カテゴリ:マニフェスト( 41 )   

選挙制度改革論で置き去りにされている視点   

政府・民主党は一体改革の中で「隗より始めよ」ということで、衆議院定数の削減と選挙制度改革について言及している。

まずは素人でもわかりやすい量的な削減ということで定数減に言及し、さらには小選挙区比例代表制の制度改革について検討を加えるとしている。

議論の方向は、比例代表を並立制のまま数をいじるか、連用制という別の制度にするかという話になっている。

ああ、小選挙区制は変えないのね。

小選挙区制度は二大政党制を目指して導入されたもので、二大政党制の目指すところとして、政権交代を可能にすることで、安定した政府を実現させながらも失政には「下野」というペナルティを加えようとするものだ。つまり、集合離散の繰り返しで不安定な政治の回避、そして、集合離散による失政の責任回避を認めないという理想像がベースにある。

その理想像はよい。

しかし、集合離散の末に誕生し、政権交代という果実のみで一致団結した民主党が実際に政権をとってどうだったか。

結論から先に言うと、この政治的に幼い日本で、二大政党制の理想を追い求めることは、やや早すぎたのではないか、つまり、小選挙区制度そのものも見直しの議論に上がっていいのではないかということだ。

民主党には「隠れ小沢党」もいれば「隠れ社会主義党」もいるし、「隠れ労組党」やら「旧自民党」だっている。これは派閥政治で一党独裁していた自民党の構造とあまり変わりない。

国民は、派閥政治の一党独裁に懲りて政権交代を容認したのではなかったか。一回やらせてみるかと。

しかし、構造的に自民党の派閥政治と同様の難点を抱える上に、自民党と異なり派閥のトップにのし上がれば大臣のイス、失言一言でイスから転げ落ちればほぼ再起はない、といった、リスクを見据えたリミッターが働いていた時代と異なり、今の民主党は言い訳としか聞こえない「批判に対する認識の違い」やら前言撤回なしの「言い換え」や「新解釈」で、リスク回避できると踏んでいる体質がある。

また、イスに座れる大物が限られているから、失敗しても次があるという緩い空気が、結局のところ権力の座の居座り状態となって国民の批判も届かない状況を作っている。

だから、二大政党制なんて幻想だったことを知るべきだ。まだまだそのレベルにないと。

そもそも、一回やらせてみるか、という判断のもとになったのは、おいしそうな料理がならんだメニュー表であるマニフェストだった。

これを本当にやってくれるのなら「一回やらせてみるか」となったのだ。まさか、これだけ大々的に「やります」と言っておいて「やらない」ということはないだろうと。

選挙前から寄り合い所帯であったことはみんなわかっていた。隠れ社会主義政党や隠れ労組党を抱えて本当にやっていけるのか、危惧をしていた有権者は少なくなかっただろう。でも、自民党と構造的には変わらないのなら、これまでの政治に不満のある自民党より、マニフェストを実行すると言っている連中に、ある意味賭けたのだ。

しかし、有権者の賭けは失敗した。先物相場で大損してしまったのだ。

政党が公に約束したことがホゴにされ、撤回ではなく最善の選択とやらなんやら言って謝罪すらないし、約束していないことに「全身全霊」だ。

比較第一党と第二党がどちらも権力というぶら下がったニンジンをとるための野合集団であるなら、二大政党制なんて夢を見ず、現実を見るべきだ。

改革すべき案件ごとに、その改革にむけて確かな方策を持っている者どおしが集まってシステムを構築する。それでいいじゃないか。

風が吹いただけで一年生議員がたくさん誕生し、その政治的素人が裏のドンの数合わせの駒になっているようなアホらしい状況を変えるためにも、小選挙区制度の理念の検証をすべきだ。

国民は、重税に絶えながら政治的素人が成長するのを待つ、なんてことを望んだわけではない。政治の場には即戦力のスペシャリストこそが進出してもらわなければ困るのだ。
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by cogno_eb2 | 2012-02-10 00:13 | マニフェスト

新子ども手当は月5917円?   

