特集:神奈川県の行政改革の取り組み 現在進行中のアクションプログラムを見る(1)
行政システム改革第二ステージ ■アクション・プログラム(改定版)(平成15年2月)をもとに神奈川県で実施されてきた行政改革の中身を見ていこう。
アクションプログラムの中で、県民サービスの向上、というページがあったので、これを中心に見ていこう。
●アクションプログラムいわく、行政の質的なレベルアップをはかる目標として、第一に次の内容が書いてある。
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【行政効率・行政サービスの向上】
簡素で効率的な行政運営を実現するとともに、県民の視点に立った質の高い行政サービスを実施するため、一つひとつの仕事の進め方を根底から見直します。
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端的に言えばこういうこと↓だ。
・行政効率の向上をする
・行政サービスの向上をする
そして仕事の進め方をどのように見直すかについて、次の3点をあげている。
・簡素で効率的な行政運営を実現する
・県民の視点に立つ
・質の高い行政サービスを実施する
「簡素で効率的な行政運営」を目指すからには、現在のどの部分が「高コスト」であり「不効率な運営」に陥っていると、行政側が考えているのか、まずはその基本認識について示す必要がある。
続いて、県民の視点に立つ、というのは、すべての事業の必要性やコストのかけ方、結果に対する評価を、県民の側の認識レベルで実施するということだが、行政は我々一般県民ではなく、役人の価値観とこれまでの慣習によって培われた認識観があるので、役人たちが「自主的」に県民の目線で認識したり評価したりできるはずがない。それをやるというのであれば、少なくとも一般県民を事業立案から評価までのそれぞれの過程に参加させる必要がある。
最後に、「質の高い行政サービスを実施する」というが、どういうサービスが質が高いとされるのかの基準が不明だ。県民の目線で質が高いと評価されるサービスが実施されているかどうかは、やはり県民参加なくして測定できないのではないだろうか。
必要だと思われるこれらの指摘事項は、アクションプログラムに反映されているのだろうか?これが県のアクションプログラムを評価するポイントとなるだろう。
●アクションプログラムの次の向上目標として、コレ↓が書いてある。
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【行政の透明性の向上】
県民の行政に対する関心の高まりに対応して、行政情報の積極的な提供を進め、県民との対話による透明性の高い行政運営を目指します。
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つまりはこういう↓こと。
・行政情報の積極的な提供を進める
・県民との対話を行う
・透明性の高い行政運営を行う
まず、「県民が感心を高く持つようになったから情報を積極的に進めることにした」という言い方はいかにもお役所的で、上からものを言っている。いまだにこんな意識でいるのかと唖然とするが、それはここでは脇においておく。加えて、「目指します」で締めくくられているのが気になる。お役所特有の「逃げ」の表現だろうか。目指すという姿勢さえ測定できれば目標達成になったことにならないか。具体的な到達点がアクションプログラムに示されているのであろうか。
さて、中身の話に移りたいが、第1点目は、ここではまあいいでしょう。アクションプログラムにどのように記載されているのか期待しよう。
二点目の「県民との対話」は、今日の表現では「双方向コミュニケーション」ということになるだろうが、県民と双方向のコミュニケーションをとる方法がどのように示されているのか、アクションプログラムをチェックしなければならない。
加えて何のために双方向コミュニケーションを行おうとしているのかいまいちわからない。【行政の透明性の向上】のために双方向コミュニケーションを行うのか?違う気がする。
我々県民は、いつどこで誰がどのように事業を決めたのか、あるいは事業の打ち切りを決めたのか、確かに透明性が高いほうがよい。でもそれは当たり前の話で、それをブラックボックスの中でやったのでは、行政は事業決定過程の説明責任を果たしていない。
むしろ我々がもっと望みたいのは、ガラス張りの会議室で事業決定がされるのをただ外から見ているだけではなくて、必要があればその中に入って希望を反映させてほしいのだ。双方向コミュニケーションをする目的と具体的に用意されている方法を確認することで、役所がこのあたりをどのように考えているのかわかるだろう。
●アクションプログラムの向上目標の最後はコレ↓
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【行政のマネジメント意識の向上】
効率的で質の高い行政を実現するため、職員一人ひとりが目標管理意識、経営感覚をもって事務・事業を行っていく仕組みの導入を進めます。
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つまりはこんなことか。
・職員一人ひとりに目標管理意識と経営感覚を持たせる
・それを可能にする仕組みを導入する
タイトルが【行政のマネジメント意識の向上】となっているのに、職員個人の問題として、個人の意識レベルの話に変わってしまっている。
もちろん、職員個人の意識レベルはいうまでもなく重要で、いままでそれがなかったの?といいたいところだが、これまでの行政運営のスタイルと、目指す行政マネジメントのスタイルの両者の比較をもって「こう変わります!」というアクションプログラムになっていることを期待する。
