地方議員の仕事は何か。   

ちょっと前までは、機関委任事務といって、地方自治体を国の出先機関(=国の手足)として政策を実行する体制が組まれていたので、地方自治体には意思決定権のない仕事がすごく多かったそうです。都道府県では6割とも8割とも言われ、市町村では4割くらいが、大臣(=国・霞ヶ関)の命令によって有無を言わさず処理しなければならない仕事が存在していたとか。しかし、3割自治という言葉があるように、財政面では、自前の財源(=地方税)が財政規模の3割くらいしかなく、残りは国の補助金やら地方債やらいわくつきのカネでしかなく、使い道に制限があったり、地方の事情に合わせて政策的に使う、ということができなかった。

だったら、地方議員って何をしていたの?そして、何ができたの?という疑問がわく。

機関委任事務が2000年に廃止されたそうだが、依然として教育や介護など国民生活に直結する重要な政策の多くは、国と都道府県と市町村の役割が法律で決まっており、地方自治体の裁量が増えていないらしい。簡単に言えば、「これをなんとかしてほしい」と言っても、「それは法律で決められていて、知事といえども裁量がない」という状態。だったら国会議員に「陳情」して、法律そのものを改正してもらう以外に道はなく、知事やら議員やらを当てにすることは無意味。ん~、だったらなんで選挙で彼らを選んでいるの?彼らは何の役にたつの?

この疑問を、地方政治の舞台上にいる首長や議員、そしてスタッフである役所が、首長の裁量の範囲について明示すべきだ。ここからここまでは、首長がGOサイン出せば実現可能だ、と示してないと、有権者が法律やら規則やら何やらすべてを読み込んで判断しなければならない。

日常生活でそんなことをする暇なんてないし、たとえば介護の問題の当事者になった時にあわてて、そして必死にいろいろ調べても徒労に終わる。私ももう亡くなった祖母が倒れた時に、仕事を休んで実家に戻り、母の代わりに病院行ったり町役場行ったり大変だった。結局は制度上の限界の壁にぶちあたって「終了」したわけだけれども。

役所はあまりにもブラックボックスだ。平日の昼間に窓口に行って情報公開請求したって、こちらが理解しやすい資料がでてくるはずもない。仮にあったとしても、その書類の存在をあらかじめ知っていなければ請求してもでてこない。「○○に関する書類すべて」なんて請求したって、役所が「これは“関する”とは言えないから該当なし」と判断すればすべて出てくるとは限らないし、その判断が公開されることはない。

議員が議会や委員会で一生懸命データや施策の判断の根拠を引き出そうとする質問には、役所はあらかじめ資料を作って答えているのに、市民が同じ事をやろうとしても、役所はやっちゃくれない。もっとも、議員がいくら質問しても、既に決まった路線の答えを、しかも抽象論で答えて終わりでは、何の解決にもならない。

ブラックボックスを透明化する労作業に骨を折ってくれる政治家はいないのか。そこに気がつく人はいないのか。一市民ではいかんともしがたいのだ。そのために税金を払って首長や議員や職員を雇っているのに。
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by cogno_eb2 | 2008-03-10 22:19 | ニュースコラム

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