カテゴリ:マニフェスト( 41 )   

農家の票のため、マニフェスト見直し FTAの「締結」から「促進」へ表現後退   

民主党がまたまたブレ出した。

「農家にお金配ります」という公約の裏に、アメリカとの自由貿易協定締結による関税の引き下げが隠されており、それに気がついた農家の皆さんが猛反発したというお話。

鳩山代表の釈明会見では、マニフェストをわかりやすい表現に直す、ということだったらしいが、「締結する」から「促進する」へ表現を後退させ、なおも農村票を取り込もうとしている。

そもそも、「促進する」というのは、FTA締結をやるのか、やらないのか不明だ。一方で農家へお金を配る「戸別所得補償制度」をブチ挙げたからには、いまさら「締結が条件なので、締結しないとなるとお金あげません」とは言えないのだろう。
でも、そこはちゃんと言わなきゃ駄目なんじゃないかなぁ。だって関税の引き下げで苦しくなるからお金配るんでしょ?関税の引き下げをやらないなら補償しなくていいじゃない。

会見では、「FTAの交渉を進めていくべきだと強く感じている」って改めてしゃべってるから、表現が「促進」になったからといって、締結はするんじゃないのかな。表現を丸めて取り繕うなんて、民主党が目の敵にしている官僚の手法そのままなんですけど。
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by cogno_eb2 | 2009-08-06 22:35 | マニフェスト

民主党マニフェスト:高校無料化にもの申す   

民主党の現金給付はなぜ「一律」なのか。

高校の授業料無料化は、確か、生活保護の母子加算廃止を例にあげ、「学校に行きたくても行けない人がいる」から、そこに光をあてるんだと、友愛精神で語っていた記憶があります。

であるなら、そうした子どもたちを対象とした制度にすればいいのでは?なぜ一律12万(私立24万)の現金支給なのか。

民主党って社会民主主義政党でしたっけ?

親がしっかりしていない家庭に現金給付すると、飲み代やらパチンコに使ってしまうのでは?といった不安は、まあそれもありますが、それより、教育格差が広がると思いますが、どうでしょ?

現在、授業料は払えている家庭に現金をあげるとどうなるか。「これで塾に行かせられる!」といって塾代に回る。あるいは、もらったカネを貯めておいて、子どもが地元の国立ではなくて都会の私立大を望んだら願いを叶えてあげられる・・・。足りている家庭に配れば、教育環境のステップアップに回るのは必至でしょう。

授業料を払うのがギリギリの家庭はそのまま授業料へ、足りているところは塾やらなんやら、現状より上を志向する。格差を拡大するとはいいませんが、固定化させることにはつながると思いますね。

なぜ、一律なんでしょう・・・・。

所得制限を設ける、という発想ではなく、政治の手をさしのべるべき世帯に確実に行き渡る政策を考えるべきだと思います。

政権交代のため、共感を得る多くの票が必要だからなんでしょうが、それこそバラマキですよ。かつて定額給付金のときに、カネで票を買うのかなどと批判していた記憶がありますが、同じ事やってますな。
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by cogno_eb2 | 2009-08-05 23:10 | マニフェスト

民主党マニフェスト:高速道路無料化にもの申す   

民主党のマニフェストの目玉の一つ、高速道路の無料化についてです。

 まずは、マニフェストと名乗るからには必要だとされる3つの前提について。

【前提1】現状認識とそれに基づく必要施策の明確化
→つまり、必要かどうかについて。
今の土日1000円2年間は、緊急経済対策である。民主の終日無料化は、既存の制度と比較して、なぜ制度を変えなければならないか(土日から全日へ、1000円から無料へ)の根拠が示されていない。既存制度に効果がみられないなどの問題点があるなら、それを示すべき。

【前提2】個々の政策について、その目的と実施方法、期限、財源などの指標の明確化
無料化は調査をしながら段階的に実施とあるが、いつまでに調査を終えるのかは明文化されていない。工程表には2年間にあたる斜線が引かれているが、2年と考えて良いのか。

【前提3】数値目標
段階的に進め、最終的に全路線を無料とするのか、調査結果により有料(1000円ではなく元の料金)に戻る路線もあるのか書かれていない。

【結論】
これはマニフェストに値しない、旧来型の選挙公約である。


 「わーい!1,000円よりも無料のほうがいいや!」などと安直に民主党に投票するとでも思っているのだろうか。

 無料化をブチあげるのはいいが、料金収入による償還と、今後の建設について全く言及がないのはどういうことか。無料となれば償還に回すカネが確実に減るわけだから、それをどう考えているのか示すのは当たり前のことだと思うのだが。

