カテゴリ:年金問題考( 38 )   

参院 委員会質疑の模様   

首相秘書官の参考人質疑を民主、参院厚労委で要求

 ○○にはつける薬がありません。

 委員会質疑で民主党は首相の年金加入未加入問題での首相秘書官の発言をめぐり、参考人招致を要求しているという。

 審議時間は何百時間もあるわけではない。短いはずだ。その貴重な時間を未納問題にあてるというのは、一体どういうことか。委員会審議は制度の話ではないのか。

 ちゃんとやれ~!
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by cogno_eb2 | 2004-05-19 13:49 | 年金問題考

年金制度を考える(4) ~スウェーデン方式と民主案~   

 先進国から注目をあび、日本の厚生労働省も検討をしたといわれる「スウェーデン方式」について概略を示す。

1.保険料を固定し、財源不足の場合は「年金額を自動調整」する。
・従来の給付建てを改め 労使折半の保険料を加入者の収入の18.5%に固定 変動は給付面で調節する「拠出立て」方式に。

2.これまでの国民基礎年金と国民付加年金の2階建てから、報酬比例の国民老齢年金の1階建てとし、代わりにすべての高齢者に最低所得を保障する「保障基礎年金」の導入。

3.世代間扶養の考えによる賦課方式から自分のために保険料を積み立てていく「一部積立方式」へ移行。
・加入者が拠出する年金保険料はその時々の年金給付を賄う為に用いられ 原則として積み立てには回されない「賦課方式」ながら、一部を積み立てる方式。

4.確定給付型から積立金の運用方法を加入者自身が選ぶ「確定拠出型の年金制度」へ転換。
・保険料の拠出額は加入者の年金個人勘定に「みなし運用利回り」付で毎年記録される。そして過去の保険料拠出総額(みなし運用利回り込み)に基づき年金受給開始時点で平均余命を勘案しながら年々の年金受給額を決める。なお、年金受給開始年齢は自由選択できる。

※拠出した年金は必ず返ってくるが、給付水準は保険料拠出期間次第となる。

 さて、民主党は、自らの案を「日本型スウェーデン方式」と名づけたらしいが、民主党案と上記のスウェーデン方式を比較してみると、2の「報酬比例1階建+最低保証年金」については類似している。
また、民主党案の第9条には次のようにあり、「賦課方式」であることがわかる。「一部積立方式」は採用していない。

第九条 各年度における所得等比例年金の支給に要する費用の総額は、原則として当該年度において納付された保険料の総額をもって賄うものとする。

 また、「拠出立て」か「給付立て」かについては第7条を読んでもわからない。数字が出ていないので判断できないのだ。7条2項には制度改正前の厚生年金の保険料にできるだけ固定するとあるが、それが給付水準から計算されたものかどうかは不明で、「報酬比例1階建+最低保証年金」を「賦課方式」「制度改正前の厚生年金の保険料」で実現した場合の給付水準がいくらで、その給付水準で老後の生活をカバーできているかどうかわからない。
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by cogno_eb2 | 2004-05-18 19:15 | 年金問題考

年金制度を考える(3)    

 今日、年金法案審議入りするが、新聞報道によると、民主党は未納の責任問題を取り上げるそうだ。

「18日の審議(6時間)のうち午後の3時間には小泉首相も出席する。民主党は当初、小沢氏を先頭に首相の予備校・留学当時の「未納」の可能性のほか、「説明責任不足」を追及する方針だった。今度は代表に就任する予定の岡田克也幹事長が先頭に立つが、小沢氏が未加入の責任をとったことで「小沢氏と同様の状況の首相も責任をとれ」と、首相に迫る構えだ。」(毎日新聞)

 制度に目を向けないでどうする!何やってんだろ。未納問題で3時間費やすの?野党第一党がこれじゃなぁ・・・。

 当ブログではしっかりと捉えていきますよ~。

 シリーズ1では共産党の主張、シリーズ2では民主党の対案を見てきたが、政府案を見ていく前に、年金制度自体の論点整理をしておこう(社民は主張や対案を出していないので論議の余地ナシ)。

