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政権選択選挙って誰が言い出したんだ!本来は政策選択のはず。   

 いよいよ公示ですね。

 いつの間にか政権選択選挙ってフレーズが定着していますが、これって、「政権がほし~の」と言っている一部の勢力がキャッチフレーズにし、それにマスコミが乗っかっただけで、1950年代に大衆社会の到来と指摘された状況から成長し切れていない日本の意識風土に妙にマッチした結果なんだろうと思いますね。

 選挙はそもそも政策の選択のはず。

 今までが、地縁・血縁・ワイロ・組合の圧力・風といった様々なちゃんとしていない要因から一票を投じてきた、いわば発展途上の未成熟社会であったというだけで、政策の選択という、かつて「公衆」と呼ばれ、大衆より判断能力が高いと位置づけられた人々が実施してきたと思われる投票行為を、するレベルに無かった民たちの間から自然発生的に「政権を選択する選挙なんだ」とわき上がってきたものではないことに注目したい(なげぇ文章!)

 自民党も民主党も政策選択の選挙はできる器にない。公約の中身と一連のネガティブキャンペーンを見ていれば一目瞭然でしょう。

 民主党は「子ども手当」など新設の制度が目白押しだが、なぜ、現行制度を廃止して新制度を作らなければならないのかという理由が明示されていない。現行制度は扶養控除という形で、子どもが進学などでお金がかかる16歳から23歳の間は年63万の控除となります。税率20%なら、126,000円の可処分所得を与えていることになるんですね。民主党の子ども手当はこれを廃止してごっそり削ります。子ども手当も16歳までなので、この8年間は増税の嵐。子どもが高校卒業したら完全純増で子ども二人に専業主婦の家庭の場合、1年間の可処分所得は32万8000円純減なんですよ。これね、現行制度のほうがトータルで面倒使用としている制度に思えますが、なぜ変えるんですか?

 その答えは、無党派の年代の子育て家庭にターゲットを絞った集票行為なんですよ。かつて定額給付金で「公然買収」と非難の声をあげた民主党が、実際の可処分所得6500円増にもかかわらず26000円配ると表現して買収しにかかっているんですな。

 高速道路無料化にしてもしかり。なぜ今の制度がダメで、完全無料化が合理的なのかの説明が一切無い。高校無料化だって、進学が困難な家庭に確実に手当が行けばそれがベストなのに、一律で全家庭に配る。その合理性は議論すらされていないんですよ。

 政策選択の選挙にしなきゃ、この国ヤバくなりますよ。有権者が上記の施策に心がときめいて目がハートになっているレベルじゃ、大衆迎合に傾斜するってもんです。有権者がしっかりしなくちゃ。

 そして、声が届く政党になっているかどうかもちゃんと考えなきゃ。自民党は派閥抗争ばっかで支持者の声を反映させる仕組みになっているのか不明だし、民主党は代表絶対主義で進言さえ許されないような特異体質を顕わにしちゃいました。

 「政権選択の選挙」なんて、有権者が愚かだから成り立つようなもの。有権者が賢明になって「政策選択の選挙」ができるようになり、要望が党中央までちゃんと届いているのか、届けるような動き、また、実現への努力をしなかったら容赦なく落とされるという健全なパワーバランスで政党が成り立っているような社会を作らないと、ほんとうにこの国はおかしくなりそう。

 結局私たち有権者にかかっているんです。
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by cogno_eb2 | 2009-08-17 21:22 | マニフェスト

民主党が社民・国民新と連立   

圧勝すると連立は考え直すと言ってなかったっけ?そんなに順風でもないという感触なのかな?