 償還は、特定財源ではなくなった一般財源を充てるのか。旧道路特別会計の歳入は、実質的には道路関係に回っているのが現状らしいが、原理的に考えれば、一般財源を道路につぎ込むということは、自動車を使っていない人の税負担分を、使っていない道路のために投入することになる。受益者負担の原則から外れている。

 また、今後の道路建設はどうするのか。その見通しを示すべきではないのか。

全国高速道路建設協議会HPによれば、高速道路(高速自動車国道)の計画は総延長11,520kmで、現在66%が建設済み(共用中)ということだ。

高速道路は、首相が会長を務める「国土開発幹線自動車道建設審議会」が、計画路線のうち、向こう何年間にこことココを建設するといったように、そのつど決定するそうだ。

ということは、政権をとったら、まさに整備計画の意思決定権者になるわけだから、無料化を公約した以上、ソッコ-でこの審議会で説明するハメになるのでは?

だったら最初からその青写真を公約で示すべき。国民には知らせず、審議会では説明する気か?

この際ハッキリ言ったらどうだろうか。

道路はコンリンザイ建設しません!ってね。だから無料化ができるんだぞって。

そんなこと言うと地方票がとれないから、口が裂けても言わないんだろうなぁ。地方票をとるために農家にお金ばらまくしね・・。

でも、仮に建設中止をしても、維持管理費はどうするの?道路の舗装やトンネルの補修など、使い続けるにはコストがかかるでしょ。

マニフェストには、地域経済の活性化の観点から無料化すると書いてある。でもそれは、100年に一度の不況対策で時限を切って1000円化している政策が効果ないから、無料化を永続化するということなんだろうか。だとすれば、現在の政策に対する分析があってしかるべきなんだが、書いてないんですよねぇ。これが。

マニフェストの抜粋↓

30.高速道路を原則無料化して、地域経済の活性化を図る
【政策目的】
○流通コストの引き下げを通じて、生活コストを引き下げる。
○産地から消費地へ商品を運びやすいようにして、地域経済を活性化する。
○高速道路の出入り口を増設し、今ある社会資本を有効に使って、渋滞などの経済的損失を軽減する。
【具体策】
○割引率の順次拡大などの社会実験を実施し、その影響を確認しながら、高速道路を無料化していく。
【所要額】
1.3 兆円程度


おお、高速道路の出入り口を増設するって書いてありますね。建設工事そのものが無くなるわけではないのね。カネどうすんのかな?所要額の見込みなんて書いてあったって問題の解決にはならないんですけど。


自動車関連暫定税率の廃止にもの申す
年金改革にもの申す(1)
年金改革にもの申す(2)
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by cogno_eb2 | 2009-07-30 20:32 | マニフェスト

民主党マニフェスト:自動車関連暫定税率の廃止にもの申す   

民主党のマニフェストの自動車関連暫定税率の廃止についてです。

 まずは、マニフェストと名乗るからには必要だとされる3つの前提について。

【前提1】現状認識とそれに基づく必要施策の明確化
ガソリン高騰の際に話題になったように、暫定税率の根拠は失われていることは間違いない。マニフェストに記載の現状認識は是とされる。

【前提2】個々の政策について、その目的と実施方法、期限、財源などの指標の明確化
実施方法は、暫定税率廃止による減税ということで明確になっているが、具体的に何税がどのくらい下がるのかの記載があるほうがよい。
問題は実施時期。22年度に改正するとは明記されていない。
また、2.5兆円規模の減税になることは分かるが、現在、その2.5兆円で事業を実施しているものはどうするのか。減税による所要額ということだから、やはり2.5兆円は必要で、無駄削減により2.5兆円を確保し、事業は継続するということなのかハッキリしない。

【前提3】数値目標
2と重なるが、調べればわかることとはいえ、税率の引き下げ幅を明示すべき。

【結論】
いつ実施するのかを明文化していない(図で示すに留まっている)こと、裏にある事業について継続なのか中止なのか記載されていないこと、を勘案すると、マニフェストとしては要件を満たしていない。

自動車関連の暫定税率の廃止は、理にかなっている。廃止すべきだと私も考える。

ただし、自動車関連税が担っていた道路整備などの予算が減額になるわけで、4年間で2.5兆円の減ということだから、その分、道路整備などの事業は縮小すると考えて良いのか、はたまた、どこかから2.5兆円もってきて、その事業は続けるつもりなのかハッキリしない。

減税するって言ってるのに所要額(つまり必要なカネ)として計上しているということは、事業は継続ということだよね?そのへんもう少しきちっと書いてくれないかなぁ。マニフェストってのは国民との約束なんだから。

