対北朝鮮経済制裁が近い・・・?   

<対北朝鮮>交渉引き延ばせば経済制裁も 中山参与

 先月26日に改正外為法が施行された。これまで小泉首相や福田官房長官など政府関係者は一様に発動には慎重な姿勢を見せていたが、中山内閣官房参与が一歩踏み込んだ発言をした。

 外為法の改正の改正以降、外交カードの更なる確保をめざし、特定船舶入港禁止法案の提出を協議してきたが、公明党が発動要件を厳しくすることを要求したことで、先送りとなっている。

 さて、外為法の改正をうけて、経済制裁を日本単独で発動することができるが、そもそもその経済制裁の中身とはどういうものなのか。この中身が語られないので、感覚的な議論になってしまっている嫌いがある。

 外為法の改正のポイントは以下のとおり。

(1)日本単独の判断で可能になる
(2)具体的な経済制裁措置の内容は閣議で決める
第10条
「我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときは、閣議において、対応措置(中略)を講ずべきことを決定することができる。」

(3)経済制裁措置を講じた場合、国会の承認が必要

第10条2
「政府は、前項の閣議決定に基づき同項の対応措置を講じた場合には、当該対応措置を講じた日から二十日以内に国会に付議して、当該対応措置を講じたことについて国会の承認を求めなければならない。」


対応措置とは

16条の1 送金の許可・届出義務
21条の1 資本取引の許可を受ける義務
23条の4 対外直接投資の届出義務
24条の1 特定資本取引の許可を受ける義務
25条の4 役務取引・外国相互間の貨物の移動を伴う貨物の売買に関する取引の許可を受ける義務
48条の3 貨物の輸出の承認を得る義務
52条   貨物の輸入の承認を得る義務

 法律で許可・承認を得る義務となっているところが、経済制裁であるから禁止することになる。

 一部で「罪の無い国民に犠牲がでる」という声があり、その理由から経済制裁すべてに反対する意見があるが、閣議決定の際にこれらの制裁項目の中でどれがどのように決定されるかが話し合われるし、さらには国会の承認の際に論議されるだろうから、経済制裁の有効性に関する議論はその段できっちりとすることになろう。経済制裁イコール国民の食料をストップするとイメージするのは早合点がすぎるだろう。

 私は経済制裁の主眼は、かつて朝銀経由・足利銀経由の北への送金が問題になったが、これらの送金を停止すること、マンギョンボン号に大量の現金をのせて国外に持ち出すこと、軍事転用可能な物品を輸出および不正に持ち出すことを禁止し、徹底的に取り締まることが肝要だと考える。

 「そんなのあたりまえじゃん」という意見もあるかもしれないが、そのあたりまえが実施されてこなかった事実は、『北朝鮮送金疑惑』野村旗守 著 文春文庫 2002.3を読めば分かる。

 また、これらの送金が確実に北朝鮮国民の手に渡っているのであれば、送金を止めることは北の国民を飢えさせることに直結してしまうところであるが、元工作員(工作員とは資金捻出の工作活動に従事する人間。拉致の実行犯は特殊工作員。)の証言や著書によれば、ほぼすべてが党中央へ流れていることが分かる。

 経済制裁の外交カードが、まずは外交カードとして有効かどうか、そして、経済制裁そのものが有効かどうかについては、言葉から受ける感覚で話すのではなく、厳密に考察を進めなくてはならない。
[PR]

by cogno_eb2 | 2004-03-24 19:16 | ニュースコラム

<< 今度はアッカ。続くよどこまでも... 海外視察 解禁 >>