新子ども手当の概要からすると、3歳未満の子には差し引き月5917円、3歳以上の子には差し引き月917円、ありがたくもお上からいただけるそうな。

この差し引きの計算方法はこうだ。

一人あたり年38万円の所得税の控除が廃止されたので、これに所得税率をかけた分が増税。
同様に、年33万円の住民税の控除が廃止されたので、税率10%をかけた分が増税。

仮に所得税率が20%の世帯では、38万円×20%=76000円の増税で月6333円。
住民税は33000円の増税で2750円。

3歳未満にもらえる子ども手当は月15000円だから、15000-6333-2750=5917円ということ。
3歳以上の場合は月10000円だから、10000-6333-2750=917円。

これに「扶養控除廃止で負担増になる世帯があるから」ということで月1000円か2000円が上積みされるそうな。

上積みされたとしても、児童手当制度の時代のほうがまだ手厚かったっすね。

もはや覚えていませんが、マニフェストでは「政権を取らせて下さい。取ったあかつきには新しく子ども手当制度を作って今よりたくさん給付します」ってことだったと思うんですよ。それが、3歳以上917円ってなんなんすか。

これだけ削って、給付対象者広げて、広く薄すぎるほど薄く給付することに変わった。

控除もろとも元に戻せば?制度改悪にもほどがある。
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by cogno_eb2 | 2011-12-15 21:12 | マニフェスト

迷走!子ども手当   

 民主党は手取り1000万の世帯で所得制限を設ける、と言ってるそうだが、それって年収に換算すると、ちょっと前に報道されていた1800万のことだろうか?年収から様々引かれて手元に残るのが手取りだから、たぶんそのくらいなんだろう。

 年収1800万というとかなり高所得世帯になるから、聞こえのいい1000万という数字にしたのだとしたら姑息だ。

 手取り1000万の世帯で所得制限というから、それを超えたらゼロになるのかと思ったら9000円にするんだって。

 バカじゃないの?なぜ9000円?所得制限に引っかからない世帯は13000から10000円に下げるということらしいから、所得制限の有無で違うのはわずかに1000円。制度設計の意図がまるで見えない。

 「財源の予測が甘かった」と謝罪するなら、当然のことながら「甘い見込みの誤った政策」は全面的に撤廃するのがスジ。当然、所得税と住民税の扶養控除を復活させたうえで児童手当制度に戻すことが謝罪後のアクションであろう。

 財源不足により制度として成立していない偽のカタログ(=マニフェスト)は政権奪取のための、国民に向けた単なる「甘いささやき」でしかなかったわけだから、謝罪するなら元に戻す。あれがマニフェスト詐欺だったのなら(最初から無理だと分かっていたのなら)潔く下野するのがスジ。

 ただ、民主党政権になって唯一の成果といえるのが「スジ論を崩壊させた」ことだから、結局スジを通すことなくズルズルいくことは目に見えているがね・・・。
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by cogno_eb2 | 2011-07-27 21:11 | マニフェスト

manifesto = 夢物語   

元三重県知事の北川氏には申し訳ないが、日本では、「manifesto」とは「夢物語」と訳すのが適切かと思えるくらい、マニフェスト政治なんて、はっきり言って機能しなかった。

財源の保証も無いのに広げられたばらまきの大風呂敷に騙された国民は、ウソだったと気がついても、再政権交代をさせるためには4年間待たなければならない。その間にどんどんこの国がおかしくなっていくのに、なすすべもなく見ているだけ。

約束を果たせなかったら権力の座から潔く降りる、という政治家の資質が伴っていなければ、マニフェストは成立しないことを、国民は高い代償を伴って学びつつある。

約束のペーパーよりも、政治家の資質こそが重要なのだ。政治家の資質が伴っていれば、言ってしまったから拘束されるというマニフェストなど、逆に無いほうが柔軟なのではないか。

日本は、マニフェスト政治の到来には早すぎた。政治家の資質を見抜ける国民の賢い眼こそが求められた。どだい、次の4年間で何をどうするかに関して、すべてのプランを持ち合わせられるほど、国政はたやすくなかろう。主要な争点について公約し、それ以外のことについては民意を反映させられるシステムを構築することの方が合理的だ。