この項目で気になるのが「地球温暖化対策税の創設」というもの。

報道によれば、暫定税率の廃止を政権奪取後即時実施することには、岡田幹事長が難色を示していたそうだ。それは、揮発油税を中心として、暫定税率を含めた現在の税率を維持しながら、温暖化対策に振り向けることが適当と考えていたフシがあるからだ。でも、「減税をいったんブチあげたら旗は降ろせない」といった説得にあって、「将来的に新税を創設」といった曖昧な表現でマニフェストに載ったようだ。

この「地球温暖化対策税」の税率は、現在の法定税率+暫定税率と考えて良いのか、はたまた、暫定税率を廃止したあとの税率と考えて良いのか。そして、普通税なのか目的税なのか。

私の考えでは、「廃止後の税率&目的税」だ。地球温暖化対策と銘打ちながら、使い道フリーの一般会計に入ってしまったのでは、霞ヶ関の庁舎に化けたりしかねない。目的税は当然だ。

でも、残念ながら制度設計のあたりはまったく触れられていない。

だったら書くなよ。

ということで、自動車関連2.5兆円減税というのも、どうも国民へのニンジンみたいで気に入らない。国民には考える力などないなんて思ってない?
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by cogno_eb2 | 2009-07-30 20:32 | マニフェスト

マニフェストの比較 公明党と民主党   

7/25に公明党が選挙公約を発表し、7/27に民主党がマニフェストを発表しましたね。現在、鋭意分析中です。自民党はまだのようですね。当ブログでは、与党である自民党、公明党、政権交代を謳う民主党の三党のマニフェストを考えていきたいと思います。(特定の党派に肩入れせず、公平な目線で行きたいと思います。私、無党派なんで。)

分析するにあたっての前提を記載しておきます。
【前提1】現状認識とそれに基づく必要施策の明確化
【前提2】個々の政策について、その目的と実施方法、期限、財源などの指標の明確化
【前提3】数値目標
を念頭に置くこととします。特に、政権交代を狙っている民主党については、現政権の政策を根本から覆す新規事業が多いため、それがスクラップ・アンド・ビルドであれば何から何への予算の付け替えなのか、完全新規なら財源をどうするのかに注目したいと思います。

まだ分析中なので、まずは第一印象を。

公明党の衆院選選挙公約というペーパーと、民主党のマニフェストを手に取ったときに、第一印象では、写真や図がたくさん載っている民主党のほうがわかりやすそうな印象を受けるのでポイントは高いと思います(鳩山代表の大写しに好き嫌いは出るでしょうが)。

ただ、内容面では、公明党の選挙公約は、さすが与党だな、という印象ですね。非常に細部にわたる項目まで守備範囲としているし、数字がちゃんと入っている。公明党はマニフェストが話題になった当初から、その進捗状況と課題などを公開し、宣言したことを検証してきた実績がある(HPに乗ってました)ので、公約の作り方もしっかりしている印象を受けます。

公明党は医療・福祉系の政策に力が入っている印象ですね。非常に細かくて専門的なので、正直わからないところも多いのでsが、この政策の対象となる人にとっては、「うんうん」とうなずける内容なのではないでしょうか。


一方の民主党ですが、読めば読むほど「デキの悪いマニフェストだなぁ」という印象を持ちますね。

やりたいことは書いてある。民主党が、何が大切だと考えているのかは、分かる。【前提1】はクリアね。
期限は工程表として載っている。しかし、所要額は書いてあるが、財源は書いてない。【前提2】はちょっと評価が辛いかな。
数値目標は書いてあるものと無いものがある。【前提3】もちょっと評価が辛いかな。

民主党は、各方面からつっこまれている「財源の明示」についてちょっと勘違いしていますね。何億円って数字が並んでますが、これは「実施にあたっての所要額」であって、財源の明示ではないんですね。

一例をあげると、ずっと追いかけてきた子ども手当のところに、<具体策>として子ども手当制度を創る、とある下に、「相対的に高所得者に有利な所得控除から、中・低所得者に有利な手当などへ切り替える。」と書いてあるんですよ。これは具体策の中に並列して書かれる施策ではなく、子ども手当制度の財源の根拠ですよね?

所得税における扶養控除制度のスクラップ、子ども手当の新設(ビルド)。これがこの制度の設計ですよね?だから、「財源は控除の廃止です」と書かないとダメでしょ。これについては、財源は無駄の根絶から生み出すわけではないでしょ。だからそれを書かずに「5.3兆円程度」必要だと記載しても意味がないでしょ?単に所要額が示されていても意味が無いんです。

もし仮に、無駄の削減をしても「これらの所要額がまかなえない場合は増税します」と書いてあれば、国民は色めきだって政策の取捨選択をするでしょうし、所要額が適正かどうか(冤罪防止のカメラ設置に90億円は適正なのかどうか・・・等々)考えるでしょう。

