民主党マニフェスト:高速道路無料化にもの申す   

民主党のマニフェストの目玉の一つ、高速道路の無料化についてです。

 まずは、マニフェストと名乗るからには必要だとされる3つの前提について。

【前提1】現状認識とそれに基づく必要施策の明確化
→つまり、必要かどうかについて。
今の土日1000円2年間は、緊急経済対策である。民主の終日無料化は、既存の制度と比較して、なぜ制度を変えなければならないか(土日から全日へ、1000円から無料へ)の根拠が示されていない。既存制度に効果がみられないなどの問題点があるなら、それを示すべき。

【前提2】個々の政策について、その目的と実施方法、期限、財源などの指標の明確化
無料化は調査をしながら段階的に実施とあるが、いつまでに調査を終えるのかは明文化されていない。工程表には2年間にあたる斜線が引かれているが、2年と考えて良いのか。

【前提3】数値目標
段階的に進め、最終的に全路線を無料とするのか、調査結果により有料(1000円ではなく元の料金)に戻る路線もあるのか書かれていない。

【結論】
これはマニフェストに値しない、旧来型の選挙公約である。


 「わーい!1,000円よりも無料のほうがいいや!」などと安直に民主党に投票するとでも思っているのだろうか。

 無料化をブチあげるのはいいが、料金収入による償還と、今後の建設について全く言及がないのはどういうことか。無料となれば償還に回すカネが確実に減るわけだから、それをどう考えているのか示すのは当たり前のことだと思うのだが。

 償還は、特定財源ではなくなった一般財源を充てるのか。旧道路特別会計の歳入は、実質的には道路関係に回っているのが現状らしいが、原理的に考えれば、一般財源を道路につぎ込むということは、自動車を使っていない人の税負担分を、使っていない道路のために投入することになる。受益者負担の原則から外れている。

 また、今後の道路建設はどうするのか。その見通しを示すべきではないのか。

全国高速道路建設協議会HPによれば、高速道路(高速自動車国道)の計画は総延長11,520kmで、現在66%が建設済み(共用中)ということだ。

高速道路は、首相が会長を務める「国土開発幹線自動車道建設審議会」が、計画路線のうち、向こう何年間にこことココを建設するといったように、そのつど決定するそうだ。

ということは、政権をとったら、まさに整備計画の意思決定権者になるわけだから、無料化を公約した以上、ソッコ-でこの審議会で説明するハメになるのでは?

だったら最初からその青写真を公約で示すべき。国民には知らせず、審議会では説明する気か?

この際ハッキリ言ったらどうだろうか。

道路はコンリンザイ建設しません!ってね。だから無料化ができるんだぞって。

そんなこと言うと地方票がとれないから、口が裂けても言わないんだろうなぁ。地方票をとるために農家にお金ばらまくしね・・。

でも、仮に建設中止をしても、維持管理費はどうするの?道路の舗装やトンネルの補修など、使い続けるにはコストがかかるでしょ。

マニフェストには、地域経済の活性化の観点から無料化すると書いてある。でもそれは、100年に一度の不況対策で時限を切って1000円化している政策が効果ないから、無料化を永続化するということなんだろうか。だとすれば、現在の政策に対する分析があってしかるべきなんだが、書いてないんですよねぇ。これが。

マニフェストの抜粋↓

30.高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る
【政策目的】
○流通コストの引き下げを通じて、生活コストを引き下げる。
○産地から消費地へ商品を運びやすいようにして、地域経済を活性化する。
○高速道路の出入り口を増設し、今ある社会資本を有効に使って、渋滞などの経済的損失を軽減する。
【具体策】
○割引率の順次拡大などの社会実験を実施し、その影響を確認しながら、高速道路を無料化していく。
【所要額】
1.3 兆円程度


おお、高速道路の出入り口を増設するって書いてありますね。建設工事そのものが無くなるわけではないのね。カネどうすんのかな?所要額の見込みなんて書いてあったって問題の解決にはならないんですけど。


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by cogno_eb2 | 2009-07-30 20:32 | マニフェスト

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