民主党マニフェスト:年金改革にもの申す(5)   

これまでいろいろと書き連ねてきましたが、「だから何なのよ!」と言われそうなので(汗)、ズバリ書きます。

民主党のマニフェストにおける年金制度で、次の部分はおかしい。

1.年金保険料の流用禁止(マニフェスト項目17)
  これは即座にやるのがあたりまえで、なぜ問題が表面化したときにできなかったのか疑問。おかしいと思うのは、具体策として、流用禁止を法で定めるとしか書いてないが、なぜそれに2000億円かかるのか?かつて民主党が国会の会期終了間近に法案を出して審議未了廃案となった年金改正法案があったけど、2000億かかったのか?

2.不公平是正のために一元化する(マニフェスト項目18)
 不公平は、現行制度が職業によって分かれていることではなくて、少ない掛金でたくさんもらえる人と、掛金がどんどん上がるのに給付が減らされる人が出てしまうこと。つまり、払った分と給付とが公平に対応状態にあるべきであって、一元化すれば公平になるわけではない。

 職業によって制度が異なる弊害は、例えば、国民年金から厚生年金へ移るというときに、手続きが煩雑なことくらいで、保険料率の違いが不公平ではない。一元化するとなると、現在低い保険料率のところが一気に大幅に負担が増すことのほうが不公平である。一元化するなら保険料率をどれに一致させるのか明示すべき。厚生年金に合わせるのか。だとしたら厚生年金よりも低い保険料率になっている年金は、4年後に一気に上がるのか。

 よって、不公平の所在は、払った分ともらえる分が人(世代)によって異なるという不公平であり、それを是正するのがスジ。一元化によって不公平が是正されることはなく、別の不公平を生じさせるという問題をはらむ。

3.消費税で最低保障年金を創設(マニフェスト項目18)
 枝野案では、新制度は全く別の制度で赤字が存在しなくなるから消費税を上げることはない、としている。別制度で現在債務を確定させるというから、現行制度加入者は新制度に加入しないことが想定されるが、その場合、現行制度の債務の償還は消費税を用いずにどうやって行うのか。

 あるいは、新制度に移行しないのは給付が始まっている受給者のみで、現役世代は一気に新制度に切り替えということになれば、新制度以降の翌年に受給年齢に達する人の年金をどうするのか。最低保障年金は消費税で賄うとしているが、地方消費税1%はこれまでどおり地方財源とし、残り4%で月7万円の給付を確保できるのか。シミュレーションを示すべきだ。この4%は完全目的税化するのか。足りなくて税率を上げる、ということにはならない見通しなのか。そのへんを明らかにしないのはおかしい。

民主党のマニフェストは、マニフェストになっていない。表面上はいいことばかり書いてあるが、制度設計はつっこみどころ満載。これは「政権獲得公約」でしかないですね。
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by cogno_eb2 | 2009-08-10 21:21 | マニフェスト

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