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維新八策の評価(4)   

維新八策の3.公務員制度改革

維新八策が掲げる「公務員制度改革」は、官民を超えて活躍できる政策専門家へというサブタイトルが付いているが、これだけでそれが実現できるとは到底思えない。

理念として掲げられているのは4つであるが、「省益のためでなく国民全体のために働く行政組織」というのは、現在もその理念であるはずだし、まずは、なぜそうなっていないのかを考えなければならないだろう。それは基本方針に書かれているのか?

また、次の二点は、基本方針で出てくる官民間の人材流動化のもととなる理念のようだが、理念というか理想に近い。
・公務員を身分から職業へ
・厳しくとも公の仕事を望むなら公務員に

そして次の点は、自治体の破綻制度の創設と言っておきながら倒産のリスクがないという矛盾がある。
・倒産のリスクがない以上、人材流動化制度の強化

まず、維新八策の公務員制度改革には、特別職公務員は含まれていない。特別職公務員とは、簡潔に言えば首相などの政治家だ。

庶民感覚からすれば、政治家の給料は民間給与に比べて高すぎるとは言えないだろうか。維新の会は年間2千数百万を超えると言われる政治家の給料(諸手当含む)については切り込まないのだろうか。

さて基本方針だが、全体の印象として、ありふれたものが並んでいる。
・給与を抑え、身分保障を無くす
・国家公務員の採用・人事の権限を内閣が持つ
・公募や政治任用を活用

この内容で抜本的改革を名乗らないでほしい。

八策の2で「役人が普通のビジネス感覚で仕事ができる環境の実現」という理念があったが、国の省庁には外交・安全保障・マクロ経済政策などが機能として残るらしいが、それをビジネス感覚で実施するのか?

一方の地方政府に目を転じると、行政サービスはNPOにアウトソーシングし、地方政府は純粋に役所仕事を残すと言っている。純粋な役所仕事をどうやったらビジネス感覚で仕事をするのか?

地方政府は経営体であって近隣自治体と直接的な競争に直面する姿を描いていながら、担当する事務は純粋な役所仕事・・・。何の競争をするのだろうか・・・。

身分保障を無くせば汗かいて働く、みたいな単純な発想なのだろうか。

公務員制度改革で実施すべき施策は、やはりマネジメント改革だろう。上意下達を排し国民・市民の意思が反映される施策決定という理念を実現するためには、官僚組織におけるマネジメントをどう改革するかだ。

維新八策は、倒産の危機、身分を失う危機、という外的要因(環境要因)を主眼にしているようだ。

大阪ではワンマン首長がマネジメント改革を行って改革してきたのなら、倒産の危機という大がかりなシステム変更に言及せずともできるような気がするのは私だけだろうか。

by cogno_eb2 | 2012-09-21 04:26 | 維新の会

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