防災の日 1都8県で総合防災訓練   

大地震に備え全閣僚参加、1都8県で総合防災訓練

 今日は防災の日だ。1都8県で総合防災訓練が行われたとのこと。

 訓練は、東海地震を想定して、観測データが異常を示し、「東海地震注意情報」が出され、その後気象庁長官から首相に「東海地震予知情報」が報告され、警戒宣言が出された。

 記事を見る限りでは、とおりいっぺんのマニュアル的な訓練が行われたような印象だ。訓練というよりは、手順の確認だ。もちろんそれはそれでないがしろにはできないのだが。

 阪神・淡路大震災以降、政府や行政の側では、防災に対する意識が高まり、法整備、マニュアルや訓練の見直し、建築物の補強など、さまざまな対策が講じられてきた。今回の訓練も、1月の法改正に対応したものだったそうだ。

 しかしながら、マニュアル上の行動確認と言い換えられる程度の訓練をしても、実際にそれがどれほど有効であるのかは疑問だ。学校や職場でも避難訓練があると思うが、事前に「何日に避難訓練やります」「その時に各担当者はこうしてください」みたいな事前アナウンスがあって、当日は危機感もなくだらだらと動いていた経験はないだろうか。やはり、訓練は抜き打ちでやらなければならない。

 阪神・淡路大震災のあと、兵庫県ではシナリオなしの防災訓練が開催されたという。

◎シナリオなし-兵庫県防災訓練

 シナリオがない、ということは、突然、予期しなかった事態が生じた時の判断・決断が大いに試されるというものだ。

 実際、阪神・淡路大震災では、災害対策本部となるべき県庁の機能が麻痺し、初動がまったくもって遅れたという。震災前にもマニュアルくらいは整備されていただろうが、おそらく、マニュアルには、職員が登庁して、職員が揃うまでに何をするか、揃ってから何をするか、といった具合に記載されていたのだろうが、実際は大きく異なった。

 雑誌か何かで当時の様子を読んだのだが、まず、職員がほとんど登庁していない。ガラスが割れ、庁舎は傾き、電話は不通で、電気もつかない。圧倒的に人手が足りず、指揮をとるべき上役も登庁していない。被害状況の情報は全く入ってこず、情報をとりに現場へ行く人間も足りず、意思決定する人間もいない。このような中で自衛隊に出動要請をしようにも、出動要請には県知事からの組織としての要請が必要で、職員が自衛隊に電話したところで、その要件を満たしていない。実際には職員(課長だったかな?)が電話をしたが、自衛隊は「この電話をもって、県からの要請とうけとってよいか?」と確認を迫られ、その電話を受け取った自衛隊側でも、内部で「支援要請とするべき」という意見と「職員からの要請である」という意見が対立したという。

 マニュアルには行動原則が載っているが、いざ、不測の事態が生じたときは、その場で的確な判断を下さなければならず、そのときに至っては、マニュアルは一例に過ぎなくなる。事実、兵庫県庁は災害対策本部の設置は不可能な被害を受け、県警本部に設置しなくてはならなくなったという。初動からマニュアルの想定外である。

 その結果、初動体制は地震発生から4時間も経過した時点だったということだが、この4時間が、二次災害などの発生により、多くの犠牲を生むことにつながった。

阪神・淡路大震災教訓情報資料集

 今日行われた訓練は、気象データの異常が報告され、事前に予知されたその時点での訓練だったようだが、今後は是非、突発型の災害を想定した、シナリオなしの訓練も実施して欲しいところだ。

 また、自分たちが住んでいる市や県が、どのような備えをしているのかも確認しておきたいところだ。もちろん、最終的には自分たちが自力で生き抜かなくてはならないので、私たち自身の備えにも気を配っておかなければならない。
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by cogno_eb2 | 2004-09-01 14:21 | ニュースコラム

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