 でも消費税増税は論議をする事自体4年間凍結ということらしいし、現在の国の予算の水準内でやろうとしていると考えていいのかな?だから、スクラップ・アンド・ビルドが基本ですよね。でも、民主党のマニフェストはバラ色の新規事業があまりにも多すぎて、スクラップ・アンド・ビルドができるかどうかは「やってみないとわからない」状態。

すべて「無駄遣いの根絶で生み出す」というのなら、「無駄遣い根絶政権」を名乗り、徹底した税制改革と霞ヶ関の解体を目的とした政権とすればよい。それができなければ退陣すると。

バラ色の政策は、それができたときに初めて議論できるわけだから、今はプランとして示し、次の選挙で公約として掲げ、国民の信を問う。順序からすればフツーこうでしょ。

「政権取らせてください」っていって国民にニンジンをぶら下げたのは拙速でしたね。私は、純粋に「無駄遣い根絶政権」だったら支持しましたね・・・。

第一印象にしてはちょっと長すぎましたね。こんな駄文を書いてないで、分析に邁進します・・。

PS
鳩山代表が29日に「実は、この間(27日)出したのは政権政策集で、正式なマニフェストではない」と言ってるそうです。なんでも、正式なマニフェストは公示日からしか配ることはできない、と言ったそうですが、ちょっと公式選挙法の理解がなってないですねぇ。

マニフェストがあまりに評判が悪いからって、正式版ではないと修正するのはみっともないですね。ブレが激しくなってきました。
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by cogno_eb2 | 2009-07-30 20:31 | マニフェスト

開けてびっくりマニフェスト。子ども手当の半額(控除存続)は1年になったのか?   

子ども手当二転三転してます。フタを開けたら結局半額期間は1年間?

民主党のマニフェストが出ましたが、子ども手当についてもまたもや修正事項があったので、これまで子ども手当を追いかけてきた当ブログにおいても、最終的に整理しておきたいと思います。

マニフェストにある子ども手当の記述の抜粋です。

11.年額31万2000円の
  「子ども手当」を創設する
【政策目的】
○次代の社会を担う子ども1人ひとりの育ちを社会全体で応援する。
○子育ての経済的負担を軽減し、安心して出産し、子どもが育てられる社会をつくる。
【具体策】
○中学卒業までの子ども1人当たり年31 万2000 円( 月額2 万6000 円)の「子ども手当」を創設する(平成22 年度は半額)。
○相対的に高所得者に有利な所得控除から、中・低所得者に有利な手当などへ切り替える。
【所要額】
5.3 兆円程度


当初、税制改正の議論のため、控除存続が2年間となる代わりに半額支給になるとされていたのが、1年間に修正されています。控除の存続が1年なのかどうかは明記されていません。控除が存続するなら、財源はどうするのかを明示しなくてはなりませんが、見あたらないですね。

それから、【具体策】のところに手当などへ切り替えと書いてありますが、これって、具体策じゃなくて財源の話であり、手当創設の制度設計の話ですよね。作り手がかなりの素人とお見受けします。

当初、マニフェストに記載して説明する、と報道されていた所得税の扶養控除廃止による影響の説明は、マニフェスト本文には記載されていません。が、HPにあったので、これをまずはチェックしておきましょう。

子ども手当の創設と所得税(国税)の控除見直しによる影響

まず、一つめのマルにこう書いてあります。

○中学卒業までの子どものいるすべての世帯で、手取り収入が増える(約1100万世帯)。

これは、「中学卒業までの子どものいる期間内においては」という説明が正しく、その後の増税期間との相殺という考えがありません。あくまで「単年度で増える」ことが強調されすぎてますね。正確さを欠いていると思います。

二つめのマル↓
○単身世帯、子どものいない共働き世帯に影響は無い。

これは、そのとおり。

三つ目のマルは(長いので掲載省略)、やはり視点は単年度のようです。単年度で考えると、増税になる世帯は子どものいない世帯のみ、という計算結果が示されています。

四つ目のマルは、当ブログでは年金制度と共に考えることにしています。

五つ目のマルは、ここでようやく、住民税の控除は存続、ということが明文化されましたね。

二転三転している印象がぬぐえません。また、2000万円の世帯でも収入増、といった文章は見あたりませんね。そして、一番問題なのが収入の増減を単年度で見ているということです。

当ブログで再三指摘しているように、増税期間が長いと、定年退職で線引きした場合、トータルで赤字(増税)になるケースがある、ということです。

単に、制度がスタートしたその年に赤字になるのかどうか、という問題ではないんですよ。子どもが成長して手当が無くなったら増税がスタートします。そのとき、家計は確実に縮小するんです。手取りが減るんですよ。

高校無償化といっても年間12万と言われる公立校の授業料を現金で配る(私立は倍額だそうです)から大丈夫という人もいますが、計算シートで計算してみてください。赤字になる年だってあるんです。

