賦課方式・給付建ての年金を、積立方式・拠出建てに変えよ   

現在の年金方式は、「賦課方式・給付建て」である。

これは、世代間扶養の考え方に基づき、法律で給付額を定め、現役世代から集まったカネを給付対象者に分配する方式だ。

この方式では、少子高齢化に全く対応できない。高齢化により給付対象者が増え、現役世代(労働者)が減ると、当たり前のことだが、現役世代にもっとたくさん負担してもらわないと、ふくれあがった高齢者に、法律で決められた給付額を満額支払えない。今後ますます高齢化が進めば、負担額が上がっていくのは当然の仕組みなのだ。

ここで付記しておく必要があるのは、現役世代から集まった給付原資のみでは、給付額に満たないということで、税金が投入されているということ。つまり、年金のための隠れ負担が発生しているということ。これでは、自分の生涯賃金からいったい年金にいくら投じているのか、計算ができない。そして、高齢化が進めば法改正により給付額が減らされるわけだから、果たして自分が老後の人生に、いくら年金がもらえるのか不明であるのだ。わかっていることは、少なくとも今の水準より少なくなることだ。

今の制度では、払った分だけ(隠れ負担も含めて)回収できるのかさえ不明なのである。

だから、世代間扶養の考え方を捨て、個人勘定を導入すべきだ。簡単に言えば、自分の年金口座を作る、ということ。年金口座を作っておけば、払った分が少なければ、もらえる分は少なくて当たり前だから、年金未払いは損だということで未払いは解消されるだろうし、職業が変わっても複雑な手続きをする必要がないし、手続きの人件費も抑えられる。また、残念ながら早く亡くなったときには、払った分については全額を遺族に支払うことができるようになる(もともとその人の可処分所得から支出しているから返すべき)。いわゆる、「積立方式・拠出立て」だ。こうすれば、25年払い続けないと一切支給されない、という馬鹿なこともなくなる。

とはいえ、個人が口座に積み立てたお金(もちろん国による運用益を含む)だけでは老後のすべてをカバーできず、それは国が保障する年金制度にならない、ということもあるだろう。国が保障する最低限の生活ができる額に満たない場合は、やはり税金を投入することになるが、それは、目的税として対応することになろう。

こうすれば、高度経済成長期を生き、現在老後ライフを満喫している人(少ない掛け金でハイリターンの人たち)と、将来もらえるかどうかすら不安な現役世代といった世代間不平等は生じない。

問題はどうやって制度移行するかだが、現行制度の方が有利な世代(おそらく40代後半以降の人)と明らかに不利な若年世代とで分かれると考えられるので、不利な人には現行制度の脱退・新年金制度(積立方式・拠出建て)への加入を認め、旧制度利用者がいなくなるまで二つの制度を並行運用する。

こうすれば、年金不安を解消することができる。

詳しくはバックナンバーを参照のこと。
年金制度を考える(9)
年金制度を考える(10)
年金制度を考える(11)


ちなみに、民主党が言っている一元化論は、未納による資金難にあえぐ国民年金や厚生年金(会社の不正や倒産による未納が発生する)の救済のため、完全天引きによる潤沢な原資を誇る共済年金をひっぱろうとしているものであり、世代間扶養を前提としていることから本質的な解決策ではない。
年金制度を考える(4) ~スウェーデン方式と民主案~
年金制度を考える(5) ~一元化の是非~


ブログ意見集 by Good↑or Bad↓ 年金制度の嘘と現実、そして将来

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by cogno_eb2 | 2008-03-08 00:36 | 年金問題考

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