旧社会党の連中が政権入りかぁ。やだなぁ。

その理由は・・・、ちょっと感情的な文章ですみません。あまり感情でどうこう言いたくないんですが、たまには、ということで。
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 私の実家は富山だ。富山と言えば、北朝鮮による拉致未遂があった場所だ(高岡市)。事件は1978年8月15日。ずだ袋に詰め込まれ拉致られそうになったが抵抗し、袋から出た両足だけでぴょんぴょん跳ねながら民家に飛び込み助かったという。その時、私は小学生。拉致問題は人ごとではないないのだ。自分が生きている時に、自分が住んでいる地域で実際に起こった事件なのだ。よく遊びに行った岩瀬浜で拉致られていたかもしれないのだ。魚津だったかの海岸で、特殊潜行艇が打ち上げられたというニュースもあった。

 拉致問題は私にとって「自分ゴト」だ。「ヒトゴト」で論じている人間とは違う。だから、旧社会党の残党と共産党には、正直嫌悪感を持っている。過去を反省して出直してこい。社民党の福島党首が政策発信の核となるなどと息巻いているが、アフォか。社会民主主義国家を建設されては迷惑だ。旧社会党の残党を抱えながら、社民党を連立相手に考えているという民主党の政策も社会民主主義色が濃くなってきている。バックに公務員でありながら赤旗振っている自治労も日教組もいる。

 自分の感情の面では、そんな政権はキッパリとお断りしたい。
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by cogno_eb2 | 2009-08-12 21:29 | ニュースコラム

民主マニフェスト訂正:まじめに考えるのがバカバカしくなってきた   

 民主党は官僚政治の打破を公約とするのは、「そりゃぁ、やってくれよ」と思うが、当のご本人たちが官僚の論理で「ブレ」批判の火消しに躍起になっている姿をみて、バカバカしくなってきた。

 まず、「この前出したマニフェストは正式版ではない。マニフェストは公示後でないと配れない」(by鳩山)と苦し紛れの論理を持ち出したこと。結局、いったん約束したものを修正することを宣言したわけだ。

 修正の契機は、メディア人気の高い大阪府橋下知事が要求を突きつけた国と地方の協議機関。これを「丸のみ」することで、首長連合の評価(実質的な民主支持)を引き出した。「国と地方との協議の場の法制化」は、民主党は記載無し、公明党、自民党は明記されていたが、民主小沢氏が大阪へ出かけていって明記することを約束し、今回修正されたことをもって、首長連合としての評価を民主支持とした。

 マニフェストの公表は公・民・自の順番だったが、いったん出したグーをチョキに変えるようなもので、後出しジャンケンよりタチが悪い。それを評価している橋下もレベルが低い。

 次の修正は「FTA締結反対」の農村からの集中砲火が契機だ。FTAと農家の所得補償はセットであるにもかかわらず、FTAは外交部門、所得補償は農水部門が担当したとあって、「縦割り」による意思疎通のなさという官僚の弊害そのもの。

 反対のあったFTA締結を「促進」との表現に後退させ、それでもなお岡田は「基本的な考え方は変わっていない」「4年以内の締結を目指す」としているから、締結する意思を持ち合わせていることに変わりはない。「促進」という言葉に後退させる、という「コトバのマジック」を駆使するところも官僚の手法だ。締結する意思にブレはないのに、「促進」に表現を後退させれば票が入ると考えているのか。

 加えて、それは後退ではなく「わかりやすくしただけだ」と言ってのけるから素晴らしい。官僚からは満点もしくは花マルをもらえているのではないか。

 もはや、マニフェストそのものが揺らいでいる。なんだか一有権者として真剣に考えようとしていたのがアホらしくなってきた。民主党直嶋氏は会見で「一度出して有権者から聞いて最終版になるという国もあるようだ」などと言い出した。他の国でもこんな例がある、と言わんばかり。

 そして「有権者の意見を聞いて『進化』させるのは当初方針通り」と、最初から修正を重ねていく手法をとることにしていた、とまで言い放った。

 「ダメだこりゃ」(←チョーさん借りました)である。

 今回のマニフェストの修正項目は、全部で5つらしい。上に書いた二つ以外に、不妊治療の保険適用が、なんとマニフェストに入るらしい。子ども手当批判の中に不妊治療への補助の要望が高かったため、ということらしいが、この短期間に社会保障関係費の抑制にメドをつけたのか。もしそうだとしたらそうとう高い政策制度設計能力を持っているとお見受けする(そんなわけないが)。

 多分財源は書いてないだろう。今のマニフェストにも所要額は書いてあっても財源は「無駄の廃止」としかないからね。先日のTV討論で鳩山代表は「政府に入ってみないとのどくらいできるかわからない」と言ったらしいから、もはや、これはマニフェストではなく、従来型の公約だ。声が大きいヤツの言うことをどんどん公約し、カネの手当はなんとかする、みたいな。

 今声をあげれば民主党はなんでも約束してくれるぞ。もちろん、声が大きくないといけないけど・・・。証券税制を改革してくれないかなぁ。売却益にかかる税の税率を思い切って5%に下げてくれ~!親のありがたい申し出から税金取るな!相続税を無税にしてくれぇ!