よって、この制度の問題点を再度総括しておきます。

子ども手当制度の問題点

◆子ども手当は、財源を、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除の廃止としている。

◆子ども手当26000円を配っても、控除が廃止されると、所得税の増税により赤字になる家庭がある。

◆民主党もマスコミも、このからくりを説明したり、報道したりしてこなかった。よって、巷には、単に26000円もらえると信じ込んでいる人がいる。バラマキどころか詐欺的ですらある。

◆制度設計の発想はあくまで「単年度」の発想である。トータルライフで見た場合の増税は考慮されていない。

◆最新のマニフェストでは、最初の1年間を半額の13000円支給としたが、控除の廃止の実施時期が明記されていない。2年後だとすると、最初の1年間は単に配られるだけとなるが、財源についての説明がない。

◆子どもが中学卒業後、家計は確実に縮小する。高校無償化を実施しても、手取り収入が減る世帯もある。

◆したがって、子どもに配られたカネを、ある程度貯蓄に回しておかないと、あとあと生活が苦しくなる。


我が家は、計算上はプラスなんです。でも、制度自体に欠陥があること、重要情報を今の今まで伏せておきながら、「26000円もらえる」とだけアナウンスする詐欺的で大衆迎合的な姿勢に強い不信感を持っています。

だから、制度自体をしっかり考えるムーブメントを起こしたいと思っています。たくさんのご意見お待ちしています。

最新記事↓ 最新の計算エクセルVer4も
やっぱり住民税も扶養控除廃止でダブル増税か
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by cogno_eb2 | 2009-07-29 00:52 | マニフェスト

子ども手当半額支給より、扶養控除廃止の増税のほうがヤバイ   

2011年4月13日追記

ついに子ども手当が廃止へ。

 扶養控除が廃止されたまま児童手当がもとのまま復活すれば、家計は赤字(増税)となる。家計は確実に可処分所得が減少し、これまで支給された子ども手当を残らず使い切っていた家庭は大変なことになる(うちはこれを見越してすべて貯蓄してあるが)。

 増税額の計算方法はコチラを参照してください。

 この記事にあるとおり、子ども手当が存続する場合でも、消費可能額はわずか3000円ちょっとなのをご存知でしたか?

-----------
 この記事は、7/9時点の情報で記載されています。

 過去3回いろいろ試算したりしながら子ども手当の事を書いてきましたが、この問題の結論を出したので、ここでまとめておきます。

子ども手当制度の問題点

●子ども手当は、財源を、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除の廃止としている。

●子ども手当26000円を配っても、控除が廃止されると、所得税と住民税の増税により赤字になる家庭がある。

●民主党もマスコミも、このからくりを説明したり、報道したりしていない。よって、巷には、単に26000円もらえると信じ込んでいる人がいる。バラマキどころか詐欺的ですらある。

●「年収2000万の家庭でも恩恵がある」という説明は、単年度のプラスなのかどうなのか、根拠がはっきりしない。

●最新のマニフェストでは、最初の2年間を半額の13000円支給としたが、控除の廃止は先送りされたため、最初の2年間は単に配られるだけとなるが、財源についての説明がない。

 この制度では、所得税と住民税の増税は全世帯に及ぶので、子ども手当がもらえるから得、子どもがいない(あるいは16歳以上)から損、という単純な問題ではありません。

 まず、子ども手当をもらえても、2年後から増税になるので、2年後からは差し引きすると実質のプラスは12000円ほど。

 子ども手当がなくなると、その後はずっと増税。所得税も住民税も、子どもが16歳を超えて大学卒業までにあたる期間は、それまでの期間よりも控除が大きい仕組みになっています。それだけ親の負担が大きくなる時期であり、その子たちを扶養している親の負担を軽減する措置ともいえます。

 しかしながら、この制度では、その時期は確実に増税になります。

 そして、子ども手当がもらえない家庭では、自動的に増税です。ちょうど2年後に大学進学を控えている家庭においては直撃ですね。過去に手当をもらえていたのならまだしも、その恩恵もないのにいきなり控除の廃止でハシゴを外されるようなもの。

 そのような問題が指摘される制度であるため、各家庭の状況でシミュレーションをしてみないと不安です。そこで、60歳までの人生設計ということで試算をしてみました。控除の廃止は年金受給者にも直撃する問題ですが、年金制度は別に考えるとして、ここでは60歳までの試算です。

