年金制度を考える(9)   

 木村剛さんはてっきり民主党の回し者かと思ってました・・。でもそうではないみたいですね(笑)

 なぜそのようなことを思ったかというと、木村さんの年金制度改革案に一元化がうたわれ、また民主党との接触が多いように見られたからです。

 まあ、どの政党を推しているかということは直接的な問題ではなく、私もbloggerの方々がどの政党を推しているかということは気にしませんが、こと年金制度の考え方については、私は民主党案に明確に反対の立場を表しているので、もし、年金の制度そのものを考えたときに、その人が民主党案を評価する、ということであれば対抗しなくてはなりません。

 木村さんが、Kento De Goo Punchさんを引用して、「白紙撤回して以前の制度に戻した上で、時間をかけて制度の改革を議論すると毎年5億円の赤字を出して瀕死の重症に陥るという疑問にどう答えるのか?」(要旨)と疑問を呈していますが、この問題はKento De Goo Punchさんの指摘を待つまでもなく、当ブログで早い段階から指摘してきたことです。

 ようやくそのあたりの問題を木村さんのところでも取り上げていただいたので、年金制度の議論の前提として、このことを認識していただきたいと、再度声を大にしておきたいと思います。

 私の理解では、与党が「抜本改革だ」という意味は、年金制度を考える(8) これまでの改革において指摘したように、これまで国民の負担増、給付の削減という痛みを求める制度改革は、国会審議の中で先送りされ続けてきた、という歴史があり、さらに向こう100年といった長期的な視野に立って制度を見直したことがなかったという点で、これまでにされなかった、あるいはできなかった年金制度の議論を、ここにきてやり遂げたという自画自賛が含まれているものだと認識しています。

 言葉の使い方としてそれが「抜本改革」にはあたらないと私は考えますが、政府もしくは政権与党として、国民の負担増、給付の削減を法律として成立させながら、政権が倒れなかったというのは、政治家としては歴史的な快挙なのかもしれません。そのあたりは一定の評価をしておきましょう。

 さて、制度が抜本改革をされたかどうか、という点では、私はそのようには捉えていません。なぜなら、当ブログで再三指摘しているように、「賦課方式・給付建て」を見直してこそ、抜本改革だと考えられるからです。今後、現役世代が減少あるいは現状から増えない見通しの中で、高度成長期・バブル期のような発想は捨てなければならないことは明白であるのです。現役世代がリタイヤ世代を支えることは、物理的に困難であることを議論の前提にしなくてはなりません。このままだと、貧困層は確実に現役世代の若い年齢層になります。決して仕事をリタイヤして第二の人生を送っている人が貧困層なのではなく、収入も少なく、子どもをもうけ、住居の手立てもしなくてはならない若い世代には、自分たちの生活を維持するのに精一杯の暮らしが法律上求められることになりかねません。

 そもそも年金は、本来なら労働の対価としてもらうことのできる賃金が、60歳の定年制のおかげで剥奪されることに対する保障という意味合いがあります。その保障をするために、現役世代には精一杯の暮らしを求められることになるのは、社会保障制度として欠陥があるといわざるを得ません。

 これは現役世代がリタイヤ世代を支えるという「賦課方式・給付建て」になっているからなんです。この制度は人口構造が完全なピラミッド型になっているときに可能な方式です。今後そのような人口構造は望めません。であるなら、現実の人口構造に基づいた方式を考えることは当然でしょう。

 木村さんの案は次の4項目です。
① 公的年金制度と生活扶助を同じ制度の中に包含し、65歳以上の国民であれば、基礎年金として例外なく夫婦で月15万円受け取れる制度とする。
② 基礎年金(月15万円)以上の部分については、各個人の私的年金に任せることとし、付加的な部分について国は一切関与しない。
③ 基礎年金の支出は一般会計から行うこととし、各種の税金および国債によってファイナンスする。ただし、基礎年金税の新設を排除しない。要するに、保険料はとらない・・・・。
④ 上記の結果、厚生年金、国民年金、共済年金、議員年金は一元化される。

 「ですから、民主党が自らの年金案を通したいのであれば、安部幹事長が公言したこの論理を逆手にとって、「年金脱退権」を唱えるべきだと指摘したのです。回り道のようにみえるかもしれませんが、そうすることによって民主党案を実現する政策環境は整えられていきます。」との記述もあり、年金の一元化を主眼に置いた案に見えたので「民主党の回し者か?」と思ってしまったワケです。

 まあ、それはおいといて、私の対案を示したいと思います。

①改正年金法による現行制度を維持する。
②個人勘定を導入した確定拠出型の新年金を創設する。
③現行制度から新年金への移行は希望制とする。

 まず、私は年金の一元化には反対です。国民年金の保険料徴収が全く低い水準であるうちは、一元化することはすなわち、「取れるところから取ったカネをまわす」ことにほかならない。一元化した場合に、現在の国民年金の対象者が劇的に納付するようになるなら話は別ですがね。

 そのあたりを木村案では、基礎年金の給付額を15万円に固定し、一方の負担額は税方式とすることでゼロ、つまり保険料というものがなくなる、としています。税方式にした場合の財源は一般会計から全額ということですが、これは試算をしてみないと実現可能性については判断できないところですね。タスクフォースで是非ともこのあたりの数字を出してもらいたいものです。

 さて、私の案は、素人丸出しでお恥ずかしいのですが、基本は個人勘定の導入により、誰がどれだけ払ったかを明確にすること、そしてこのまま払いつづければどれだけの年金がもらえる計算になるかを明らかにすることを目的としています。そして、自分が払っている保険料が、自己責任による運用に依拠し、年金受け取り額が増減する、というものです。確定拠出型の個人年金商品をイメージしています。

 ①で改正年金法による現行制度を維持、としたのは、確定拠出型の自己責任による運用の新年金に移行するには、運用期間が長ければ長いほど有利なわけで、既に40歳を超えていて、60歳を目前に控える年齢であればあるほど不利、ということになります。一気に新年金に移行することで、現行制度で保障されている年金受給額が減ってしまう、という制度では国民の納得を得られないでしょう。

 逆に若い世代に対しては、これから年金制度に加入する人は現行制度と確定拠出型の新年金とを選択してもらい、20歳以上の現役世代は、これまで支払った年金額を計算してはじき出すことは可能でしょうから、その額を新年金に移行するか(より20歳に近い人)、現行制度で得た年金受給の権利を確定させながらも、次の月からの保険料納付は新年金に納付することを可能とし、年代におけるメリットデメリットに対応させます。

 この続きはもう少し勉強してから書きます。
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by cogno_eb2 | 2004-07-23 12:54 | 年金問題考

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