それでは、実際に中身を見ていこう。
つづく
アクションプログラムの中で、県民サービスの向上、というページがあったので、これを中心に見ていこう。
●アクションプログラムいわく、行政の質的なレベルアップをはかる目標として、第一に次の内容が書いてある。
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【行政効率・行政サービスの向上】
簡素で効率的な行政運営を実現するとともに、県民の視点に立った質の高い行政サービスを実施するため、一つひとつの仕事の進め方を根底から見直します。
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端的に言えばこういうこと↓だ。
・行政効率の向上をする
・行政サービスの向上をする
そして仕事の進め方をどのように見直すかについて、次の3点をあげている。
・簡素で効率的な行政運営を実現する
・県民の視点に立つ
・質の高い行政サービスを実施する
「簡素で効率的な行政運営」を目指すからには、現在のどの部分が「高コスト」であり「不効率な運営」に陥っていると、行政側が考えているのか、まずはその基本認識について示す必要がある。
続いて、県民の視点に立つ、というのは、すべての事業の必要性やコストのかけ方、結果に対する評価を、県民の側の認識レベルで実施するということだが、行政は我々一般県民ではなく、役人の価値観とこれまでの慣習によって培われた認識観があるので、役人たちが「自主的」に県民の目線で認識したり評価したりできるはずがない。それをやるというのであれば、少なくとも一般県民を事業立案から評価までのそれぞれの過程に参加させる必要がある。
最後に、「質の高い行政サービスを実施する」というが、どういうサービスが質が高いとされるのかの基準が不明だ。県民の目線で質が高いと評価されるサービスが実施されているかどうかは、やはり県民参加なくして測定できないのではないだろうか。
必要だと思われるこれらの指摘事項は、アクションプログラムに反映されているのだろうか?これが県のアクションプログラムを評価するポイントとなるだろう。
●アクションプログラムの次の向上目標として、コレ↓が書いてある。
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【行政の透明性の向上】
県民の行政に対する関心の高まりに対応して、行政情報の積極的な提供を進め、県民との対話による透明性の高い行政運営を目指します。
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つまりはこういう↓こと。
・行政情報の積極的な提供を進める
・県民との対話を行う
・透明性の高い行政運営を行う
まず、「県民が感心を高く持つようになったから情報を積極的に進めることにした」という言い方はいかにもお役所的で、上からものを言っている。いまだにこんな意識でいるのかと唖然とするが、それはここでは脇においておく。加えて、「目指します」で締めくくられているのが気になる。お役所特有の「逃げ」の表現だろうか。目指すという姿勢さえ測定できれば目標達成になったことにならないか。具体的な到達点がアクションプログラムに示されているのであろうか。
さて、中身の話に移りたいが、第1点目は、ここではまあいいでしょう。アクションプログラムにどのように記載されているのか期待しよう。
二点目の「県民との対話」は、今日の表現では「双方向コミュニケーション」ということになるだろうが、県民と双方向のコミュニケーションをとる方法がどのように示されているのか、アクションプログラムをチェックしなければならない。
加えて何のために双方向コミュニケーションを行おうとしているのかいまいちわからない。【行政の透明性の向上】のために双方向コミュニケーションを行うのか?違う気がする。
我々県民は、いつどこで誰がどのように事業を決めたのか、あるいは事業の打ち切りを決めたのか、確かに透明性が高いほうがよい。でもそれは当たり前の話で、それをブラックボックスの中でやったのでは、行政は事業決定過程の説明責任を果たしていない。
むしろ我々がもっと望みたいのは、ガラス張りの会議室で事業決定がされるのをただ外から見ているだけではなくて、必要があればその中に入って希望を反映させてほしいのだ。双方向コミュニケーションをする目的と具体的に用意されている方法を確認することで、役所がこのあたりをどのように考えているのかわかるだろう。
●アクションプログラムの向上目標の最後はコレ↓
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【行政のマネジメント意識の向上】
効率的で質の高い行政を実現するため、職員一人ひとりが目標管理意識、経営感覚をもって事務・事業を行っていく仕組みの導入を進めます。
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つまりはこんなことか。
・職員一人ひとりに目標管理意識と経営感覚を持たせる
・それを可能にする仕組みを導入する
タイトルが【行政のマネジメント意識の向上】となっているのに、職員個人の問題として、個人の意識レベルの話に変わってしまっている。
もちろん、職員個人の意識レベルはいうまでもなく重要で、いままでそれがなかったの?といいたいところだが、これまでの行政運営のスタイルと、目指す行政マネジメントのスタイルの両者の比較をもって「こう変わります!」というアクションプログラムになっていることを期待する。
それでは、実際に中身を見ていこう。
つづく
by cogno_eb2 | 2005-06-13 18:48 | ニュースコラム