 条件としては、課税対象となる所得は、最も多くの人が当てはまるだろう、課税対象330万~695万とし、税率を計算しています。

 控除がある現行制度で控除されるはずの金額を控除廃止による増税としてカウントし、手当の金額との差し引きで計算します。

 その結果、損益分岐点は、今年33歳で、配偶者(特別控除の対象外)と子ども二人(4歳と2歳)という結果が出ました。この人の場合、21,000円のプラスです。

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 これよりも本人の年齢が上がればプラス、下がればマイナス。子どもの年齢が下がればプラス、上がればマイナスになります。一つの目安としてください。

 この結果、我が家は130万ほどのプラスになるのですが、だから賛成、というアホなことをいうつもりはありません。トータルでプラスになるといっても、支給された手当をその場その場で使い切っていたら、手当終了後の増税で家計が縮小するのは目に見えているわけですから、結局は幾分かを将来に向けて貯蓄に回さざるをえないでしょう。

 ということは、子ども手当という名前はついていて、子どものため、などと夢とロマンを語られても、実際に子どもに振り向けられる分はかなり少なくなるでしょうね。

 これは、損益分岐点に近い人ほど子どもには使えないことを示していて、大幅な恩恵を受ける一部の家庭にしか恩恵がないことを意味します。

 これから家庭を持とうとする若者にあっては、控除廃止による増税を回避するには夫婦共稼ぎが必須条件になってくるでしょうし、そのためには保育所に預けることが普通になってくるでしょう。しかし、保育所の費用だってばかにならないし、第一、待機児童が著しい地域では、政治がその解消に手を付けてくれないと無理でしょう。

 また、年老いた親の扶養は確実に増税を招くことになります。控除が廃止されているから。そうなるとこれからの高齢者は自力で生きろ、ということになりますが、年金がどんどん減っていく今後にあって、高齢者の自立した生活をどう保証するかが大きな問題となります。

 こうしたことから、26000円がずっともらえるか、就学前に限り36000円なのか、といった選択ではなくなってきます。実際26000円じゃなく差し引き12000円なんですけどね。

 というわけで、この政策は、年金、子育て、社会保障、医療といったトータルの社会政策の中で考えるべきで、これだけを特出ししたアナウンスや報道は、無責任きわまりないということが浮き彫りになります。

 みんなでよーく考えましょうね!

----------------------
<7/23追記>
 民主党が、「扶養控除の廃止は所得税のみであり、住民税の控除は存続」と言い出しました。2007年版マニフェストでは税目の指定は記載されていないのですが、評判が悪いから修正したのでしょうか。最初の2年間は半額に下方修正してますしね。

それから、子ども手当制度が導入されると児童手当が廃止になるので、それも反映させてあります。ただし、児童手当の所得制限は面倒なので省略しました。

ということで、ファイルを追加しておきます。今後も修正が入るかも知れませんね・・・。

<7/29追記>
民主党のマニフェストがでましたね。子ども手当については、いつのまにか半額期間(控除存続期間)が1年になってましたね。

マニフェストに基づく総括を新エントリにまとめました。計算シートも最新バージョンにしました。このエントリに掲載していたシートは情報が古いため外します。

計算シートはコチラ↓
開けてびっくりマニフェスト。子ども手当の半額(控除存続)は1年になったのか?

[古いため削除]
計算シート(エクセルファイル)
Ver.1(所得税・住民税とも扶養控除廃止)
Ver.2(所得税のみ扶養控除の廃止)



くちこみブログ集 by Good↑or Bad↓ 民主党のマニフェスト

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by cogno_eb2 | 2009-07-09 22:50 | マニフェスト

民主党の子ども手当にもの申す(3) 結局半額か   


<追記>子ども手当の扶養控除廃止について、論点を新しいエントリにとりまとめました。計算シートも配布してます。→開けてびっくりマニフェスト。子ども手当の半額(控除存続)は1年になったのか?


<民主党>子供手当を半額 政権公約の概要固める(毎日新聞)

 毎日新聞の報道によれば、民主党は子ども手当を最初の年度は半額にすることを決めたそうだ。
 記事では、税制改正を経て扶養控除の廃止を行い、2012年度から満額の26000円にするそうだ。
ということは、2010年と2011年は扶養控除は残る、ということか。であれば、半額の13000円は2カ年続くということだね。

 所得控除が残るということは、それを財源にできないから、扶養控除廃止までの期間の財源はどうするのかな?所得税法内でのスライドはできないから、どこかから剥がしてつける、としないと無理。財源は総額いくらでどこから調達するのか、この記事ではわからない。

 26000円と大々的に打ち出しておきながら、先送りせざるを得ないのは、明らかに設計ミスだ。今後も、「税制改正ができませんでした」といって26000円の約束が反故になったり、「財源が確保できませんでした」といって実施できない政策が出てきたりするおそれは多分にある。

