、現行制度そのものに対して、抜本的な改革の視点というのは存在していないのだろうか。

 実は1994年以降、世界銀行 対 ILO(国際労働機関)・ISSA(国際社会保障協会)の論争が勃発している。

●世界銀行

 賦課方式・給付建ての年金制度は
1.今後進展する高齢化には対応できない
2.世代間、世代内での再配分の不公平が存在する
3.年金財政が逼迫した場合に支給年齢の引き上げや給付の引き下げ等の変更が行われる政治的リスクが存在する
4.政府主導の制度のため、運営が非効率であるなどの制度的な不都合を抱えている

 よって、2階部分に強制的積立貯蓄のための、民営拠出建て制度を擁する3階建ての年金制度を推奨する。

 拠出建て制度の導入→貯蓄率の向上→金融・資本市場の発展促進→より効率的な資本の分配→より高い経済成長の達成

●ILOおよびISSA

積立方式・拠出建ては
1.拠出建て制度では給付の水準は全く不確実であり、事前予測は不可能。
2.積立方式はインフレに弱い
3.原稿の賦課方式の年金制度を廃止して新しく拠出建て制度に移行する場合に、移行期にあたる勤労盛大は二重に年金制度の負担を背負わなければならない
4.公的年金部分を全て税金でまかなうのではなく、掛け金徴収と併用すべきである

 このような対立があったわけだが、日本政府はILOおよびISSAの見解を採用しているわけだ。厚生労働省が世界銀行のレポートに対してどのような調査結果をもっているのか、その実現可能性についてどのような見解をもっているのかが重要なところだ。
 これまでの改革が、いわゆる抜本的な改革にならなかったのは、賦課方式・給付建ての維持を前提にしているという、大前提にたったものであったから、ある意味しかたがない。

 民主党は抜本改革といいながら、一元化のみについて提案し、「抜本」に値しない。抜本的改革というならば、自助努力の制度を組み入れた、積立方式・拠出建て制度の導入を図る必要がある。

 私はあえて2~3階部分も含めた一元化をする必要はないと考えている。詳しくはいずれ書くが、一元化することに力点をおくよりも、職域で分けた制度に戻し、個人勘定を導入し、自助努力を促すため個人年金への支払いに対して所得税控除の枠を拡大すべき。

 もう少しまとまったら、また書くことにするが、今回の記事で言いたかったことは、世界銀行のレポートを厚生労働省は検討したかどうかだ。検討した上でILOおよびISSAの見解に賛成したのなら、抜本改革のためには世界銀行レポートの改革を提案しなければならないだろう。

 政治家のみなさん、そこまで考えて政治活動してネ!
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by cogno_eb2 | 2004-06-20 15:50 | 年金問題考

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