 これは↓民主の説明資料にあったポイントだ。順に考えていきたい。

不公平感の払拭

1.世代間の受給格差
2.正社員とパート、サラリーマンと自営業者、民間と公務員など、職業で異なる制度の不公平感
3.将来受け取れるかどうか
4.収めた保険料の不適正な流用に対する不信感


●1.世代間の受給格差




詳しくは「基礎年金とは 職業で異なる保険料徴収」を見ていただきたいのだが、年金の仕組みは、ざっと説明するとこういうことだ。

 よく「1階部分」などと表現される、「基礎年金」は、1985年の制度改正で統合された。それまでは完全に分かれていたのだが、85年以降は土台部分として一つだ。

 したがって、自営業者、サラリーマン、サラリーマンの扶養家族の三者が、この基礎年金に入っているわけだ。もちろん、扶養家族というのは収入が無い人(モデル家族の専業主婦にあたる)だから、サラリーマンが払っていることになる。

 この1985年の制度改革は、自営業者の年金財政がピンチになったから行われた。改革前の制度は職業できっちり分かれていたから、サラリーマンや公務員などの勤め人は給料天引きで払うけど、自営業者は加入の手続から始まって、すべての手続を自分でやらなくてはならないので、未加入の人たちが増加して、その年度の年金支払いができなくなってしまうという危機感があった。

 ここで注意しておきたいのが、この年金財政の方式だ。年金財政には「給付立て」と「拠出立て」の計算方法と、「賦課方式」と「積立方式」の財源確保の方法がある。

●まずは計算方法について

 「給付立て」というのは、給付額を先に定めて、保険料率を決める方法。
 「拠出立て」というのは、保険料率を先に定めて、給付額を決める方法。

●次に財源確保の方法について

 「賦課方式」というのは、年金給付のためのおカネを、その時々の現役世代から徴収して、受給対象者に配分する方式。
 「積立方式」というのは、現役世代が、将来に必要な年金額を、自分たちが給付を受けるときのために今から積み立てておく方式。
 
 ※詳しくは富士総合研究所HPをご覧あれ。

 基礎年金は「給付立て」の「賦課方式」だ。これだと、受給対象者と現役世代の割合で保険料が変動する。ピラミッド型だと現役世代は少ない負担でいいが、逆ピラミッド型だと現役世代はたくさんの負担をしなければならない。「現役世代2.5人で高齢者1人を支える」なんていう図は、ここからきている。
 
 この方式では、少子高齢化が進むと、「給付立て」により、配分する年金額が決まっているから保険料率を上げなくてはならない。現行制度のままだと、現在の2倍以上になってしまう。よって、現行制度の今後を試算したときに、これでは負担が高くなりすぎる、ということで、給付額を押さえつつ、負担額を上昇させるという法案が政府から提案されたのだ。

 世代間のギャップという点では、実は計算方法と財源確保の方法をどうするのかによって大きく変わってくる。政府案以外に、たとえば「拠出立て」の「積立方式」という組み合わせは可能なのか、とか、制度そのものの議論をしていかなくてはならないのだ。

 スウェーデン方式というのがあるそうだが、厚生労働省は2002年にそれに近い方式を提案していたようだ。しかしながら、現在の政府案はそのようにはなっていない・・。→詳しくは先の富士総研HPにて

 さあ、まずは世代間格差の解消というテーマで、どの方式をとるべきか、考えよう。
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by cogno_eb2 | 2004-05-18 11:56 | 年金問題考

年金制度を考える(2) ~民主編~   

民主党案 法律案

民主党案 要綱

年金制度を考えるシリーズ第二弾!今日は民主案です。

年金制度 骨子

●平成20年度末までに年金制度改革を行う
●公的年金制度は、すべての国民(20歳以上および20歳未満でも所得のある人)が加入する単一の制度とする

→「すべての国民」の中に議員は入るのかどうか。

●「所得等比例年金」及び「最低保障年金」の給付を受ける制度を基本とする
●保険料率は、年金制度改革の実施前の厚生年金保険の保険料率を基本として定め、将来にわたってできる限り改定しない