 おっと、私としたことが、ポピュリズムに呑み込まれそうになるところだった・・・。失礼。

 利権&小泉劇場政治のうまみから脱却できない自民党も終わってるし、ポピュリズム&社会民主主義の民主党もダメ。日本の政治は危険水域にきてるなぁ。民主政権になってもどうせ短命。その後の政界再編をにらんで、公約が一番しっかりしている公明党に期待するか?

 投票日まであと少し。いろいろ考える時間はある。決して自分の名前書くような事はないようにしなきゃね(笑)


ブログ意見集 by Good↑or Bad↓ 民主党の公約修正は迎合路線?

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by cogno_eb2 | 2009-08-12 21:26 | マニフェスト

民主党 日教組 北朝鮮   

教員は政治力 民主、「わが世の春」待つ日教組<産経新聞>

こんな記事を見つけた。

記事を見ていただければ多く語る必要もないが、民主の強力な集票マシーンは労組で、中でも自治労と日教組。

どちらも公務員にもかかわらず赤い旗を振っている勢力だ。

輿石東参院議員は、典型的な組織代表で元山教組幹部。教育基本法違反の「政治を抜きに教育はない。教育を語るとき政治を語らなければならない」という持論を展開しているそうだ。

記事によれば、槙枝元日教組委員長は平成3年に北朝鮮から親善勲章第1級を授与されている、親北派。民主党政権成立のあかつきには、教育界はこういう人たちに牛耳られるのか。

社会福祉系政策では全員一律の高福祉で社会民主主義一色だし、教育は親北朝鮮の一派が握る・・・。

これは危険だ。

政策でいえば、教育基本法の改正を狙っているのに、票にならないからとマニフェストから外し、高校無料化を目玉にする。

小さな文字ばかりであまり人は見ないだろう「政策各論」の項目15番に、ひっそりと「小中学校の運営は学校理事会があたる」旨の記述がある。記事によれば、これは日教組の政策だそうだ。

この記事に出会う前からこの15番については違和感を持っていた。テレビドラマにもなった「モンスターペアレンツ」の存在を、民主党は知らないのかなぁ、と単純に疑問を感じていた。そんな保護者が学校理事会の一員でやっていけるのか・・・。

日教組の政策だとわかったら、よけい疑問が生じてきた。地域住民の代表で赤い旗をかつぐ連中が学校に入り込まない保証はない。逆にそれを狙っているのか・・・。

これで教科書選定が自由化されたら、学校で何を教わってくるのかぞっとする。

いま、あくまで政策論争ということでマニフェストを分析している最中だが、以前書いたように、私はアンチ社会主義・共産主義だ。先入観を持たずにもう少しこの作業を続けたいが、こと教育という中立であるべき分野に、政権政党が赤い色をつけはじめるなら、断固として拒否しなければならない気持ちが強くなってきた。

バラマキで目を引いて、裏で教育基本法の改正と日教組支配を企むなど、論外である。

これは、共産党の二段階革命論に匹敵する悪行だと思う。

私の中では、政策の制度設計のいい加減さ、子ども手当やFTAのように批判が高まったら修正するブレさ加減も相まって、民主党への心証はかなり悪くなってきている・・・。
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by cogno_eb2 | 2009-08-10 21:22 | マニフェスト

民主党マニフェスト:年金改革にもの申す(5)   

これまでいろいろと書き連ねてきましたが、「だから何なのよ!」と言われそうなので(汗)、ズバリ書きます。

民主党のマニフェストにおける年金制度で、次の部分はおかしい。

1.年金保険料の流用禁止(マニフェスト項目17)
  これは即座にやるのがあたりまえで、なぜ問題が表面化したときにできなかったのか疑問。おかしいと思うのは、具体策として、流用禁止を法で定めるとしか書いてないが、なぜそれに2000億円かかるのか?かつて民主党が国会の会期終了間近に法案を出して審議未了廃案となった年金改正法案があったけど、2000億かかったのか?

