民主党マニフェスト:年金改革にもの申す(3)   

年金制度は、世代間扶養の賦課方式をとる限り、人口のバランスが崩れた場合に破綻します。簡単な話です。

長寿社会・高齢化になって、現役世代(働いている人)の人口が減る、加えて、不況による減収から未納が増える。

賦課方式は現役世代が稼いだカネの一部を集めて、年金受給者に配るわけですから、財布に入ってくる原資が少なくなれば、年金生活者に配るカネが減るわけです。

でも、法律で、年金額を補償しているから、「今年はアガリが少ないのでワケマエは減ります」とは言えないわけです。その分を国庫(税金)で補填して、法律で約束したカネを配るわけです。

この賦課方式・給付建ての制度を取る限り、長寿社会と人口減少に対応するには、現役世代の掛金を上げて、年金額を下げるしかない。

そうすると、今必死で働いている人たちが老後を迎える頃に、果たしていくらもらえるのだろうか、という不安が生じます。今もらっている人よりたくさん収めているのに、今もらっている人よりも自分たちのもらえる額のほうが少ない。不公平じゃないか。だったら年金なんかアテにせずに、自分で株でもやって自己防衛しようか、という発想は充分出てくるでしょうね。

事実、年金制度がスタートしたばかりのころは、「少ない掛金で大きな補償」的なありがたい制度だったのです。でも、今の人口構造では、このようなオイシイ話はありえないのが現状でしょう。

では、どうするか。

まずは給付建てをやめる。つまり、「将来これだけもらえますよ」という出口の約束をやめる。出口が決まっているから、原資が足りなくなって掛金つまり入口を大きくしなくてはならなくなる。出口を約束すると、入口の金額設定の際に、将来人口の推計で決定せざるを得ないので、推計が下方修正されるなら、その度に金額設定を変えて行かなくてはならなくなる。推計を根拠に決定するというキワドさが残ってしまうんですね。

だから、拠出建てにする。その人がいくら払って、それを運用したらいくらになったから、あなたの場合はいくらもらえますよ、ということ。単純明快。民間の保険商品は当然のことながらこういうスタイルですよね。

拠出建てにすると未納はなくなる。というか、未納でも問題はなくなる。未納、すなわち運用原資が無いか増えないということだから、数年払ってあとは未納、という人は、その少ない原資の運用結果を将来もらうということで、もらえる額が少なくてあたりまえ。制度加入が強制なら、払わないと損、ということで、ま、自己責任ですな。

給付建てを拠出建てに変えるのと同時に、賦課方式も綺麗さっぱりやめてしまう。拠出建てで自分が払った原資を運用するのだから、それが運用されずに年金受給者の支払いに充てられたのでは、増やしようがないでしょ?だから、世代間扶養の賦課方式はやめて、積み立て方式にする。

積み立て方式・拠出建てにするというのが、払っている人間にとって明快なわけです。だから、銀行に口座を持つように、年金の個人勘定をそれぞれが持って、いくら払ったのか。それがいくらに増えたのかが分かるようにする。個人勘定だから、それがマッサージチェアに化けることはありえない。それは不正であり、違法で、損害賠償請求訴訟モノである。

ね?明快でしょ?

でも、まあ、それは理想であって現実的でない側面もいろいろとあるんですね。次回は、理想と現実のギャップをどう埋めるかについて、考えていきます。
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by cogno_eb2 | 2009-08-05 23:07 | 年金問題考

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