 衆院選ではどうアピールするんだろう。昨日までの時点で、「子ども手当26000円配ります」というアピールが浸透して、「もらえるんだったら助かるね」と思っている人が結構いるようだ。でも、扶養控除が無くなることを合わせて知っている人は少ない。私の同僚も控除の廃止は知らず、「それって騙しじゃん」と言ってた。

 今度の半額13000円にします、というのも、衆院選でのアピール合戦で、「子ども手当26000円配ります。でも最初の2年は13000円です。扶養控除を廃止してから26000円にします」というアナウンスはしないだろうな。フレーズとして長すぎるし。

 結局「2012年には26000円にします」というショートフレーズでいくんだろうな。「最初は13000円ですが」というのも加わるかどうか怪しい。控除の廃止には触れることないでしょうね、おそらく。アピールの仕方を注意深く見守りましょう。「26000円詐欺」(前原風)(←しつこい)にならないようにね(笑)。

 最初の二年は所得控除もありとしながら、一人あたり13000円×12ヶ月=15万6000円を配るのだから、その分の財源が気になりますねぇ。

 お得意の「無駄を省く」ってやつかな。省けませんでしたってならないかな・・・。


くちこみブログ集 by Good↑or Bad↓ 民主党のマニフェスト

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by cogno_eb2 | 2009-07-04 00:47 | マニフェスト

民主党の子ども手当にもの申す(2) 損益分岐点編   

※この記事は6/29付産経新聞をもとにUPしています。最新の情報は子ども手当26000円より、扶養控除廃止の増税のほうがヤバイを御覧下さい。

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 次の衆院選で民主党が政権を取り、21年10月から子ども手当が導入された場合、うちの場合いつまで配られるのかな?

 今年度は9月まで前制度で控除ありと仮定して新制度3ヶ月分の控除無しとして17万1000円の増税。子ども手当は26000円×2人×3ヶ月で15万6000円配られるから、トータル15000円のマイナス。

 子ども二人分の満額の期間が13年あり、その次の年は上の子が8月までもらい、下の子は満額。その次の年1年間は一人分満額。終わりの1年間は一人分で6ヶ月。

 60歳まで働くとすると、54~60歳の7年間が正念場だ。このころの収入が上がっていて、税率も23%になっているとすれば、114万の控除が無くなっているので、年26万2200円の増税。

まとめるとこんな感じになる。

1年目はマイナス15000円
2年目~14年目は年間35万ほどプラス(13年間)
15年目は25万ほどプラス
16年目は5万ほどプラス
最終年は11万ほどマイナス
手当が無くなって定年するまで年26万のマイナス(7年間)

ということで、我が家は、子どもが16歳になるまでの期間が、扶養控除が廃止となって影響をこうむる期間を上回るので、トータルでプラスになるらしいことが分かった。

注)制度の全貌が分からないので、次の条件を設定した上での試算です
 
条件1)扶養控除の廃止分の計算を、妻+子2人で「38万×3=114万×所得税率」とする
条件2)所得税率を50代から23%とする
条件3)子ども手当を非課税収入とする
条件4)制度の導入をH21年10月とする
条件5)H21年の所得税は1~9月については控除ありとする
条件6)子ども手当は非課税所得とする
条件7)子どもの誕生月はいずれも6月とする

 いろいろ計算した結果、33歳の世帯主(配偶者は無職)で二人の子ども(6歳、4歳)の場合、トータル12万のプラスで、これが分岐点。

 世帯主が32歳で子どもの年齢変わらずとすると、23万ほどマイナスになり、これより若いほどマイナスは大きくなる。

 一方、世帯主の年齢が33歳で変わらずとして子どもの年齢が7歳、5歳だと、62万のマイナス。

 やはり、扶養控除が廃止になる影響は大きい。

  この計算方法が正しければ、60定年だとした場合の残り期間が少ない30代後半以上で新生児がいる場合が最も恩恵を受けるが、若くしてパパになって、定年までの残り期間が結構ある30代の家庭は大損をする。

 扶養控除の廃止を考慮に入れず「一人あたり26000円も、もらえるのはうれしいわ~」では大損をぶっこく家庭があることをお忘れ無く。

 民主党はそのへんをちゃんとアナウンスしなさい。

→住民税を反映させた最新の試算をUPしました。
子ども手当26000円より、扶養控除廃止の増税のほうがヤバイを御覧下さい。
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by cogno_eb2 | 2009-07-01 20:26 | マニフェスト

民主党の子ども手当にもの申す(1)   

※この記事は6/29付産経新聞をもとにUPしています。最新の情報は子ども手当26000円より、扶養控除廃止の増税のほうがヤバイを御覧下さい。

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【選挙・ウワサの真相】こども手当はイバラの道…らしい(産経新聞)