民意を反映させられるシステムを持っている政党こそが政権につくべきであるし、国民からNOを突きつけられたなら「全うすることが責任」なんて言わずに明確に責任を取る人間の集団が権力を任されるべきなのだ。
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by cogno_eb2 | 2011-05-07 06:36 | マニフェスト

ついに子ども手当が廃止   

民主党のバカどもが、ついに子ども手当を廃止すると言い出した。統一地方選のヤマを越してこの動きですか。姑息ですな。

復興財源が不足するから廃止だそうだ。

つなぎ法案で2011年10月までは支給するが、その後は児童手当の復活とのこと。

しかし、所得税の扶養控除が廃止され、来年1月から住民税の扶養控除も廃止される。

子ども一人あたり年間38万円×税率の分だけ増税になっていることを忘れてはいけない。

子ども手当の財源にあてるから増税したはずだ。子ども手当が廃止なら、控除復活が道理。

しかし、そのことにいち早く言及した自民党は手当廃止と控除復活を公約として明言しているが、これまで民主党はお得意の分離論で、控除については触れていない。

今日、ようやく原口元総務相が廃止&控除復活に言及したが、民主党の公式見解ではない。

子どもを持つ親たちは、児童手当の復活の裏側で、きっちりと控除復活がなされるのか注視すべきだ。

こんなことを繰り返していては、この国は早晩ダメになる。

マニフェストは破綻した。政権交代の根拠は崩れ去った。

「お前はもう死んでいる」だ。
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by cogno_eb2 | 2011-04-13 23:01 | マニフェスト

子ども手当てと扶養控除廃止の影響(1)   

 ここのところウチのブログに、扶養控除廃止というキーワードで一日数百人の方がおみえですので、最新の情報を整理して掲示しておきたい。

●来年から所得税の扶養控除が廃止となり、増税

平成22年度税制改正大綱 pp15-16によれば、来年から所得税の0歳から15 歳までの子どもを控除対象とする扶養控除が廃止(課税は暦年なので、1月以降の所得税から)。これにより、子ども一人あたり38万円を世帯主の所得から控除していた分が廃止となるので、38万円×所得税率の分だけ増税となる。

<例> 子ども二人を扶養している世帯主が年20%の所得税の場合
38万×0.2×2人=152,000円(年間)の増税
この場合、来年の1月分以降の子ども手当受給額を全額子どものために消費した場合、年間で152,000円のマイナスとなり、家計の可処分所得がそれだけ縮小することになる。

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平成22 年度税制改正大綱 
 所得再分配機能の回復や「所得控除から手当へ」との考え方の下で、支え合う社会づくりの第一歩として、子どもの養育を社会全体で支援するとの観点から、22 年度において、子ども手当の創設とあいまって、0歳から15 歳までの子どもを控除対象とする扶養控除を廃止することとします(平成23 年分からの適用となります)
 23 歳から69 歳までの成年を控除対象とする扶養控除についても、このような観点に加
え、就労している人と就労していない人との公平の観点からも検討を行ってきましたが、さらに議論を深めて幅広い国民的な合意を得ながら、今後、その見直しに取り組むこととします。

教育費等の支出がかさむ世代の税負担の軽減を図るために創設された16 歳から22 歳までの特定扶養親族を控除対象とする特定扶養控除については、22 年度において、高校の実質無償化に伴い、16 歳から18 歳までの特定扶養親族に対する控除の上乗せ部分(25 万円)を廃止することとします(平成23 年分からの適用となります)。これらの見直しに伴い、現行よりも負担増となる家計については適切な対応を検討します。

個人住民税についても平成22 年度税制改正において同様の措置を講じます(平成24年度分からの適用となります)

 続きはこちら>> 子ども手当てと扶養控除廃止の影響(2)
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by cogno_eb2 | 2010-12-03 22:27 | マニフェスト

子ども手当てと扶養控除廃止の影響(2)   

●所得税増税の影響を防ぐには

 これを防ぐためには、二人とも3歳以上の場合、
 13,000×2人×12ヶ月=312,000円 から152,000円を差し引いた16万円(月額約13,000円)のみ、子どものために使うこととなる。子ども一人あたり月額約6,600円だ。これでトントン。