2.不公平是正のために一元化する(マニフェスト項目18)
 不公平は、現行制度が職業によって分かれていることではなくて、少ない掛金でたくさんもらえる人と、掛金がどんどん上がるのに給付が減らされる人が出てしまうこと。つまり、払った分と給付とが公平に対応状態にあるべきであって、一元化すれば公平になるわけではない。

 職業によって制度が異なる弊害は、例えば、国民年金から厚生年金へ移るというときに、手続きが煩雑なことくらいで、保険料率の違いが不公平ではない。一元化するとなると、現在低い保険料率のところが一気に大幅に負担が増すことのほうが不公平である。一元化するなら保険料率をどれに一致させるのか明示すべき。厚生年金に合わせるのか。だとしたら厚生年金よりも低い保険料率になっている年金は、4年後に一気に上がるのか。

 よって、不公平の所在は、払った分ともらえる分が人(世代)によって異なるという不公平であり、それを是正するのがスジ。一元化によって不公平が是正されることはなく、別の不公平を生じさせるという問題をはらむ。

3.消費税で最低保障年金を創設(マニフェスト項目18)
 枝野案では、新制度は全く別の制度で赤字が存在しなくなるから消費税を上げることはない、としている。別制度で現在債務を確定させるというから、現行制度加入者は新制度に加入しないことが想定されるが、その場合、現行制度の債務の償還は消費税を用いずにどうやって行うのか。

 あるいは、新制度に移行しないのは給付が始まっている受給者のみで、現役世代は一気に新制度に切り替えということになれば、新制度以降の翌年に受給年齢に達する人の年金をどうするのか。最低保障年金は消費税で賄うとしているが、地方消費税1%はこれまでどおり地方財源とし、残り4%で月7万円の給付を確保できるのか。シミュレーションを示すべきだ。この4%は完全目的税化するのか。足りなくて税率を上げる、ということにはならない見通しなのか。そのへんを明らかにしないのはおかしい。

民主党のマニフェストは、マニフェストになっていない。表面上はいいことばかり書いてあるが、制度設計はつっこみどころ満載。これは「政権獲得公約」でしかないですね。
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by cogno_eb2 | 2009-08-10 21:21 | マニフェスト

農家の票のため、マニフェスト見直し FTAの「締結」から「促進」へ表現後退   

民主党がまたまたブレ出した。

「農家にお金配ります」という公約の裏に、アメリカとの自由貿易協定締結による関税の引き下げが隠されており、それに気がついた農家の皆さんが猛反発したというお話。

鳩山代表の釈明会見では、マニフェストをわかりやすい表現に直す、ということだったらしいが、「締結する」から「促進する」へ表現を後退させ、なおも農村票を取り込もうとしている。

そもそも、「促進する」というのは、FTA締結をやるのか、やらないのか不明だ。一方で農家へお金を配る「戸別所得補償制度」をブチ挙げたからには、いまさら「締結が条件なので、締結しないとなるとお金あげません」とは言えないのだろう。
でも、そこはちゃんと言わなきゃ駄目なんじゃないかなぁ。だって関税の引き下げで苦しくなるからお金配るんでしょ?関税の引き下げをやらないなら補償しなくていいじゃない。

会見では、「FTAの交渉を進めていくべきだと強く感じている」って改めてしゃべってるから、表現が「促進」になったからといって、締結はするんじゃないのかな。表現を丸めて取り繕うなんて、民主党が目の敵にしている官僚の手法そのままなんですけど。
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by cogno_eb2 | 2009-08-06 22:35 | マニフェスト

民主党マニフェスト:高校無料化にもの申す   

民主党の現金給付はなぜ「一律」なのか。

高校の授業料無料化は、確か、生活保護の母子加算廃止を例にあげ、「学校に行きたくても行けない人がいる」から、そこに光をあてるんだと、友愛精神で語っていた記憶があります。

であるなら、そうした子どもたちを対象とした制度にすればいいのでは?なぜ一律12万(私立24万)の現金支給なのか。

民主党って社会民主主義政党でしたっけ?