→「できる限り改定しない」というのはなんとも不確定な文言で、改定しないなら「しない」と書くべき。改定する必要が出てきたら法改正で臨めば良いのでは?法改正の審議のときに改定する必要がでてきた理由が分かるので、我々国民にとっても監視しやすい。条文に「できるだけ」と書くと、今後改定する必要が出てきたときに、役所内の運用の扱いで改定することができてしまう。つまり、我々に見えないところで「改定の必要がある」と結論付けられてしまう。

●被用者である被保険者に係る保険料は、当該被用者を使用する事業主がその一部を負担する

→現在の厚生年金と同じ仕組みだ。この場合、現在の国民年金の対象者は、新制度では被保険者の保険料納付のみで、あとは税金でまかなわれることになる。ここに不公平が出てこないだろうか?

→現在の厚生年金は被保険者と雇い主がダブルでまかなっているから、この方式でそのままいくと、被保険者分+雇い主分がその人が納付した保険料。一方、現在の国民年金の対象者は、被保険者の保険料率が現在の厚生年金の率を使うが、雇用主による一部負担がないから、実際に財布から出て行く保険料は、会社勤めの人よりも多くなる。

→あるいは、実際に会社員が払う保険料の率のみを用いて、現在の国民年金対象者の保険料を決定するなら、財布から出て行く金額は同じだが、雇い主負担分が無いので、その人が納付した総額が、会社員よりも少なくなり、将来の支給額に響いてくる。

→もしそうだとして、現在の国民年金対象者の支給額が一定額に達しない場合、全額国庫負担の最低保証年金の給付を受けることになるが、最低保証年金は消費税なので、会社員は普通に生活する中で、現在の国民年金対象者の財源もまかなうことになる。

→「そもそも会社員は事業主に一部を負担してもらっているからいいじゃないか!」という旧国民年金組から反論があがるかもしれないが、そうだとすると事業主は正社員を採用すればするほど不利な立場になり、採用を減らしていくかもしれない・・。

→いずれにせよ、民主案には具体的な数字が載っていないので、こうなればこうなる、といった概念論で話を進めなくてはならない。非常に難しい・・。

●配偶者(専業主婦を想定)は被保険者(夫を想定)の保険料の半額を納めたものとみなす
●各年度における所得等比例年金の支給に要する費用の総額は、原則として当該年度において納付された保険料の総額をもって賄うものとする

●最低保障年金は、所得等比例年金の支給額が高齢者等の安定した生活に必要な額に満たない受給権者に対して支給する

→安定した生活に必要な額とは一体いくらか?見通しやモデル的な数字すらないのか?

●最低保障年金の支給額は、高齢者等がその生活の基礎的な部分に要する費用を賄うことができる額を限度とし、所得等比例年金の支給額等に応じて減額するものとすること。
●最低保障年金の限度額は、高齢者等に係る医療保険制度及び介護保険制度における保険料の負担等を勘案して定めるものとすること。

→最低保証年金の限度額は一体いくらか?見通しやモデル的な数字すらないのか?

●国庫は、原則として最低保障年金の支給に要する費用の全額を負担するものとする
●最低保証年金の財源は、年金目的消費税の税収をもって、その財源とする

→具体的な数字が明らかになっていない段階で、年金目的消費税の税率がいったいいくらになるのか試算などできない。消費税はいったいいくらUPするのか。

●年金積立金その他の公的年金制度における積立金の運用は、安全かつ確実に行わなければならない

→この一文で「安全・確実」が担保されるとは思えない。


年金制度改革の実施までの間における措置等

●年金制度改革の実施までの間は、公的年金制度における保険料及び掛金は、引き上げない

→制度改革実施まで(平成20年まで)は引き上げないとしているが、種々の検討の結果引き上げてその後変えない、という流れだ。政府案が段階的に上げていく、という目に見えた負担増を表に出しているのに対して、民主案は「当面は上げませんよ」と言っているだけで、その後は全く不透明だ。具体的な数字が無いのはかなり不安だ。