●前政権の児童手当制度との比較

 社会全体が子どもを育てるなど言いながら、前政権の児童手当5000円は所得制限付き扶養控除ありの制度なので、制限内ならば手当5,000円+6,333円=11,333円のおよそ半分に減ったことになる。当然、前政権の児童手当制度に該当しない世帯で、現政権の子ども手当の恩恵を受けない世帯であれば単純に増税となるわけだ。


 続きはこちら>> 子ども手当てと扶養控除廃止の影響(3)
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by cogno_eb2 | 2010-12-03 22:25 | マニフェスト

子ども手当てと扶養控除廃止の影響(3)   

●再来年からは個人住民税でも扶養控除が廃止

 平成22年度税制改正大綱によれば、平成24年1月から、個人住民税でも扶養控除を廃止すると明言している。

 個人住民税の扶養控除は、一人あたり33万円。税率は10%だから、一人あたり33,000円の増税。
 先ほどのケースの試算では、

 33万×0.1×2人=66,000円(年間)の増税(月額一人あたり2,750円の増税)

●24年1月から、子ども手当が子どもに使える額

 所得税の増税の結果は月額約6,600まで子どもに使えるという数字だったが、24年1月からはここからさらに2,750円を引いて、なんと、子どもひとりあたり3,850円に支出を抑えればトントン、ということになる。


続きはこちら>> 子ども手当てと扶養控除廃止の影響(4)
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by cogno_eb2 | 2010-12-03 22:24 | マニフェスト

子ども手当てと扶養控除廃止の影響(4)   

●3歳未満の7,000円アップの財源として、配偶者控除の廃止が検討されている

 3歳未満の7,000円アップが来年4月から実施される見通しだが、その財源として、配偶者控除の廃止が検討されている。

 現在の案では所得制限を課税所得1,000万円以上の世帯ということで、私のようなしがないサラリーマンにとってはほとんど影響を受けないが、もしもこれが、フェミニスト代表を地でいく小宮山洋子厚生労働副大臣などが騒いで、所得制限なしの一律適用になった場合、38万円×所得税率の分だけ増税だ。

 20%の世帯なら、子ども一人あたり年76,000円の増税となり、先ほどの試算のケースでは年152,000円、月額6,300円(一人あたり)のマイナスで、3,850円-6,300円=△2,450円。ついに赤字になる。


●今年度政府税調で、配偶者控除と成年扶養控除の扱いは?

今年度の政府税調の11/25の会合では、厚生労働省から「配偶者控除は将来的に全廃すべき」(副大臣の小宮山発言?)という意見が出されたそうで、政府税調は段階的縮小を今月発表の税制大綱に盛り込む見通しだ。

それに加え、フェミニスト小宮山副大臣は、「成人は独立して生計を立てるべきだ」という理想郷的べき論を展開し、23~69歳の成年扶養控除の廃止を進める考えを示した。
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by cogno_eb2 | 2010-12-03 22:23 | マニフェスト

子ども手当て満額を断念 世論調査では7割が容認   

今月支給が開始された子ども手当ては、どうやらマニフェストで約束した26000円の満額支給は断念するみたいだ。

約束しておいて、財源がありません、というのは、何?

それよりも驚いたのは、最新の世論調査で、それを容認すると答えた人が7割いたことだ。

え?容認?扶養控除の廃止とセットだって知ってるの?

扶養控除の廃止で月々いくらの所得税が増税になるのか知ってるの?

つまりは、子ども手当てをすべて子どものために使うとして、家計の可処分所得が確実にマイナスになるんだけど。

その影響をあまり受けないのは、子どもが小学生にあがっている以上の家庭だ。

小学生以上の家庭は、13000円から月々の増税分を引いた残りが純増になっても、公立であれば教育費は知れたもの。子どもの小遣いにあてて終わりだから関係ないのか。

しっかし、首相の首を挿げ替えて、支持率は上がるわ、公約違反も容認されるわで、この国の有権者はいったいどうなっているんだろう。

1950年代の大衆社会論と似たような日本社会になっている。
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by cogno_eb2 | 2010-06-15 01:26 | マニフェスト