子ども手当半額支給より、扶養控除廃止の増税のほうがヤバイ   

2011年4月13日追記

ついに子ども手当が廃止へ。

 扶養控除が廃止されたまま児童手当がもとのまま復活すれば、家計は赤字(増税)となる。家計は確実に可処分所得が減少し、これまで支給された子ども手当を残らず使い切っていた家庭は大変なことになる(うちはこれを見越してすべて貯蓄してあるが)。

 増税額の計算方法はコチラを参照してください。

 この記事にあるとおり、子ども手当が存続する場合でも、消費可能額はわずか3000円ちょっとなのをご存知でしたか?

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 この記事は、7/9時点の情報で記載されています。

 過去3回いろいろ試算したりしながら子ども手当の事を書いてきましたが、この問題の結論を出したので、ここでまとめておきます。

子ども手当制度の問題点

●子ども手当は、財源を、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除の廃止としている。

●子ども手当26000円を配っても、控除が廃止されると、所得税と住民税の増税により赤字になる家庭がある。

●民主党もマスコミも、このからくりを説明したり、報道したりしていない。よって、巷には、単に26000円もらえると信じ込んでいる人がいる。バラマキどころか詐欺的ですらある。

●「年収2000万の家庭でも恩恵がある」という説明は、単年度のプラスなのかどうなのか、根拠がはっきりしない。

●最新のマニフェストでは、最初の2年間を半額の13000円支給としたが、控除の廃止は先送りされたため、最初の2年間は単に配られるだけとなるが、財源についての説明がない。

 この制度では、所得税と住民税の増税は全世帯に及ぶので、子ども手当がもらえるから得、子どもがいない(あるいは16歳以上)から損、という単純な問題ではありません。

 まず、子ども手当をもらえても、2年後から増税になるので、2年後からは差し引きすると実質のプラスは12000円ほど。

 子ども手当がなくなると、その後はずっと増税。所得税も住民税も、子どもが16歳を超えて大学卒業までにあたる期間は、それまでの期間よりも控除が大きい仕組みになっています。それだけ親の負担が大きくなる時期であり、その子たちを扶養している親の負担を軽減する措置ともいえます。

 しかしながら、この制度では、その時期は確実に増税になります。

 そして、子ども手当がもらえない家庭では、自動的に増税です。ちょうど2年後に大学進学を控えている家庭においては直撃ですね。過去に手当をもらえていたのならまだしも、その恩恵もないのにいきなり控除の廃止でハシゴを外されるようなもの。

 そのような問題が指摘される制度であるため、各家庭の状況でシミュレーションをしてみないと不安です。そこで、60歳までの人生設計ということで試算をしてみました。控除の廃止は年金受給者にも直撃する問題ですが、年金制度は別に考えるとして、ここでは60歳までの試算です。

 条件としては、課税対象となる所得は、最も多くの人が当てはまるだろう、課税対象330万~695万とし、税率を計算しています。

 控除がある現行制度で控除されるはずの金額を控除廃止による増税としてカウントし、手当の金額との差し引きで計算します。

 その結果、損益分岐点は、今年33歳で、配偶者(特別控除の対象外)と子ども二人(4歳と2歳)という結果が出ました。この人の場合、21,000円のプラスです。

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 これよりも本人の年齢が上がればプラス、下がればマイナス。子どもの年齢が下がればプラス、上がればマイナスになります。一つの目安としてください。

 この結果、我が家は130万ほどのプラスになるのですが、だから賛成、というアホなことをいうつもりはありません。トータルでプラスになるといっても、支給された手当をその場その場で使い切っていたら、手当終了後の増税で家計が縮小するのは目に見えているわけですから、結局は幾分かを将来に向けて貯蓄に回さざるをえないでしょう。

 ということは、子ども手当という名前はついていて、子どものため、などと夢とロマンを語られても、実際に子どもに振り向けられる分はかなり少なくなるでしょうね。

 これは、損益分岐点に近い人ほど子どもには使えないことを示していて、大幅な恩恵を受ける一部の家庭にしか恩恵がないことを意味します。

 これから家庭を持とうとする若者にあっては、控除廃止による増税を回避するには夫婦共稼ぎが必須条件になってくるでしょうし、そのためには保育所に預けることが普通になってくるでしょう。しかし、保育所の費用だってばかにならないし、第一、待機児童が著しい地域では、政治がその解消に手を付けてくれないと無理でしょう。

 また、年老いた親の扶養は確実に増税を招くことになります。控除が廃止されているから。そうなるとこれからの高齢者は自力で生きろ、ということになりますが、年金がどんどん減っていく今後にあって、高齢者の自立した生活をどう保証するかが大きな問題となります。

 こうしたことから、26000円がずっともらえるか、就学前に限り36000円なのか、といった選択ではなくなってきます。実際26000円じゃなく差し引き12000円なんですけどね。

 というわけで、この政策は、年金、子育て、社会保障、医療といったトータルの社会政策の中で考えるべきで、これだけを特出ししたアナウンスや報道は、無責任きわまりないということが浮き彫りになります。

 みんなでよーく考えましょうね!

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<7/23追記>
 民主党が、「扶養控除の廃止は所得税のみであり、住民税の控除は存続」と言い出しました。2007年版マニフェストでは税目の指定は記載されていないのですが、評判が悪いから修正したのでしょうか。最初の2年間は半額に下方修正してますしね。

それから、子ども手当制度が導入されると児童手当が廃止になるので、それも反映させてあります。ただし、児童手当の所得制限は面倒なので省略しました。

ということで、ファイルを追加しておきます。今後も修正が入るかも知れませんね・・・。

<7/29追記>
民主党のマニフェストがでましたね。子ども手当については、いつのまにか半額期間(控除存続期間)が1年になってましたね。

マニフェストに基づく総括を新エントリにまとめました。計算シートも最新バージョンにしました。このエントリに掲載していたシートは情報が古いため外します。

計算シートはコチラ↓
開けてびっくりマニフェスト。子ども手当の半額(控除存続)は1年になったのか?

[古いため削除]
計算シート(エクセルファイル)
Ver.1(所得税・住民税とも扶養控除廃止)
Ver.2(所得税のみ扶養控除の廃止)



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by cogno_eb2 | 2009-07-09 22:50 | マニフェスト

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