●国は、歳出の抜本的な見直しを通じて、基礎年金の支給に要する費用に係る国庫負担の割合を段階的に引き上げ、平成二十年度末までにその割合を二分の一とする

→国の負担割合を1/2に引き上げることで、現在の保険料率では持たないことは確かだ。段階的に引き上げる際に、消費税をもって上げるなら、消費税は段階的に高くなっていくということだ。平成20年までの消費税引き上げプランを出してもらわないと困る。

●公的年金制度における被保険者、受給権者等の福祉を増進するための事業は、速やかに廃止するものとすること。
●公的年金制度の被保険者に課税の際にも利用できる番号を付与し、被保険者の所得等の把握等に利用する制度を導入する

→番号制度が具体的に所得の把握につながるのなら、大いに導入すべきだ。ただ、番号制度による管理で社会保険庁が納付状況を把握できるなら、年金を一本化せずとも、現在の制度でも大いに効果があるのではないか。

→国民年金から厚生年金へ入り、一時国民年金に戻ってさらに厚生年金へ・・・、のような、終身雇用から職業選択へと働くスタイルが変わる中、番号を一つ持っていれば、手続を怠っていたらすぐに把握できる方法を作れるはず。

→現在の基礎年金番号とは具体的にどのように違うのか。
基礎年金番号制度は平成9年から実施されているが、年金のみの番号だから効果は無いのか。民主案では課税に使える番号ということだが、納税者番号制度を創設し、それと統合する、ということか。


→未納があまりにも多い、空洞化した国民年金を、今のまま他の年金に一本化して、給付の費用をなんとか確保しよう(カネのある年金財源から流用して乗り切ろう)という愚策だけはさけてほしい。まずは番号制を現在の仕組みに導入して、国民年金を立ち直らせてからでも統合は遅くないと思うが・・。


●公的年金制度における保険料及び国税の効率的な徴収を行うため、社会保険庁と国税庁を統合するとともに、公的年金制度における保険料と国税を併せて徴収する制度を導入する
●公的年金の支給の財源に充てる目的税として年金目的消費税を創設する
●相続税及び贈与税の在り方並びに公的年金に係る税制の在り方について検討を行い、必要な税制の改革を行う
●公的年金制度の被保険者が、その保険料の納付の実績、所得等比例年金の受給額の見通し等を確認することができる仕組みを導入する
●公的年金制度の将来にわたる保険料収入の見通し、所得等比例年金の支給に要する費用の総額の見通し、年金の財政収支の現況及び見通し等を定期的に公表する


 政府案には数字が明記してある、とのことなので、対案というなら、数字を載せるべきだ。これでは将来の暮らしがどのようになるのか、具体的に把握することができない。
 
 将来的にサイフからいくら出て行って、老後にいくら入ってくるのか。教えて!民主党サン!
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by cogno_eb2 | 2004-05-17 11:37 | 年金問題考

【注目】議員年金にメスを入れられるか   

議員年金、廃止含め改革 信頼回復へ公明

 かつて当ブログにおいて国庫負担7割、わずか10年の加入条件、最低でも年額400万円強の議員年金にてをつけるべきだと主張した。

 国民がもらえる年金の条件と比べればまさに破格の待遇。

 議員年金は退職金の扱いだ!という反論もあるそうだが、これに手をつけないでは年金の話は素直に耳を傾けられない。

 私的には国民年金を未納だったことよりも、自分たちは議員年金という制度で破格の待遇を受け、守られながら、国民の生活に直結する部分を論議されてはたまらないという気持ちのほうが強い。

 税金が免除になっている人が税制を論議するようなものだからだ。

 未納が発覚したのは全党だったから、信頼回復のために、全党がこの問題を前向きに取り扱って欲しい。

 
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by cogno_eb2 | 2004-05-14 16:45 | 年金問題考

年金制度を考える(1)   

 年金制度に目をむけよう!ということだが、いきなり政府案の法案を読んでみても理解するのは容易ではないので、各党や業界などが提案している内容を、まずは見ていくことにしよう。

