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地方自治ってなんだろう?   

 最近、県知事がからむ不祥事のニュースが立て続けにあった。岐阜の裏金、和歌山・宮崎の談合、東京の身内海外旅行・・・。ニュースの中では「天の声」という言葉が普通に使われていたし、いやはや、理解に苦しむ事態だ。

 県知事は権限が絶大だと聞く。議院内閣制の首相に比較して、大統領に例える人もいる。権限が絶大が故に、BOSSの命令が「天の声」やら「鶴の一声」となって逆らうこともできず、官製談合が繰り広げられる。

 職員がBOSSの命令に逆らえないのは、まあ、会社組織ならどこでもそんなもんかとも思うが、役所の場合は議会という存在があるので、私たちの代表がチェックをしているのだと教科書どおりの理解をしていたが、どうやら、社会科の教科書と現実の地方政治の世界は異なっているらしい。何人も束になって一人のBOSSをチェックできない議会なんて必要ないし、何をやっているのかよくわからない地方議員の給料か定数を削減すべきだろう。

 ふと、「地方政治」ってなんだろう?と思った。国政はまだ分かる。法律を作り、予算を決め、それが様々に私たちの生活に直結しているからだ。税制を改正すると国会で決まれば、給料が減る。年金の負担額を引き上げると決まれば、自分が老後にちゃんとした生活ができるかどうか危ういのに、今の高齢者世代のために給料を減らして納付することになる。国会の論議は、遠く霞ヶ関やら永田町やらで繰り広げられている論議にもかかわらず、なにかと私たちの生活に近い話題なのだ。

 ところがである。地方政治っていったい何だ?地方議会って何をやっているんだろう?
 その昔、3割自治という言葉があったそうな。自主財源が全体の3割で、残り7割は国からもらっているもの。家計に例えれば、父ちゃんが働いて稼いでくるお金が3割で、あとの7割は、爺ちゃんが孫に何か買ってやれと使途が決められて入ってくるお金や、ばあちゃんから借り入れて使うお金など、他力でまかなうお金だということ。

 一方で、そうやって集まったお金を使う権限が、地方政治には2割から3割しか無いという機関委任事務制度というものが最近まであったらしい。簡単に言うと、家計としてあるお金を使おうとしても、爺ちゃんから使途が限定されているから、父ちゃんがゴルフに行こうと思ってもそのお金は使えない。ゴルフ代に使う権限が及ぶお金は自分で働いて稼いできた家計の3割の金額しかないので、優先順位の高い食費や光熱費でその3割のお金を消費していくと、父ちゃんは今月もやっぱりゴルフには行けないのだ。

 機関委任事務制度というのは、国の仕事なんだけど、県知事や市長に命令して、国に代わって法律どおりに仕事をさせる制度。この制度の上では国の仕事を法律に基づいて実施することが義務なので、当然それに必要な費用は優先順位の最上位なわけです。地方の状況に応じて「いやぁ、うちはこれはやりませんから。そんなことよりも過疎化対策にその金も人手も割きますよ」というわけにはいかないということ。義務化されている仕事をやりきった上で、それ以外に人手もお金もあるなら、地方の判断で仕事をやりなさい、ということ。

 この機関委任事務制度が変わって、自治事務になったそうな。具体的にどう変化したのかよく分からないけど、自治事務が約55%、旧機関委任事務である法定受託事務が約45%に変わったそうだ。でも3割収入の問題は解決していないらしい。機関委任事務が自治事務に扱いが変わっても、法律に基づいた業務であることは変わりなく、その意味では判断というか決め方を国の基準でなく、各地方の基準でやってよいということになっただけで、事務全体に占める法定事務の割合は高いままだろうと思う。つまり、BOSSが変わったから前BOSSとはまったく違う事業を立ち上げて、お金も人も投入していく、という余地は、以前少ないままなのだろう。

 都道府県庁や市町村役場が自主的にできることが2割から3割しかなく、そのためのお金も3割程度しかなかった時代に、地方議会は役に立っていたのだろうか。神奈川県議会は108人の定数だということだが、仮に年収の平均が1500万だとして、実に年間16億2千万も使って、自主的にできるたった2割~3割の範囲の話を扱ってきたわけだ。ずっと議員提案による条例可決もないと聞く。自主財源が少ないのなら、議員の給料を半分に減らして年間8億を捻出して事業をやった方がいいのでは?

 法律により仕事が決められていて、そのためのお金も自腹でまかなえない地方自治体。果たして、地方自治体とは「地方を自ら治める団体」なのか?地方自治ってなんだ?

続くぅ!
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by cogno_eb2 | 2006-12-27 12:39 | ニュースコラム