 民主党の「子ども手当」は16歳未満の子ども一人あたり月2万6000円配るというもの。子ども2人の標準世帯では、年62万4000円もらえるわけだ。

 これは「バラマキ」批判はされないんだね・・・。マスコミ対策万全ね(笑)

 注意しなければならないのは、この制度の前提は、現在の「配偶者控除」と「扶養控除」を廃止すること。

 「配偶者控除」で38万、子ども二人だと、扶養控除72万で、114万の控除が無くなる。つまり、所得税の課税対象額が上がるというわけだ。

 税引前の全収入から114万を引いて所得税をかけるわけだが、まず、これが無くなって、子どもがいれば手当2万6000円配られるわけ。

 課税対象額が330万~695万だと税率20%。無くなってしまう二つの控除分が114万だと、その20%は22万8000円。子ども手当は62万4000円配られると、差し引き42万6000円のプラス。子ども手当が非課税でなければ所得にカウントされるから、12万4800円が所得税。これを引くと27万1200円のプラスということか。

 子どもが二人で16歳になる前までの期間限定で年間約27万のプラスの世帯と、子どもがいないか皆16歳以上の家庭で年間約23万のマイナス(増税)となる世帯に明暗が分かれるわけね。

 対象となる子どもがいなくて、祖父・祖母を扶養家族としている家庭が一番悲惨なことになるってことね。

 民主党内でも、増税となる世帯からの不満の声を懸念しているらしい。でも、選挙対策では26000円もらえるというアナウンスと、政府の36000円もらえるやつと比較して「全員もらえます」と言ってもらえることを強調しているらしいが、扶養控除がなくなって増税になることはアナウンスしていないみたいね。

 「もらえる詐欺」(前原風)にならないよう、自分のケースをシミュレーションしてみる必要が大いにありそうだ。

 子ども手当は「もらえる」「もらえない」のみで評価すべき問題ではない。恩恵にあずかれない世帯は子どもがいるかいないかではなく、扶養控除の廃止の影響を何年間こうむるかということだ。扶養控除の廃止は想像以上にデカイと思われる。

 こども手当は、子育て終了世代と結婚してまだ子どもがいない世帯が子育て世代を支える。これまであった扶養控除(配偶者と子ども)が無くなるのは、その分を子育て世代に回すから。

 この制度を最大限活かすなら、まずは共稼ぎで配偶者を扶養に入れない。親(じーちゃん・ばーちゃん)も扶養しない。そして子どもは遅く生む。控除が廃止されたので、本来なら所得税から控除されていた期間が、子ども手当の終了後定年まで短ければ短いほどお得だ。

 ということで、まとめると
 1.高齢者は自力で生きる。
 2.夫婦共稼ぎ
 3.子どもはできるだけ遅く産む
 ってな感じの生き方になりそう。

 共稼ぎ推奨であるなら、保育園を増やさないといけないね・・・。高齢者が自力で生きるとなると、高齢者福祉の充実も必要。ん~、核家族化の固定に伴う福祉系サービスのコスト増が懸念されますなぁ。

 こんな生き方が定着すると、扶養控除を子ども手当に回すから財源は大丈夫という前提も崩れるような気がしないでもないが・・・。

 リンク先が消えるともったいないので、記事を抜粋しておきます。 

産経新聞
 ただし、それは子供のいる家庭の場合。子供のいない家庭や、子供が手当ての対象外の年齢になると、控除がなくなった分、収入は減る。調査会が懸念する「不満の声」は、減収になる家庭への視線だ。

 ただ、こうした懸念を覆い隠すほど、「現金給付」の魅力は強い。

 昨年10月、民主党「次の内閣」子ども・男女共同参画担当の神本美恵子は、北海道江別市のショッピングセンター前で子ども手当のチラシを振っていた。

 「民主党が政権を取れば月額1人2万6000円の子ども手当を支給します」。子供連れの母親の多くが足を止めた。

 「子供が3人いたら、3人分もらえるの」

 「そうですよ」

 「本当にそうなったら、助かるわ」

 神本は別の経験もした。

 今年3月、地元福岡で、4歳と2歳の子供を持つ母親から聞かれた。

 政府が導入した「子育て応援特別手当」についての質問だ。

 「うちは、もらえる?」

 神本は切り捨てた。「政府の施策は対象は3歳から5歳。民主党の子ども手当なら、すべての子供に月2万6000円よ」

 「えっ、そうなの。そっちの方がいいわ」

 神本は、子ども手当の力を実感している。


 民主党の子ども手当の年間予算案は、事務費も含めると約5兆6000億円。財源は「予算の総組み替えで、子ども手当は初めに確保する。どこかを削って付け替えるわけではないから心配はない」(民主党政調)とはいうが…。

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by cogno_eb2 | 2009-07-01 20:25 | マニフェスト