親がしっかりしていない家庭に現金給付すると、飲み代やらパチンコに使ってしまうのでは?といった不安は、まあそれもありますが、それより、教育格差が広がると思いますが、どうでしょ?

現在、授業料は払えている家庭に現金をあげるとどうなるか。「これで塾に行かせられる!」といって塾代に回る。あるいは、もらったカネを貯めておいて、子どもが地元の国立ではなくて都会の私立大を望んだら願いを叶えてあげられる・・・。足りている家庭に配れば、教育環境のステップアップに回るのは必至でしょう。

授業料を払うのがギリギリの家庭はそのまま授業料へ、足りているところは塾やらなんやら、現状より上を志向する。格差を拡大するとはいいませんが、固定化させることにはつながると思いますね。

なぜ、一律なんでしょう・・・・。

所得制限を設ける、という発想ではなく、政治の手をさしのべるべき世帯に確実に行き渡る政策を考えるべきだと思います。

政権交代のため、共感を得る多くの票が必要だからなんでしょうが、それこそバラマキですよ。かつて定額給付金のときに、カネで票を買うのかなどと批判していた記憶がありますが、同じ事やってますな。
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by cogno_eb2 | 2009-08-05 23:10 | マニフェスト

民主党マニフェスト:年金改革にもの申す(4)   

積み立て方式というのは、「年金」の名を冠する以上、不可能だと考えられているらしいです。年金制度の研究者の間では、賦課方式の制度が常識なんだそうです。

確かに、自分が月々積み立てた金額をいくら運用しても、老後の何ヶ月分の生活費になるか、しれたものかもしれません。

でも、現行制度の賦課方式であっても、給付金の国庫負担割合を高めていかないと制度が持たないということなので、結局、払い込まれた掛金と税金を原資としているので、完全なる世代間扶養ですら実現していないわけですね。

ということになると、積み立て方式であろうと賦課方式であろうと、純粋に掛金だけでは給付総額に足りないことは変わりないということです。積み立て方式でも、結局は税金を入れないとダメなのでしょう。どちらの方式でも、結局年金の原資で給付額をまかないきれないのが共通ということになると、その違いは計算方法、ということになります。

賦課方式では、給付水準は人口推計を中心に考えるので、今後、現役世代の負担増&給付額の抑制というダブルパンチが続きます。一方の積み立て方式は、掛金の運用なので、人口構成の影響は受けませんが、将来の給付は保証されてはいない。

積み立て方式のリスクは、将来の給付が保証されていない事に加え、あと3つほどあります。純粋な掛金の運用では、制度当初の運用原資が少なすぎて利益を出しにくいということと、日本版401Kの運用失敗の例もあるように、投資を失敗すると元本割れする、さらには、運用結果が老後の生活費としては十分でない場合が生じるということ。

この問題を解決するために、「見なし掛金」制というのがあり、「スウェーデン方式」と呼ばれ、有名です。

簡単に言えば、運用利回りをその時々の経済水準で算出し、自分が拠出した掛金がその利回りで運用された、という記録をつける、というもの。従って、将来もらえる金額が補償されているものではありません。拠出建てですから、いくら払ったから、いくらもらえる権利がある、ということ。

「見なし」というのは、その記録を残していきながら、実際に掛金として納付されたお金が100%運用に回るわけではないということです。ですから、「運用に失敗したのでおたくは赤字です」ということは避けられる。「見なし」のメリットですね。

今の制度は、「いくらもらえますよ」という約束を最初にしてしまうので、「掛金を積まなければもらえる資格はないよ」という話になりますが、拠出建てになると発想が逆になります。25年で権利取得、ということではなく、払った分は老後にもらえる、ということなので、払わないと自己責任、ということです。