 シリーズ最初は、先の衆院で審議拒否をしなかった共産党から。

共産党の主張 ~衆院本会議~

・保険料引き上げに反対
・給付水準を下げることに反対
「最低保障年金制度」の提案

最低保障年金制度の概略

国民年金に関して
●最低保障額を当面月額5万円とし、全額国庫負担。年金総額は最低保証(5万円)に、保険料を支払った額に応じて上乗せする額。

●必要額は2・7兆円(政府案が示す1/2の国庫負担分)+約5兆円(最低保証5万円の場合)

●財源は、2.7兆円については、道路特定財源の一般財源化をはじめとする公共事業費など、歳出の見直しで確保する

●約5兆円については、公共事業費や軍事費など歳出のいっそうの見直しと、法人税率や所得税の最高税率を見直すことで確保する

●最低保証を100%国庫から、上乗せ分を保険料の運用と税率アップから

厚生年金に関して
●厚生年金についても、一定額までは同様の底上げをおこなう


 年金の空洞化が叫ばれて久しいが、共産党の対案では空洞化を解消するための方策が示されておらず、財源を公共事業費の削減と道路特定財源、法人税増税としている点で、難がある。

 公的年金の財源を、スリム化できるかどうかも不透明な財源を当てこんでいることに疑問を感じる。共産党はことあるごとに道路特定財源や公共事業の削減を叫ぶが、その効果が単年度でどのくらいあるのか実態の数字は不透明だ。まさに言うはやすく、行うは難し。

 さらに、この案では保険料の運用によって年金として支給される額は、支給総額の何割になるのか。つまり、年金支給のために保険料を徴収しているのに、支給総額のなかで徴収した保険料でまかなわれる金額が半額以下(共産党案では上乗せ分は3万3千円と試算している)となるなら、税方式に近い制度となり、保険料の位置付けが低下する恐れがある。財源が安定すれば最低額を5万からさらに引き上げるとしているが、ますます、国庫の割合を増大させる計画だ。

 共産党は大企業を標的として法人税を引き上げることを常々標榜するが、この案だと国民年金に対しても法人税が使われることになり、企業側は厚生年金も支払い、さらには間接的に国民年金をも支える構造となる。

 最低保証5万円と、保険料の納付状況に応じて最大8万3千円となるという提案が、保険料納付のインセンティブになるという狙いだろうが、国庫負担の割合を、政府提案の2/1以上に引き上げるというもので、財源確保が安直な発想であるため、実現性は低いと言わざるを得ない。
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by cogno_eb2 | 2004-05-14 13:26 | 年金問題考

年金制度に目を向けよ! これから制度はどうなる?   

 公明党の神埼代表以下、12名の未納が明らかになった。

 正直、「そうではないかなぁ」と当初から思っていた。それは、閣僚の未納が明らかになり始めたころ、「○○大臣に就任していた期間の○か月」といった報道がされていたからだ。普通に考えて、制度・手続に問題がありそうだ、という結論がその時点で出ると思う。私もそのときにそのように記事を書いた。

 報道は、ジャーナリズムよりもセンセーショナリズムへと傾斜しているので、誰が何ヶ月未納だったかをクローズアップし、特に中川議員の21年間という衝撃的なネタが転がり込んできたために、いっせいに「未納していた」という側面だけ強調されることになった。
 
 菅氏がこれに便乗し、閣僚の辞任を要求し、街頭では未納三兄弟と騒ぎ立てたおかげで、世論は「未納=責任問題」という図式をつくってしまった。福田官房長官の辞任の記事でも書いたが、未納という事実が辞任という問題にまで発展するほどのことだろうかと感じる。福田氏が自身の未納の事実を隠して偽った答弁をしていた、とか、菅氏が「未納=辞任」と自ら位置付けた図式に則って代表を辞したというのが今回の騒動である。

 結局、制度上の問題もあって、国会議員や閣僚は、ちゃんと払っていた人のほうが少ないくらいだ、ということがはっきりしただけのことだ。

 もう一度冷静になって年金制度それ自体を考えてみる必要がある。現在の年金制度では、義務化したとはいえ、満額の需給資格を得るためには20年を超える納付を必要とする。納付期間が短ければそれ相応の年金額になるだろうし、未納期間があれば需給資格を得ることができない。

 もし仮に、未納であっても年金が出る、ということであれば、ちゃんと払っている人の納付金から払っていない人の年金が支給されることになるので、これは払い損だ。しかし、現行制度でもそんなバカな制度にはなっていない。払っていない人はもらえないのだ。

 ということは、義務化したことのアナウンスや、きっちり徴収する体制をどのように整えるのか、という問題が解決されなくてはならない。タレントをつかったTVコマーシャルに何億と使うなら、そのカネで実効力のある対策がとれなかったのか、問われてしかるべきだ。

 保険料はプールされて運用される。運用益は年金支給額として再びプールされる。保険料をプールしただけで、その年の年金支給額をまかなっていただけでは、少子高齢化に対応できない。納付者が100人中70人いて、30人分の年金を支払うケースと、納付者が10人いて90人分の年金を支払うのとでは、後者の保険料がバカ高になってしまうからだ。だから年金は単年度の収支決算という形ではなく、これから10年後・20年後を見据えたプランとなってくる。

 では、プールされている保険料が、どのように運用されてきたかというと、日本の景気の低迷の影響をうけ、苦しい運用が続いてきたようだ。さらには積立金の取り崩しもはじまっている。

 そして、実は全額が運用に回っていたわけではなく、グリーンピアなど大規模ハコモノの建設費や、社会保険庁の事務費などに使われていたのである。事務費とは聞こえがいいが、長官の交際費&香典代とはなんたることか。

 大規模ハコモノや役人の事務費に保険料を使えるという制度ってどうよ!明らかにおかしいよね。制度改革というのであれば、そういう実態を公表して、それを改革することを前面に出すべきだ。ちなみにそのあたりの“改善”は、2005年度の予算編成で行うらしい。これは制度の改革ではなくて、制度運用の改善でしかない。

 今回の制度改革は、細部をもっとつめる必要がある。すでに参院へ送付されている。未納議員の問題に目を奪われている場合ではない。議員は議員年金があるから、勘違いやなんかでみんな払ってない、と位置付けてこの問題はもういいよ。

 そんなことより、私たち市民が「これっておかしいよね」と感じる部分がどのように改革されるのか、注視する必要がある。
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by cogno_eb2 | 2004-05-13 11:36 | 年金問題考

議員年金にメス!   

<議員年金>小泉首相が全面廃止を表明 参院選前に改革姿勢

 議員年金に改革のメスが入るようだ。ようやく、というか、やっと、というか。

 すでに報道されているように、我々の年金が負担増&支給額減で本当に老後は大丈夫なのか?という不安がよぎる中、議員はまさに特別待遇の特権階級になっている。

 支給額の差などは各記事に詳しい↓

国会議員の年金/改革は「隗より始めよ」

 記事にもあるとおり、税金で7割の財源をまかなって、短期間の掛け金で一般市民よりも2倍以上の給付を受け取っている。このような人たちに私たちの生活が決められてしまうのか。

議員年金に改革の機運…各党、参院選に向けアピール (読売新聞)

 この記事には選挙前のアピール合戦という視点が含まれているが、選挙前だからどうだから、ということおいといて、どんな状況でも改革案が出てくるのは望ましいことだ。この記事には元保守党党首野田議員のコメントが載っていた。

 「在職期間が長い議員は払い込んだ金額より、もらえる金額の方がずっと少ない。世論に迎合して安易に廃止を訴えている」(野田毅・元自治相)

 世論に迎合していると感じている議員には議会から退場してもらいましょう。国民に痛みを伴う改革は、それ以前に議員の「オイシイ」部分を削れ、というあたりまえの論理が「迎合」とは。

 九州比例・熊本の議員だそうだが、次の選挙まで、九州の有権者はこの言葉を覚えておくべきだ。
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by cogno_eb2 | 2004-04-07 10:23 | 年金問題考