民主党の案も、基本的にはこの方式をとっているため、年金手帳を配ります、という公約になっているんですね。

ここまでお読みいただければお分かりかと思いますが、払う側からすれば、個人勘定をつくって拠出建てにしたほうが、明快なシステムになりそうだ、ということです。

ただ、掛金の設定はどのようにするか、という問題があります。給付建ては将来もらえる金額を保証するものなので、そこから逆算すればいいのですが、拠出建てで老後の受給額の水準を満たそうとする場合、掛金は所得に対してどのくらいの割合になるのか。

民主党は所得比例年金という言い方もしていたようですが、はたして所得の何%を掛金とするのか。その計算方法はどういったものか、さらに、その見直しはどういうタイミングで行うのか・・・。
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by cogno_eb2 | 2009-08-05 23:08 | 年金問題考

民主党マニフェスト:年金改革にもの申す(3)   

年金制度は、世代間扶養の賦課方式をとる限り、人口のバランスが崩れた場合に破綻します。簡単な話です。

長寿社会・高齢化になって、現役世代(働いている人)の人口が減る、加えて、不況による減収から未納が増える。

賦課方式は現役世代が稼いだカネの一部を集めて、年金受給者に配るわけですから、財布に入ってくる原資が少なくなれば、年金生活者に配るカネが減るわけです。

でも、法律で、年金額を補償しているから、「今年はアガリが少ないのでワケマエは減ります」とは言えないわけです。その分を国庫(税金)で補填して、法律で約束したカネを配るわけです。

この賦課方式・給付建ての制度を取る限り、長寿社会と人口減少に対応するには、現役世代の掛金を上げて、年金額を下げるしかない。

そうすると、今必死で働いている人たちが老後を迎える頃に、果たしていくらもらえるのだろうか、という不安が生じます。今もらっている人よりたくさん収めているのに、今もらっている人よりも自分たちのもらえる額のほうが少ない。不公平じゃないか。だったら年金なんかアテにせずに、自分で株でもやって自己防衛しようか、という発想は充分出てくるでしょうね。

事実、年金制度がスタートしたばかりのころは、「少ない掛金で大きな補償」的なありがたい制度だったのです。でも、今の人口構造では、このようなオイシイ話はありえないのが現状でしょう。

では、どうするか。

まずは給付建てをやめる。つまり、「将来これだけもらえますよ」という出口の約束をやめる。出口が決まっているから、原資が足りなくなって掛金つまり入口を大きくしなくてはならなくなる。出口を約束すると、入口の金額設定の際に、将来人口の推計で決定せざるを得ないので、推計が下方修正されるなら、その度に金額設定を変えて行かなくてはならなくなる。推計を根拠に決定するというキワドさが残ってしまうんですね。

だから、拠出建てにする。その人がいくら払って、それを運用したらいくらになったから、あなたの場合はいくらもらえますよ、ということ。単純明快。民間の保険商品は当然のことながらこういうスタイルですよね。

拠出建てにすると未納はなくなる。というか、未納でも問題はなくなる。未納、すなわち運用原資が無いか増えないということだから、数年払ってあとは未納、という人は、その少ない原資の運用結果を将来もらうということで、もらえる額が少なくてあたりまえ。制度加入が強制なら、払わないと損、ということで、ま、自己責任ですな。

給付建てを拠出建てに変えるのと同時に、賦課方式も綺麗さっぱりやめてしまう。拠出建てで自分が払った原資を運用するのだから、それが運用されずに年金受給者の支払いに充てられたのでは、増やしようがないでしょ?だから、世代間扶養の賦課方式はやめて、積み立て方式にする。

積み立て方式・拠出建てにするというのが、払っている人間にとって明快なわけです。だから、銀行に口座を持つように、年金の個人勘定をそれぞれが持って、いくら払ったのか。それがいくらに増えたのかが分かるようにする。個人勘定だから、それがマッサージチェアに化けることはありえない。それは不正であり、違法で、損害賠償請求訴訟モノである。

ね?明快でしょ?

でも、まあ、それは理想であって現実的でない側面もいろいろとあるんですね。次回は、理想と現実のギャップをどう埋めるかについて、考えていきます。
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by cogno_eb2 | 2009-08-05 23:07 | 年金問題考